こんにちはアールイー経営の嶋田です。
医療介護従事者の人手不足が日に日に深刻化しています。
2023年も人材不足で現場が疲弊する事業所が増えそうです。
病院・施設の安定した経営の為には人材確保は不可欠。
マネジメントをする側としては、人手不足が解消できない現実は頭が痛い。
「求人を出しても、なかなか人が集まらない」
今は、看護職も介護職も求人先を選べる立場にあるので、少しでも良い条件の職場をと考えるのは当然の事です。
そして、少しでも良い条件の職場を探す際、ハローワークや求人情報誌、紹介会社はもちろんですが、知り合いや同じような職種の人達のネットワークを通じての「裏情報」・「口コミ情報」が、結構いろいろと耳に入ってくるようです。
更に、昨今はネット上で沢山の情報が出回っています。
全ての情報が、正しく良識的なものならいいのですが、中には首を傾げたくなるような情報もあるのです。
だいたい出回っている情報は、ほとんどが現職や前職でその法人で働いた経験にある人、医療・介護スタッフ側から出ていますから、どうしても偏った情報である事は否めません。
どの職場でも、医療・介護スタッフだけが正しく、経営側がすべて悪いという事はないはずですし、一つの事実であっても、立場によってその評価はまるで違ってきます。
また、管理者クラスが知っている情報と、辞めた一職員が知っている情報では質が全く異なるのです。
しかし、就職をしようと情報を集めている人達にとっては、耳に入ってくる情報全てを信じているわけではなくても、やはり気にして惑わされてしまうのです。
以前、私がお手伝いしていた病院でも、給料が上がらないと言って辞めた人がいました。
その後、その人の知り合いが、たまたま紹介してくれる人がいて面接に来ました。
すると面接で、「知り合いから、ここの病院は給料が上がらないと聞いたのですが、定期昇給とかは無いのでしょうか?」と、最初から不信感を持っているかのような質問をしてきます。
そこで、人事評価の方法やそれに伴う昇給の仕組み等を詳しく説明し、実際に給料が上がった事例等の話しをすると、本人も納得できたようで、不信感も消えたようでした。
ここで問題なのは、「給料が上がらないから辞めた」と言った元職員です。
その元職員は、給料が上がらないどころか、勤務姿勢に問題があって、定期昇給はあっても、等級降格があって、給料が下がっていたのです。
そういう自分自身の問題は全く棚上げにして、「給料が上がらない」と平気で言っていたのです。
この病院の場合、給料が他の病院に比べて高いという訳ではありませんが、人事評価や昇給等の仕組みについては、きちんと整備していました。
面接でもちゃんと説明もしていたし、理論的なので相手も納得できたのでしょう。
でも、そういう仕組みが曖昧であれば、求職者の不安や不信感を払拭する事はできません。
支払える給料の金額は、その病院や施設の経営状況によって限られるのは仕方無い事で、すぐに改善できるような問題でもありません。
それならば、人事評価や賃金制度をきちんと整備し、頑張る人にはきちんと対応しますと、アピールできるポイントを持つ事ではないでしょうか。
やる気のある人や、頑張ろうと思う人なら、ちゃんと評価してもらえると言う事は、仕事をする上でも安心できるし、頑張り甲斐もありますから、就職を考える際にはプラスの要素になるはずです。
確かに、人事評価や賃金問題も、そんなに簡単に解決できる問題ではありません。
しかし、これらの問題は、求人の際だけの事ではなく、現在働いている人達にも関係してくる事です。
せっかく入職しても、すぐに辞められては何にもなりませんし、働く人がコロコロ変わるようでは、患者さんも利用者さんも、不安になり、看護や介護の質も安定しません。
病院・施設の経営や運営を安定したものにするには、人が安定する事が必要なのです。
難しい問題ではありますが、トライしてみる価値は十分にあると思います。