「新入職員が困る組織矛盾のあるある」をあらかじめ解説すると、離職率が減る
SWOT分析、KPI監査、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
私がコンサルティングしていたある病院と社会福祉法人で、新入職員にヒアリングをしてみました。
ヒアリング内容は「職場でどんな事が困るか」「これが続いたら辞めたいと思うことは何か」
についてでした。
要は入職者の短期離職に歯止めをかけたいと、入職間がない新人から第3者であるコンサルタントが個人面談をしたわけです。
すると、いろいろと意見や「困り事」「組織の矛盾を感じる事」が出てきました。
そして、それを整理すると病院・社会福祉法人に限らず「新人の困りごとあるある=組織の矛盾」な事ばかりだと分かりました。
そして、さらに意見をもらいました。
それは「もし、その・・・・のような困り事を予め説明を受けて、『こんな時はこうすればいいよ』とアドバイスをもらえたらどうか?」と。
すると、多くの新人は「事前にそんな事もあるけど、こう考えたらいい」とアドバイスが貰えるなら、心がダメージを受けない事も分かった。
では、どの職場にもある「新人の困りごとあるある」とは何か、そしてそれをどう事前説明すればいいかを15項目を整理します。
1,まだ教えてもらってない業務をいきなり指示された時
●これは仕事を覚えるチャンスだと思って取り組む
●分からないことは当たり前だから、正直に仕事をしながら分からないことを聞く。
●いきなり指示するのは、上司に理由があるから、しっかりその理由を聞けば納得する
●自分のレベルがそこまで行ってないことを、その業務の後の上司に相談する
2,上司の指示業務をしているのに、違う上司から新たな指示が出た時
●今の上司からの業務より、それを違う上司の指示を優先すべきかその違う上司に確認すること
●もし、違う上司の指示を優先せよと言われたら、その場で今の上司に伝える(又は違う上司から伝えてもらうよう確約を取る)
3,時間内に終わるよう指示されたが、どうしても時間内に終わらないと思った時
●終業60分前には「時間内にできない」事を上司に報告(報告があれば上司が何等か手配をする)
●それでも上司から「今日中にして欲しい」と言われたら残業を申請する
●もし今日予定が入って残業できない場合は、残業できない理由を上司に伝え、上司に違う手段を講じてもらう
4,新人でまだ仕事も覚えてないのに、有給届を出していいか分からない
●有給は権利であり遠慮なく申請しても良い
●但し業務の都合や繁閑で取れる時とそうでない時があるので、上司に相談する
●上司から「その日は外して欲しい」と言われたら就業規則の有給時季変更権が法人にはあるので、急用でないかぎり従う
5,自分の評価査定結果のフィードバックに納得がいかない時
●評価不服申し立てができるので、直属上司の上の管理責任者に直接申し立てる
●不服申し立てをする前に直属上司に見解の相違点を確認する
●直属上司が指摘している具体例が事実と違う場合は、その場で伝える
●査定結果はトータルで評価しているので、一部の見解の相違だけで査定結果を変えることはない
6,自分だけのミスではないのに、自分だけ責められていると感じた時
●責められているその場で反論できない場合、日報や文書で「事実」を上司へ報告する
●他の人も同じような指摘されているか自ら確認する(自分の知らないところで関係者が叱られている可能性もあるので)
7,同じことを聞いても、先輩上司によって答えが違い、どれが正しいか分からない時
●事実をそのまま違う上司に伝える(A主任はこういっているが、B課長の指示で良いのか?A主任にはB課長からやり方を変えたと伝えてください)
●現場を見ていない上司からの指示がいろいろ交錯している場合、どのやり方が、社内事情や自己都合ではなく「顧客にとってベター」かで判断する
●また事実で判断する。又聞きや3現主義で確認していないものは確認してから。
8,会議で発言を求められても何を発言していいか分からない時
●司会者に「質問の主旨やヒント、事例」を言ってもらう
●自分の意見を発言する前に紙に書く ●「後から意見を言います」と他の方に譲る。但し他の意見を聞いたうえなら、頑張って答える
●いい回答をしようと思わない。事実と率直は感想を言う事に努める
9,電話の取次ぎを誰にしていいか分からない時
●「取次ぎ一覧表」を見ても分からない場合は、保留にして近くにいる先輩に聞く(近くに誰もいない場合は、15秒以内に分かる人につなぐ)
●分からなかった取次ぎは「案件と該当者」を自分なりに整理し事例を蓄えておく
10、以前教えられた事が、日にちが経ってしまい忘れて、同じ間違いをしてしまった時
●一度経験した業務を忘れない為に、毎回その業務の「注意点」「進め方」をメモしておく(動画マニュアルを再度見ておく)
●再度、日にちが経って同じ業務をする時は、その記録を見直したり、上司から「注意点」を細かく聞き出す
11、良く教えてもらってないのに、ミスしたらキツク叱られた
●𠮟り方が厳しい人がいるが、しかり方ではなく、どこが間違っていたかしっかり聞き、その指導内容をメモに取る(𠮟り方を意識すると、その人が苦手になる)
●注意されている最中は「うなづき」ながら聞き、最後に「ありがとうございました。」という
●そのあと、教えてもらってない事実を伝え、今後同じミスをしない為にしてほしい事を伝える(マニュアルやチェックリスト、作業練習の機会等)
12、現場が忙しいのに、新人だから「早く帰っていい」と言われ、申し訳ない気持ち
●帰れる時には帰った方が良い。職場での付き合い残業はよくない事になっている
●もし、就業時間内であれば、気づいたことに「〇〇しましょうか」と手伝おう
●帰る間際には「申し訳ありません。お手伝いできなくて。お先に失礼します。」と残っている先輩を労って帰ろう。
13、入社前に思い描いていた業務内容が異なる事がある
●広く仕事を覚えてもらい、いろいろなことができる多能職を育成しているので、希望職種とは違う事も経験してもらう
●後から、「あの作業を経験して良かった」と必ず思うから、最初は嫌でもしっかり身に着けること ●希望職種に幻滅して、違う仕事のやる気を感じる人もいるから先入観をなくしてトライしよう
14、仕事の進め方で提案したのに「これがうちのやり方だから、そうしてください」と言われた
●「これがうちのやり方です」と言われるが、当面従ってやってみてください。
●うちのやり方が正しいとは限らないが、先ずうちのやり方をしてみて、「もっと効果的なやり方があったら、〇〇課長に直接伝えてください」。現場のリーダーは違うやり方を急に言われると混乱するので。
15、中途採用だと前職の経験をあるから『それ位わかってるでしょ』と説明不足な事がある。
●分からない場合は率直に聞いて結構です。最初は経験者でもいちいち聞くことが当たり前だから
●もし、そういわれたら「それは前職とは機械が違うので、ルールが違うので」といってください。何も言わないと「分かっているつもり」で上司は話すから。
このように、「自法人のあるある」を先に伝え、その時に対処法まで説明する事で、いきなり受ける心のダメージを減らす事が必要です。
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