
KPI経営を導入しようとする中小企業も増えています。
KPI経営はしっかりしたポイントを押さえれば、中小企業でも効果を発揮しますが、多くの企業ではちょっとポイントがすれている所も多いですね。
「中小企業のKPI監査」の提唱者である私の経験から言うと、どうも入り口でボタンの掛け違いがあるようです。
本稿の詳細は拙著「KPI監査」に詳細を書いています。

KPI経営を導入しようとする中小企業も増えています。
KPI経営はしっかりしたポイントを押さえれば、中小企業でも効果を発揮しますが、多くの企業ではちょっとポイントがすれている所も多いですね。
「中小企業のKPI監査」の提唱者である私の経験から言うと、どうも入り口でボタンの掛け違いがあるようです。
本稿の詳細は拙著「KPI監査」に詳細を書いています。

中小企業の経営コンサルティングや会計事務所による経営支援の現場において、最も多く聞かれる悩みのひとつが、「経営計画や目標を設定したにもかかわらず、現場の行動がまったく変わらない」というものです。
「売上を増やそう」「生産性を上げよう」といくら経営陣が叫んでも、現場の社員は翌日から何をすればよいのか分からず、結局は従来のルーティンワークを繰り返してしまう。
このような目標の形骸化は、なぜ起きてしまうのでしょうか。
その最大の原因は、多くの現場において「KPI(重要業績評価指標)」として掲げられているものが、実は単なる「KGI(重要目標達成指標)」の言い換えや、単に数字を小さくしただけの下位目標にとどまっていることにあります。
結果指標を追いかけても、結果そのものを直接コントロールすることはできません。
コントロールできるのは「プロセス(行動)」だけです。
本記事では、中小企業の行動変容を促すために不可欠な「行動プロセスの因数分解」の手法と、それを客観的にモニタリングする「KPI監査」の視点について、4つの業種別リアル事例を交えて深く解説します。
まず明確にすべきは、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)の圧倒的な違いです。
KGIは「最終数値達成に影響する結果の数値」であり、売上高、経常利益、あるいは部門ごとの総製造量などの最終数値に直結する数値これに該当します。
一方で、KPIとは「その結果を導き出すための具体的なプロセス(行動)の数値目標」でなければなりません。
これが良くある中小企業の例では
「売上高前年比10%増」という全社KGIに対し、営業部の目標を「既存顧客への売上5%増」、製造部の目標を「製造原価3%削減」といった形でブレイクダウンしています。
一見すると組織展開できているように見えますが、これらはすべて「結果指標(=小規模なKGI)」に過ぎません。現場からすれば、「じゃあ、具体的に明日から何を何回やればいいの?」という疑問に対する答えが抜け落ちているのです。
これを例えば
●「新規開拓10件」「値上げ10%アップ」という全社KGIに対し、営業部の目標を「新規開拓の為の仕掛けやツール制作数、紹介先数、イベント企画数」など
●製造部のKGIである「不良率3%削減」に対して、「特定工程での不良発生件数5%削減」「不良の多い品番別不良率〇%削減」
等と展開していくと行動のイメージが沸きます。
これが本来のKPIです。
売上や利益などの業績目標ばかりを追いかけても、結果はついてきません。
結果を出すためには、結果を左右する重要な要因(KSF:Key Success Factor=重要成功要因)を特定し、そのKSFをクリアするための「行動詳細プロセスの因数分解」を行い、最終的に「行動数量」を抜き出してモニタリングしていく必要があります。
この一連の仕組みを社内に定着させ、第3者の視点で厳しくも温かくチェックしていく仕組みこそが、我々が提唱する「KPI監査」なのです。
では、具体的にどのように因数分解を行えば、動かない現場を動かす「本物のKPI」を作ることができるのでしょうか。
4つのリアルな業種事例からそのプロセスを見ていきましょう。
多くの製造現場で「今月のKPIは不良率10%削減だ」というスローガンが掲げられますが、これも典型的なKGIです。
不良率は作業の結果として現れる数値であり、これ自体を直接コントロールすることはできません。
これを本質的なKPIにするには、まず「なぜ不良が発生しているのか」という要因別対策(KSF)を決める必要があります。
KSF(重要成功要因):「初期微動の摩耗による刃先ズレの防止」および「異物混入を防ぐための始業前清掃の徹底」
本質的な行動KPI:
主要設備の始業前チェックシートの完全実施数(毎日1回×稼働日数)
規定ショット数(例:5000回)ごとの刃具交換の遅延ゼロ(実施率100%)
「不良率を下げろ」と言われても動けない作業員も、
「始業前にこの3箇所を清掃してチェックをつけろ」
「5000回打ったら必ず刃物を替えろ」
という行動数量であれば、確実に実行できます。
この行動数量の推移をモニタリングすることこそが、製造業におけるKPI経営の第一歩です。
原材料高騰や労務費上昇が続く昨今、多くの中小企業が直面している「値上げ交渉」。経営陣が営業部に対して「平均値上げ5%」を命じることが増えていますが、これも結果指標(KGI)です。
営業マンは「顧客に嫌われたくない」「他社に乗り換えられる」と恐怖し、なかなか交渉に踏み切れません。
ここでも因数分解が必要です。
KSF(重要成功要因): 客観的データに基づいたロジカルな交渉資料の準備、および顧客の痛みを和らげる新たな付加価値(物流効率化や納期短縮など)の提案。
本質的な行動KPI:
官公庁データや業界指標を用いた「値上げ根拠企画書」の作成件数(目標:主要30社分)
各営業マンによる「新・付加価値提案シート」を用いた事前ロープレの実施回数(1人あたり週2回)
主要顧客への「値上げ打診アポイント」の実行社数(月10社)
有利に交渉を進める具体策を「行動の数」として設定し、それを上司や支援者がモニタリングします。
行動のプロセスが担保されていれば、営業マンは安心して動くことができ、最終的な結果としての値上げ5%(KGI)へと繋がっていきます。
飲食店でよくある「今月は客単価を10%上げよう」あるいは「食材の原価率を3%下げよう」という目標。
これも現場を混乱させるKGIです。
アルバイトスタッフに「単価を上げて」と言っても、高額なメニューを強引に売り込んで顧客満足度を下げるか、何もできないかのどちらかです。
KSF(重要成功要因): ディナー帯における「おすすめペアリング(おつまみとドリンクのセット)」の積極提案、および仕込み段階での端材の再利用(フードロス削減)。
本質的な行動KPI:
入店客に対する「本日のおすすめセット」の声かけ実施率(目標100%、または実施回数)
調理場における「仕込み廃棄重量」の毎日計測と記録の実施率(毎日100%)
「ご注文時に必ず『本日採れたての〇〇もご一緒にいかがですか?』と一言添える」という行動ルールをつくり、その実行回数をシフトごとにモニタリングする。
これによって、結果として客単価(KGI)が自然と押し上げられるのです。
建設・工務店業界において、工事ごとの「完工粗利益率」は会社の生命線です。
「利益率を2%改善せよ」と現場監督に指示を出しても、すでに着工している現場ではコスト削減の余地が少なく、手遅れであることがほとんどです。
粗利益の悪化は、事前の段取り不足や現場での「手戻り(やり直し工事)」によって発生します。
KSF(重要成功要因): 着工前における図面の徹底的な相互チェックによる設計ミスの事前排除、および資材の早期確定によるスポット調達コストの抑制。
本質的な行動KPI:
着工3週間前までに実施する「設計・施工合同の図面レビュー会議」の実施時間とチェック項目クリア数
現場監督による「1週間前までの確定資材手配率」(目標100%)
「現場でいかに安く抑えるか」ではなく、「着工前にどれだけ段取りを完了させたか」という行動数量をKPIとして捉え、施工管理のプロセスを可視化することが、建設業の利益率改善に直結します。
ここまで紹介した4業種の因数分解の関係性を表にまとめました。このように整理すると、KGIとKPIの間にある「KSF(行動プロセス)」の重要性が一目で理解できます。
| 業種 | KGI(結果目標) | KSF(重要成功要因) | KPI(行動数量目標) |
| 製造業 | 不良率 10%削減 | 初期微動の摩耗防止・異物混入対策 |
始業前チェックシート実施数 規定ショット数での刃具交換率 |
| 営業職 | 主要顧客の値上げ 5%実現 | 客観データに基づく交渉資料の準備 |
値上げ根拠企画書の作成件数 事前ロープレ実施回数・交渉アポ数 |
| 飲食業 | 客単価 10%アップ | おすすめセットの提案強化 |
入店客への「おすすめ」声かけ回数 仕込み廃棄重量の毎日計測実施率 |
| 建設業 | 完工粗利益率 2%向上 | 手戻り防止のための事前段取り徹底 |
着工3週間前の図面レビュー会議時間 1週間前までの確定資材手配率 |
あらゆる業種において「KGIをKPIと誤解している」ことが、中小企業の経営が停滞する最大のボトルネックとなっています。
しかし、経営者や現場の社員だけでこの「因数分解」を行い、日々の行動数量を正しくトラッキングしていくことは極めて困難です。
なぜなら、日常の業務に追われる中で、自分たちの行動を客観視することはどうしても難しく、甘えが生じてしまうからです。
だからこそ、我々外部のコンサルタントや会計事務所が「第3者の視点」として介在する意義があります。
企業の目標設定がKGI止まりになっていないかを厳しくチェックし、適切な行動プロセスへと落とし込み、その行動数量が日々クリアされているかを定期的にモニタリングしていく。
この一連の外部支援を、私たちは「KPI監査」(『KPI監査士』はRE経営の登録商標)と呼んでいます。
従来の会計事務所は「過去の数字(決算書や試算表)」を監査・報告することが主たる業務でした。
しかし、それだけでは企業の未来を変えることはできません。一歩踏み込んで、未来の業績(KGI)を作るための「本日の行動(KPI)」が正しく行われているかを監査する。
この知識とスキルを我々支援側がしっかりと持っていれば、日本の中小企業のKPI経営はもっと加速し、確実に現場の行動を変えていくことができるはずです。
KPIが機能しないのは、現場の社員のやる気がないからでも、経営者のリーダーシップが足りないからでもありません。
ただ単に、「行動にまで因数分解された正しいKPIの作り方」を知らないだけなのです。
この因数分解の技術を身につけ、クライアント企業の現場を動かすことができるコンサルタントや税理士・会計職員が格段に増えれば、救われる中小企業は数知れません。
RE経営では、中小企業の「KPI経営」を本気で支援したいと願うコンサルタントや会計事務所の皆様のために、国内唯一の専門資格である「KPI監査士検定」を提供しています。
理論だけでなく、今回ご紹介したようなリアルな業種別事例や、現場への導入・監査ノウハウを体系的に学ぶことができます。
クライアント企業の行動変容を促し、より付加価値の高い経営支援を実現したい方は、ぜひ以下の詳細サイトをご覧いただき、第一歩を踏み出してください。
また、中小企業に特化したKPI経営とKPI監査の虎の巻として拙著「KPI監査」の本がAmazonから出てますので、そちらも参考にしてください。

「KPIを設定したときは、社長も自分もあんなに盛り上がっていたのに。一ヶ月後の会議では誰もその数値に触れようとしない……」
経営コンサルタントや経営支援に力を入れる会計事務所の職員であれば、一度はこの「KPIの形骸化」という壁にぶつかったことがあるはずです。
財務数値を整理し、華々しくKGI(重要目標達成指標)を掲げても、現場の行動は一向に変わらない。
結局、翌月の月次報告でも「売上が足りませんでしたね」「もっと頑張りましょう」という、中身のない精神論で終わってしまう。
なぜ、KPI提案は機能しないのでしょうか。
その答えは、KPIが「行動」ではなく、単なる「目標」に留まっているからです。
しかし今、生成AIという強力なパートナーが登場したことで、この状況は一変しようとしています。
AIを使ってKPIを「動く行動指針」へと落とし込み、企業の変革を支援する。
そんな「KPI監査士」としての新しい生き方を考えてみませんか。


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KPI監査の指導のポイントやKPI監査事例をたっぷり4時間かけて研修を行います。
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KPI監査をしばらく実行していくと、マンネリと言うか、KPI達成の再行動計画さえ、未達が続くことがあります。
これはどの経営会議や業績検討会議でも起こることですが、
●なかなか突破口が見いだせないのか
●最初に決めたKPI達成の行動プロセスに問題があったのか
会議の再決定事項がピンポイントで「納得度の高い」ものが生まれないことが続きます。
考えてみれば、KPI監査は魔法のコンサルティングでもない訳で、こういう事は十分普通に起こり得ることなのです。
では、そういうKPI監査モニタリングの停滞やマンネリを打破するにはどういうインパクトを出すべきでしょうか?
最近の私の事例を紹介します。


いくつかの顧問先で中小企業の実態に合ったKPI経営をコンサルティングをしています。
KPI経営をPDCAするのが「KPI監査®」というものです。
このKPI設定は部門別に行うのですが、この趣旨を理解しないまま「KPI設定」してもあまり効果は確認できません。
巷で言われているKPI、本やネットから持ってきたKPIと、私たちが勧めている「KPI経営」は何が違うのか?
何故、「KPI監査」をすると業績が上がりやすくなるのか、今回はそのケーススタディや理論を紹介しようと思います。


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ある事とは「生成AIを使ってKPIを導き、そのKPI監査モニタリングに必要なアクションプラン」までを生成するプロンプトです。
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2024年度の「上級KPI監査士」3名と3月22日の出版記念セミナーに向けて大詰めです。
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因みに現段階での出版デザインはこんな感じです。

今回の『KPI監査』本の出版を記念して、3月22日(土)に東京神田の会場と全国Zoomのハイブリッドで開催します。
セミナー申込は下記から
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3月22日に東京神田と全国のzoomで「KPI監査出版記念セミナー」を開催しました。

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60名近くの方がエントリーされ受講や動画を視聴されました。
この「KPI監査」は中小企業の業績改善を進める経営者やそれを支援するコンサルタントや会計事務所が行う具体的なメソッドを書いています。
この2025年度は弊社では「KPI監査」と「生成AI」が主要な提案となりそうです。
では「KPI監査」を実際に提案、導入するにはどうすべきか?
あまり公開したくないのですが、出版記念として段取りをご紹介します。
SWOT分析、KPI監査、採用サイト、生成AI、経営理念浸透型人事、事業承継の「見える化」コンサルタントの嶋田です。

毎年、年も押し迫った時期、または事業年度の終わりが見えた時期、新事業年度の方針や具体策を決めていきます。
だいたい経営計画書のフォームは決まっている所も多いでしょうが、小規模企業やまだ経営計画書の体裁が決まっていない事業所にはおススメのフォームがあります。
これは「A3判2枚」で作成する「オールインワン経営計画書」と言うものです。
このフォームは支援している複数の会計事務所の監査担当者研修でも導入し、使い勝手が良いと評価されています。
私自身も全部の顧問先に提案している訳ではないですが、一部ある特性のある企業に対して実施していて、経営者からも「分かりやすい」と言われています。
その該当先とは
⑴事業規模が小さく、主力商品群がカテゴライズされている企業
⑵複数の事業があり、簡単な部門別損益が分かる企業
⑶経営者や一部の幹部とヒアリングしながら、その場で税理士やコンサルが作成できる企業
そんなイメージです。
それでは実際にどんなフレームでどんな書き方をしているのか、解説しましょう。

2024年から上級KPI監査士3名と「KPI監査」の集大成の専門書を執筆してきました。
それが3月22日の「KPI監査出版記念セミナー」でお披露目できます(このブログが届くころには終了しています)
このセミナーはまだ3月15日まで受講申込は可能なので、是非お申込み下さい。
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そして、そのKPI監査本のカバーデザインが出来上がり、アマゾンでも予約開始が始まりました。

4月11日に配本予定です。アマゾンでの予約販売に是非お申込み下さい。
SWOT分析、KPI監査、採用サイト、経営理念浸透型人事評価、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

KPI監査を推進する上で、各企業固有のKPI設定が重要な要素になります。
そのKPI設定が、生成AIを使う事でいとも簡単に「素案」ができるとしたら、これを使わない手はありません。
実際にどういう手順で「企業固有のKPI設定を生成AIで作っている」のか、一部を紹介しましょう。
今回はあるファミレスで、以前行ったクロスSWOT分析のケースから見ていきます。
