嶋田利広ブログ

KPI監査

何故、今中小企業にKPI経営が必要なのか?

SWOT分析、KPI監査、採用サイト、経営理念浸透型人事評価コンサル、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

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中小企業においてKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)経営を推進する事には多くにメリットがあります。業績結果だけをいかうら追いかけても、その業績プロセスの妥当性や行動数量がなければ思う結果は出ないのは自明の理。

それは企業単位だけでなく、部門単位、個人単位にも言えることです。

実際に中小企業がKPI経営を推進するといろいろなメリットがあります。

1,業績結果とプロセスの関連性が全社的に分かり、共通目標のベクトルがあう

単に「売上を上げろ」「原価率を下げよ」「粗利を上げよ」「人件費を下げよ」

と言っても、それは結果であり、いろいろな業績プロセスの延長線上に出た成果です。

それよりも業績結果につながるプロセスの行動を明らかにすることで、社員にもその関連性が分かり、共通目標となりやすい。

いわゆる「ベクトル合わせ」を収支結果で行うのではなく、「業績プロセス」を共有する事で生まれる訳です。

 

2,目先の業績に一喜一憂せず、確かなプロセスを追いかける風土に変わる

適切な業績プロセスと行動プロセスの数量が上がれば、その内売上も利益も改善するはずです。

だから単月の業績結果で一喜一憂せず、プロセス結果にフォーカスしてPDCAを回す事が大事なのです。

今はまだ業績改善が進まなくても、プロセスが改善していれば、高い確率でその後業績に反映されるのですから。

 

3,KPIを見る事で現実的な意思決定が迅速化できる

売上や利益の結果はいろいろな要素から出来上がっており、それだけで即対策を変更するのは危険です。

むしろKPIの変化やKPIの結果で知りえた市場情報や部門間連携の具体的な課題にフォーカスし、

「何故そういうKPI結果になったのか」

「どこの問題があるからそんなKPI結果になったのか」

を議論する方が、本当に具体策変更につながります。

そして間違った意思決定を防ぐこともできます。

 

4,小さな業績プロセスを目標にして達成距離感が近くなる事で社員のモチベーションが上がる

実力より大きく高い業績目標を言われると、多くの経営者も部門長も社員も「そんな数字は無理」だと最初からメンタルが諦めてしまいます。

しかし現実に即した業績プロセス目標なら到達点のイメージができるので、メンタルブロックを外しやすいでしょう。

KPI設定のイメージは「つま先立ちの目標」がちょうど良いと言われます。

足がべたっとついたKPI目標だと挑戦もないし、現状維持。

ジャンプしたKPI目標だと、届かず自信を無くす。

つま先立ちだと、立てない事はないけどふくらはぎが適度にきつく、その結果鍛えられます。

そんなイメージです。

 

5,業績プロセスが明確化するので、ボトルネック対策が打ちやすくなる

業績プロセスとは、業績を出す要素(ファクター)を分解し、その中でも効果性の高い事柄がKSF(重要成功要因)として可視化される事です。

そのKSFを行動数量化するのがKPIです。

だからKPI設定をした段階で各部門のボトルネックが明らかになり、そのボトルネックの改善も行動数量化される訳です。

 

6,経営改善のコミットメントが具体的になり金融機関から評価される

融資の為に経営改善計画書を要求する金融機関はその中身やバンクミーティングにおいても、具体的な行動や進捗を見ています。

単なる売上や利益改善の数値だけでなく、その業績プロセスであるKPI目標があり、そのKPIが具体的に進捗しているなら、売上利益がまだ改善されてなくても、経営改善は進んでいると判断するでしょう。

逆に売上利益も目標に行かず、KPIも進捗しなければ、厳しい評価になるのは当たり前だと思います。

 

7,業績のプロセスが可視化されるので、金融機関や保証協会に説明しやすくなる

●自社の売上利益がどういう商材からから生まれているのか?

●その商材が売れる理由は、自社のどういう強みとどういう市場から出ているのか?

●商材が売れる理由のKSFや具体策は妥当か?

これらが可視化され、その根拠数値としてKPIが説明されると、金融機関も保証協会も再生支援センターも自社への理解度が深まります。

特に分かりにくいビジネスの場合にはKPI設定は不可欠です。

 

8,KPI達成の為には各部門間の連携が不可欠になり、風通しがよくなる

KPI目標を達成するには具体的な部門間連携が必須になります。

売上利益目標をどんなに厳しく言われても

「どう部門間の責任を果たすべきか」

「その目標は自部門だけでは達成できないのに、自部門だけの目標と言われても困る」

とか、よくわからない事が多々あります。

しかしKPI達成の為に各部門の行動が連携しなければならず、部門共同目標になるならお互い助け合いが必要になります。

またその行動目標をクリアするには自部門のコミットメントを果たさないと他部門に迷惑をかけると分かれば、自ずと意識が変わって。

 

このように中小企業においてKPI経営を推進する事には多くのメリットと成果がある訳です。

但し、一般的な「弱み改善」や「MUST」での苦手KPI経営は、なかなか上手くいかないのが多いようです。

だから「強みを更に伸ばすKPI設定とKPI経営、そしてKPI監査」がそれこそ、MUSTかもしれません。

 

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