KPI監査から賞与用KPI人事評価につなげる具体的な事例
SWOT分析、KPI監査、採用サイト、経営理念浸透型人事評価、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。
KPI監査を推進する中で、KPIを実行したかどうか、その結果を人事評価に反映するのかどうか、こういう議論になる事が増えました。
KPI監査では、KSF(重要成功要因)の行動数量をKPIにしてその結果をモニタリングします。
そのモニタリングで、すべての企業の幹部や社員が確実に行動して、プロセスを踏んでくれれば確実に成果は出ます。
しかし、現実には「決めたKPIや行動プロセスを守らない」幹部がいます。
そういう場合、「人事評価」でその貢献度や努力を評価せざる得ません。
そこでKPI監査から、KPI人事評価につなげる方法とフレームを解説します。
1,SWOT分析、業績の公式、ボトルネックからKPI設定
KPI監査ではSWOT分析、業績の公式、ボトルネックからKSF(重要成功要因)を見出し、それを行動数量で指標化したKPI(重要業績評価指標)に設定しています。
このKPIは業績改善の行動プロセスなので、KPIを確実にクリアする事と業績改善は比例するという考え方です。
実際のKGI,KSF,KPI体系図を見て貰うと、下記にような図表になります。
それぞれにKSFと顧客視点KPI、業務プロセス視点KPIがあります。
このKPIは具体的な目標指標が決められ、自ずと誰がどの部門がコミットするかもはっきりしています。
2,KPI目標は幹部や部門長のボトムアップで設定
ここでそれぞれのKSF、KPIの設定では社長だけでなく、役員幹部、部門長も交えて検討する必要があります。
私達が行うのはこのフレームに沿って、コーチングとファシリテーションをしながら、部門長本人に発言を促し、本人にKPI目標を言ってもらうよう誘導します。
決して、社長やコンサルタントがトップダウンで「このKPIをやれ」と指示はしません。
この手のトップダウンの指示では、部門長も「言わされ感」「やらされ感」が残り、自らコミットメントが弱くなる傾向があるからです。
KPI目標は特定個人の人事評価に使うより、部門長の業績評価に使う方が理にかなっています。
部門長のマネジメントや想いの強さで、メンバーの行動しその努力の結果、KPI目標が達成されるからです。
業種によっては、営業マン個人の評価にKPIを設定する事もありますが。
3,半期に1回に部門長の賞与評価に反映
各カテゴリー(SWOT、業績の公式、ボトルネック)からKPIが設定されたら、各KPI達成度の採点基準を決めます。
これも幹部部門長に決めさせます。
各KPIの達成度を1~5点に基準をそれぞれ決めます。
この基準も部門長に決めてもらいます。
各点数の意味合いは
3点・・普通に良い。KPIの最低限の目標はクリアしている数量
2点・・不足。KPIの最低限の目標もクリアできず、努力不足である
1点・・明らかに問題。KPIの目標も行動もやっているとは言えないレベル
4点・・KPIの目標を完全にクリアし、相当な努力と評価できる
5点・・この期間中、最高のKPIを達成し大きく業績に寄与。
各点数の間の0.5点は「どちらの点数とも言い難い」時使います。
こういう感じの基準で、各KPIの採点基準を作成します。
4,KPI人事評価の事例
下記はある食品メーカーのKGI,KSF,KPI体系図から、営業部のKPI人事評価項目とその行動採点基準を整理したものです。
これを見ると、営業部の戦略的行動の内容と人事評価が連動し、更にそのKPI人事評価基準が明確なので、判断がしやすい事が分かると思います。
このKPI設定も経営者と営業幹部で行い、その採点基準も営業幹部の意見をベースに、こちらで誘導しながら行いました。
我々が適切に誘導しないと、営業幹部は点数の基準を甘くするか、出来もしない厳しめにするなど、バランスが取れないことが多々発生します。
このKPI人事評価では、「明確な行動数量による点数評価」なので営業マンにも説明しやすい訳です。
KPI監査の為のKPI設定をしモニタリングをしていく過程で、このようなKPI型人事評価を導入し、その配点基準まで部門長や管理者に責任を負わせることで「KPI目標」の周知を図る事ができます。
このKPI人事評価は賞与評価前に、一般の人事評価と共に行い、その点数の比重を決めて総平均点で評価します。
それを最終的には【S,A,B+,B,B‐,C,D】のランク分けして、賞与の部門評価や個人評価の掛け率に反映させるのです。