人事評価制度導入に批判的だった幹部が協力的になった理由とは?
SWOT分析、KPI監査、採用サイト、経営理念浸透型人事評価、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。
いままで100社以上に、人事評価制度や新賃金制度のコンサルティングを行ってきました。
人事評価制度は自分の給与や賞与に直結するので、導入にあたりいろいろ配慮が必要です。
最近は「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」の契約が増えていますが、多くの場合以前どこかの社労士やコンサルタントから指導を貰って一度は構築経験のある法人ばかりです。
人事評価制度の導入には絶対成功と言うものがないだけに、数年経つと綻びが出てしまい、再構築を余儀なくされるのは普通です。
問題は、一度は人事評価制度を導入経験した会社が、今度は違うコンサルタントから人事評価制度の再構築指導を貰う時、様々な反応が出てしまいます。
今回は、つい最近の事例ですが、ある製造業に「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」をしている中で、遭遇した事をご紹介します。
1,評価内容が抽象的で評価誤差が多く、不信感を持った課長たち
この会社で以前導入した人事評価制度の内容を見たら、案の定「よくある抽象的な評価項目と評価基準」でした。
現場の課長だけでなく、経営者も役員部長も「以前は何も評価制度がなかったから、とにかく形だけでも作ったというのが本音です。しかし評価のばらつきが大きく、そのまま結果反映できていないのが現実です」と。
当然、第1次評価者である課長たちも、「こんな抽象的な表現でどう判断すれば良いのか?」と毎回の評価の度に悩む訳です。
これを指導した社労士コンサルの方が、毎回「考課者訓練」をするそうですが、それでも評価誤差やばらつきが埋まらず、その考課者訓練自体も負担になっていると。
そういう状況で課長たちは「人事評価制度に不信感」を持っていたのです。
2,評価結果と賞与結果が連動していないから、形式だけと諦めている課長たち
その不信感をもっと助長したのが、悩んで評価してもそれが賞与結果に反映されないという事実でした。
課長たちが時間を掛けて部下の評価点数を付けます。
その結果、課長たちなりの部下の評価序列がきまります。
それを2次評価者の部長に上げて、部長が調整するのですが、そこで課長の価値観と異なる評価結果がはじきだされます。
部長だけでなく、各部門の平均点にも甘い辛いの差が出てしまい、平均点と評価ランクをそのまま使うと、ある部門の人間だけ高評価になってしまうという矛盾が毎回出ます。
それは経営者も窓口である総務部長も看過できないので、「高い評価の部門」には甘辛調整をして評価結果とは違う結果を通知します。
すると、自分たちが評価した結果とは違う結果が出てきて、これをどう部下にフィードバックするか困ってしまうのです。
当然です。
経営者も総務部長も全体バランスを考えている訳だから、全員が高い評価の部門の結果をそのまま鵜呑みには出来ません。
そのような事が続き、人事評価結果と賞与額が連動しないので、評価自体も形式的で無意味な作業だと思っている課長が多いのです。
3, 「課長から認められても評価が普通だ」と社員から言われ返答ができなかった課長たち
問題はその後も起こります。
その矛盾だらけの評価結果を部下にフィードバックするよう課長に求めているのです。
良い点数をつけて「高い評価」だと思っている部下の賞与判断は「普通」だというケースが多々起こっています。
日頃、優秀だと思っている部下に「君はよく頑張っている」とポジティブな言動をして、課長はモチベーションの維持を図っています。
しかし、賞与を見るかぎり、「よく頑張っている」と言う評価ではありません。
すると部下から
「課長には自分の仕事を認めてくれて評価を頂いてますが、賞与は普通なんですね。それって課長の私への評価は会社には伝わっていないということですか。」
と。
課長も心苦しい言い訳しか出来ません。
課長自身も「自分が出した部下の評価結果を上層部で調整に掛けられ、自分の思いとは違う結果になる」ことを何回も経験しているし、それを是正するよう強く会社にも求められない立場だから、本当に忸怩たる思いなのです。
4,今回もまた上層部とコンサルが勝手に作った制度だと陰口
そういう課題がある中で、私が人事評価の制度やシステムをコンサルティングする契約を締結しました。
最初課長係長を集めて「動機づけ勉強会」を実施し、経営理念浸透型人事評価の中身や進め方、事例を説明しました。
その後、経営陣や部長たちと経営理念の深堀、行動規範作りをある程度を行った後、課長係長を集めて職種別の評価項目の設定の研修でした。
この研修の前に総務部長が陰口を聞いたそうです。
「また、社長や部長たちが勝手に人事評価をつくる為にコンサルを依頼した。自分達に意見や評価の問題があるのに、カタチだけを入れる姿勢は相変わらずだな。あー面倒臭い」と。
以前作成した「ありきたりの人事評価」は、前任の経営者や社労士と相談しながら、社労士の一方的な資料をベースに作成し、実際の評価は課長係長にさせていたので、その導入方法の不満が強かった訳です。
総務部長は「今回はそうじゃないから協力してくれ」と反論したくなる思いをぐっと押さえ、「嶋田先生のファシリテーション型検討会に参加すれば気持ちも変わるだろう」と次の研修に期待したそうです。
5,実際に課長中心に評価内容に参画させると、反応が大きく変わった
さていよいよ、課長係長を集めて「部署ごと人事評価項目作成研修」の日がやってきました。
最初は一番社員が多い製造部です。
総務部長からはそういう声が陰で出ている事は予めメールを貰っていましたが、「よくある事」なので私は気にしませんでした。
先ずこの課長係長の研修では、「経営理念の深堀と行動規範がどうつながっているかの説明」をしました。
経営者が概念を説明した後、私が補足説明をします。
行動規範の説明では、より具体的な事例を交えて、「何故この行動規範の第●条が必要か」を説明します。
そしてこの行動規範(6つのカテゴリに分け全部で30か条)を受けて、製造部に共通に求められる人材像を5つ、課別(工作課、溶接鈑金課、組立課、生産管理課、生産技術課)に「○○課の求める人材像」の設定を5つずつ策定します。
その時、課長係長にはファシリテーション会議方式で進める事で、否が応でも自ら考え、自らの意見で「求める人材像」が出来上がる過程を経験してもらいました。
ファシリテーション会議の進め方は下記を参照
ファシリテーション技術を使うとSWOT分析検討が上手くいく
https://www.re-keiei.com/blog/swot/649-swot-72.html
ファシリテーション会議を経験する過程で、課長係長は「今回の人事評価項目は自分達で作成するようだ。こりゃ責任重大だ」と感じたそうです。
これまでは「どうせ社長とコンサルタントが勝手に作成したものを自分達にお仕着せされた」と言う意識が強く、あまり人事評価に責任感を感じていませんでした。
しかし今回は、評価項目だけでなく評価後の説明責任を負わされるし、いい加減な事をすれば自分達にしっぺ返しがくることが想像できるのです。
この1回目の人事評価研修が終わった後、ある課長から
「先生、今回の人事評価制度は私が想像していたのとだいぶ違います。自分達は責任重大ですね。でも何を部下に求めるかハッキリしたのでマネジメントはしやすくなる感じがします」と言われました。
ここが経営理念浸透型人事評価の目的の一つです。
トップダウンやどこかのコンサルの受け売りで出来合いのものを導入するのではなく、経営理念に立脚したオリジナルの評価制度で、しかも中堅幹部に評価責任と説明責任を負わせる為、自分達で評価項目と評価できる行動内容と配点基準を決めていくのです。
2025年1月18日(土) 「経営理念浸透型人事評価コンサルノウハウ専門研修会zoom」を開催します。
このノウハウと指導スキル、プレゼンに使える職種別実例データはとても強い武器になります。
私自身、このツールを使って2年半7社のコンサル契約を受注しました。しかも平均単価は月額25万円です。
このノウハウは「経営理念を浸透させたい経営者」 「公平な評価や賃金を導入したい経営者」の心に刺さります。
専門家研修であり、社外秘ノウハウデータも渡すので、それなりの費用がします。
だから本気で「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」を自分の武器にしたい方のみ限定で開催します。
詳しくはこちらから。因みに11月末までにお申込みの方は25%offで参加できます、お早めにお申し込みください。
https://www.re-keiei.com/blog/recruitment/2113-2024-10-09-01-09-23.html
お問合せ、ご質問、お申込みは下記メールにてお願いします。今回は申込用ランディングページは作っていません。
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