人材採用ノウハウ

2025.3.13 経営理念浸透型人事評価コンサルティングの現場1

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先日もあるクライアント先で、「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」を実施しました。

このコンサルティングは16か月の工程の中で、「行動規範から職種別求める人材像」の構築と第1回目の「リーダー責任者研修」でした。

行動規範は前回のコンサルティングの中で「経営理念とその背景」を経営者から聞き出し、それをベースにカテゴリー別整理しました。

実際の現場でのドキュメントです。

1,行動規範の目次設定は生成AIで

経営理念や基本方針の真意を経営者から聞くとき、幹部も同席しています。

経営者から「これからの内容はすべて幹部役員に任せる」と言うことで、行動規範以降は役員幹部数名と取り組みます。

経営理念を行動規範に展開していくとき、予め当社で決めた目次を使うことが多いです。

ただ今回は生成AIに、そのクライアントの実情や経営理念の要素を入れて、「行動規範を作成するにはどういう目次が最適か」を考えてもらいました。

すると生成AIがこの業界で世間一般的に使われている「行動規範の目次」を出してくれました。

行動規範の内容はこのクライアント独自の考え方だから、目次は生成AIの提案をそのまま受け入れました。

 

 

2,行動規範から「職種別求める人材像」のオープン検討で

行動規範の目次に沿って、行動規範が生まれました。

行動規範は12目次30項目です。

その「行動規範」に沿って、職種が9職種の「求める人材像」を各5項目捻出します。

これは役員幹部に事前に宿題にして検討してもらい、その結果を皆でオープンに議論して整理します。

行動規範に関わらず、「この職種にはこういう人材であってほしい」と言う想いはいろいろあります。

それをすべて網羅しようとすると、ピンボケしてしまいます。

ここでは「行動規範に沿った求める人材像」にフォーカスしてもらいます。

評価項目が多くなると、従業員は「何が大事で、優先か」が分からなくなります。

そして評価項目が多いと言うことは、その組織が従業員に「全人格を求め、バランスの取れたスーパーマン」を求めているという意思が見え隠れするのです。

そうなると、従業員も管理職も評価制度に嫌気が指します。これでは人材育成につながらない人事評価になります。

だから各職種5つに限定し、全社員共通で10項目にしています。

この「求める人材像」からの人事評価項目とは、おもに「姿勢」「考え方」「行動」と言う一般的に言う「情意評価」のことです。

しかしこの「情意評価」に行動評価基準まで入れているのは「RE式人事評価コンサルティング」なのです。

そういう目的もあり、役員幹部とオープンに「職種別求める人材像」を議論しました。

日頃使わない思考なので、相当疲れたようでした。

 

3,「職種別求める人材像」検討過程で「全職員共通」が生まれる

職種別の求める人材像を検討していると、「それって、全社員に必要ですよね」と意見が出てきます。

その項目は「全社員共通項目」に上げていきます。

全社員共通項目とは、それが営業であれ製造であれ、介護であれ看護であれ、その組織に属する人材なら全員が大事にする思考、心得、行動です。

ここでもいろいろ言いたいことがあっても10項目に絞ってもらいます。

役員幹部が自法人の求める人材像を整理することで、これからの組織の在り方、人材登用基準や人材育成の指針が出来上がる訳です。

 

4,「求める人材像」から評価項目につなげる

次回のコンサルティングでは、「職種別求める人材像」ができたら、そこから職種ごとの「人事評価基準項目」を設定します。

これ自体は直ぐできますが、問題その後の「評価基準づくり」です。

「全職員に求める人材像」「職種別求める人材像」から、職種別に15項目に評価項目ができ、その15項目ごとに5段階の評価基準を設定してします。

昔のような「5点=素晴らしい、4点=ちょっと良い、3点=普通、2点=物足りない、1点=ダメ」みたいな判断基準では現場も評価する管理職も混乱するばかりで、こんな曖昧基準を指導する専門家は時代遅れです。

今では、各評価項目の5点、4点、3点、2点、1点と判断しやすくする「行動結果、事例、目配りの範囲」まで詳細に書きだします。

この「行動評価採点基準」が今回の「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」の一つの肝です。

だから「9職種×5項目×5段階」+「全社員共通10項目×5段階」=275の「行動評価採点基準」が必要なのです。

これを言うと、「そんな膨大な作業は中小企業では無理だ」と反論も聞こえてきます。

実際に結構な負担がかかっていたことも事実です。

誰に負担がかかったか、実は我々コンサルタントだったのです。

すべてを該当幹部にヒアリングしながら文書にまとめていたわけですから。

各幹部も自部門だけの検討とは言え、そこそこ時間がとられます。

それでもこんな面倒なことをしてきたのは、その作業自体が幹部の人事評価訓練になったからです。

しかし、今は少し時間短縮する為に生成AIを使って、275の「行動評価採点基準」の素案を作成し、それに中身の色付け作業するだけにしています。

この「人事評価行動評価採点基準コンサルティングチェーンプロンプト」を開発したお陰でかなり楽になりました。

※1月18日に開催した「生成AIを活用した経営理念浸透型人事評価コンサルティングコンサルティングプロンプト研修」で公開したノウハウです。秋口にまた開催しようかなと思っています。

 

この「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」のもう一つの肝は「職種ごとキャリアパス」と「職種ごとジョブ型等級別職能要件書」の設定です。

これは次回以降に実施するので、またその時にドキュメントを公開します。

賃上げが当たり前に時代に限られた原資を適切に配分するには、人事評価は大事です。

しかし、ただ人事評価を導入するだけでなく、「人事評価の導入=人材育成・人材教育」にならないと意味がありません

我々はそこを意識した人事コンサルティングにファーカスしています。

 

 

 

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