嶋田利広ブログ

病院・介護施設のコンサルタント

医療法人/社会福祉法人の経営理念浸透型人事評価コンサルティングとは?

医療法人社会福祉法人の経営理念浸透型人事評価コンサルティングとは.jpg

241225_ブログ用前置き.jpg

この2か月で医療法人医療法人/社会福祉法人から立て続けに「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」の問い合わせが来ています。

両方とも職員数が200名以上の組織で、しかも過去に人事評価制度のコンサルティングを経験している事業所です。

「何故、弊社(RE-経営)にオファーをしたのですか?」

と最初の面談で尋ねたところ、2事業所とも

「御社の『経営理念から人事評価を持ってくるところ』と『具体的な等級別の職能要件の作り方』が自事業所に合うから」だという事でした。

因みに

「どうやって弊社を知ったのですか?」と聞くと

「日頃からブログメルマガを見ているから」と答えたのが社会福祉法人

「YouTubeを見て」と答えたのが医療法人でした。

どちらもどこからかの紹介でもなく、定期的に配信しているコンテンツを見て「このコンサルタントの考え方なら、わが法人に合いそうだ」と思ったのでしょう。

因みにどちらの月額固定で20~30万円の3年契約です。

何故、「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」がうけるのか?

1,今までの一般的な人事評価では現場は動かない

一般的な人事評価は「規律性」「積極性」「責任感」「協調性」「指導性」などの分類から、点数をつけて「こんな人材は良いけど、こんな人材はダメ」と概念的な基準を作ります。

しかも、どこかのコンサルタントか社労士が、これまたどこでも使えそうな汎用的なテンプレをもってきて、少しだけカスタマイズする訳です。

作成も一部の幹部やプロジェクトメンバーだけで議論しながら進めます。

多くの幹部は蚊帳の外です。

せっかくの時間と費用を掛けて作成した人事評価内容も、結局「やらされ感」や「評価と額面のブラックボックス化」「あるべき論の強制」と言う、職員にとっては嬉しくもない評価項目で、導入当初から「歓迎されない人事評価制度」になってしまう。

経営陣や事務局は「とりあえず導入したよ」と言わんばかりで、中身よりも「導入した事実」に満足しているのです。

当然、そういう人事評価制度だから、「高い評価をされるように頑張る」と言う職員が増える訳ではありません。

人事評価制度を導入しようがしまいが、日ごろから頑張る職員は頑張るし、そうでない職員は何も変わらないのです。

 

2,経営理念・基本方針・職種別の求める人材像から生まれる「評価項目」

元々の目的が「経営理念」「基本理念」の浸透を図る目的の人事評価制度だから、取ってつけたような汎用的な項目は一切ありません。

●経営理念を因数分解し、行動規範を整理。

●行動規範から職種別求める人材像の整理。

●職種別求める人材像から、職種別の人事評価項目(考課要素)の確定

●職種別人事評価項目から「行動評価型配点基準付き人事考課表」の確定

このようにまあまあ面倒くさい流れをしています。

だから『日本全国でそこでしかない人事評価項目』になるのです。

 

3,評価査定ではなく「教育」に比重が動く

これまで100近くの医療法人・社会福祉法人の事業所で人事評価コンサルティングをしてきて分かったことがあります。

それは「人事評価制度=人事査定」の為の仕組みと考えている事業所は効果がないということ。何故ならどんなに素晴らしい制度でもDXを入れても、どんなに高名なコンサルタントが指導しても、です。

私自身も10年前までは「人事評価=人事査定」の思想でコンサルをしていました。

それは経営者は公平な評価で人件費を適正配分したいのだから、「良い人材には高い評価と報酬に報い、そうでない人材にはそれなりの評価と報酬」の為だと思っていたからです。

しかし、そういう思想で取り入れた人事評価制度はやはり長続きしません。

何が足りないのか?

それは「人事評価=教育」になっていないからです。

人事評価をする事で、職員の意識や技能の教育効果を図る目的で制度運営をしないと、早晩行き詰るケースや形骸化する事実を何件も目の当たりにしてきました。

口では「人事評価は人材育成だ」と言っている事業者やコンサルタント、社労士も、その指導段階やアウトプット、その後のフォローを見ると、やっぱり「人事評価=人事査定」の思想が色濃くある事は否めません。

「人事評価=教育」とは、努力する内容が具体的で、職員の誰が見ても「何をどう頑張れば高い点数がつくのか」分かる仕組みです。

更に評価結果が必ずフィードバックされ、自分の努力成果を上司がモニタリングしている事です。

そしてこれがリアルな本質ですが「2:6:2」の原則に沿って、「6」の中間層をレベルアップさせることにエネルギーを使う仕組みなのです。

上の「2」は黙っていても頑張りますし、下の「2」は何をどうしてもあまり結果が出ません。

組織では中間層こそ、費用と時間を掛けて重点的に取り組む層なのです。

 

4,幹部が作る評価基準だから責任感が生まれる

我々の人事評価(主に賞与を決める基準)は「行動評価型配点基準付き人事評価」と言って、各考課要素に対して

5点(相当模範的な行動内容で、ここまでしてくれるなら表彰したいレベル)」

4点(かなり上級の行動レベル内容で貢献度が高い)

3点(普通に良いレベルの行動内容)

2点(求める水準より下回る。物足りないレベルの行動内容)

1点(はるかに行動内容が劣り、相当な指導教育が必要なレベル)

の行動内容が分かる言葉で箇条書きにします。

それを部門長に考えさせ、自分たちの言葉で整理させるのです。

自分達が決めた評価基準とその行動の本質をから、その後の部下への指導やマネジメントが変わるように仕向けます。

中には責任感が乏しい幹部も「2:6:2」の法則で「下の2割」は存在するのも事実。

そこも「6」の幹部層が責任感を持てば「良し」とします。

この作業はその後の評価結果のフィードバック面談や評価結果とランク分け作業にも、責任感を意識していきます。

 

5,評価のブラックボックスがない

一般的に各部門長が評価した点数はバラバラで何が適切か分かりません。

甘い上司やいい顔をしたい上司の評価の平均点は高いし、日ごろから厳しく、自分のレベルで判断する上司の評価は「出来て当たり前」の意識が強く、低い平均点になりがち。

彼らが出した評価点数をそのままランクに配分するとあまりに不公平になるので、経営陣や事務部とか陰で調整しているのです。

いわゆる「鉛筆なめなめ」で現場の声を無視して調整しているのです。

その点数結果を集計した所で部門間不公平が生まれるし、途中で甘辛調整をしても、部門長が評価した結果と異なる採点になる為、部門長は内心モヤモヤ感が払しょくできません。

そこで生まれたのが「だったら、部門長に評価ランクを決めさせよう」と言う事で、人事考課調整会議が生まれたのです。

ただ、部門長が勝手に自分基準でランク(S,A.B+,B.B-,C,D)をつけないように、全体を見る総務部長や取締役や場合によっては社長も同席し、我々コンサルタントがいろいろな条件や考え方を指導しながらランクを決めてもらいのが「人事考課調整会議」」です。

すると、平均点のやたら高い部門長も「そういわれると彼は普通ですかね」とか言い出すし、平均点の厳しい部門長も「それだったら彼普通以上だと思います」と返答してきます。

但し、AとかB+ばかりになる「評価のインフレ」が起きないように、相対的な比率を念頭においてコントロールします。

だから「考課者訓練」は必要ないと思っているのです。

いずれにしても、評価のブラックボックス化を少しでもなくすことを我々はこれまで腐心してきたのです。

 

6,職能技術やスキルマップも一緒に作る

この「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」では、昇給昇格に影響する「職種別ジョブ型等級別職能要件書」を明確に作成します。

この職能要件書の作成方法も「部門長主体の進め方」になっています。

特に同じ作業、同じ業務でも「1等級の4年職員」と「3等級の10年職員」との技術、スピード、気配りの範囲、その後の打ち手等のレベルが違うはずだし、違わないと1等級以上に給与をもらっている理由になりません。

介護職であれ、看護職であれ、コメディカル職であれ、経験が上がれば上がるほど「技能と気配りや次の打ち手」の違いが出る作業を、我々がいろいろ根掘り葉掘り聞くことで、部門長は深く考えます。

例えば、入浴介助において1等級職員と3等級職員の技量の差、気配りの差を「言葉」にします。

3等級職員なら利用者の更衣援助をしながら、何に気づき、並行してどんな作業をすべきかを決めるのです。

さすがにこれを3年未満職員には要求しませんが、10年経ったらそれくらいやってもらわないと困るからです。何せ給与が1等級より高いのだから。

しかし、多くの3等級職員は実際には1等級職員と何ら変わらない作業をして、給与ばかり高い事が多い。

最終的に給与を決める、経営者や事務長はそこに矛盾を感じているのです。

だから職能要件書やスキルマップで作業の具体化を図るのです。

 

7,評価結果を幹部が判定、幹部に説明責任

先ほどの人事考課調整会議の結果、部門長は部下の評価ランクを決めます。

そしてそれを評価面談でフィードバックする責任を負います(そのフィードバック面談技術や心得も何回も勉強会を実施)

人事考課調整会議時に、部下一人ずつのこの半年間の「良かった点」と「反省点」そして次に今より高い評価(例B-なら次はB等)をもらうなら「何をどう行動するか」の内容を伝えます。

それだけでなく、「次も○○の問題が続くようなら、次回評価はB-になるぞ」と釘を刺します。

このフィードバックする内容も人事考課調整会議で部門長が決めます。部門長が決めやすいように我々が誘導する訳ですが。

だから一部門に職員が20名いるなら、20人分の評価結果を話し合う為に我々がファシリテートします。

20人くらいだとゆうに2.5時間はかかるので、200人くらいの事業所だと3日間はこの「人事考課調整会議」の為に我々は入りこみます。

それでも、3年目は我々はオブザーバーになり、直接のファシリテーターは理事や施設長、事務長が担えるようにしていきますけど。

 

こういう流れで組織に浸透していく「経営理念浸透型人事評価コンサルティング」が評価されて、オファーがきているのだと思います。

 

こちらのページもいかがですか?

無料電子書籍ダウンロード

「これを無料で渡すんですか?」と同業のコンサルタントがビックリしたマニュアルをご提供!各種コンサルティングマニュアルを揃えております。

コンサルティング現場実例ノウハウ

「こんな実例ノウハウを、こんな価格で売るって正気ですか?」と仲間のコンサルタントがあきれた「コンサルティング現場で活用した実例ノウハウ」があります。クライアントとの面談や会議で、また研修時に「見せるツール」しかも記入実例付きのリアルテンプレートを豊富に掲載。