遅々として進まない総師長の職務権限移譲を生成AIが後押し
これまでも多くの病院の人事コンサルを実施しています。
ある病院でも現総師長の定年間近に備え、副総師長の業務へのシフトをしている最中ですが、諸事情によりなかなか進みません。
看護部TOP同士なので、誰も口をはさむこともできず、院長でさえ「当人同士に任せるしかない」と静観の構えです。
しかし、現総師長の定年はもうそこまで期限が迫っています。
私も業を煮やしてついに「生成AIに引継ぎ計画案」を出させ、これをベースに進めましょう」と口火を切りました。
1,互いの遠慮、忖度が権限移譲の壁に
企業でもそうですが、職層が上になればなるほど、職務権限移譲は難しいものです。
総師長は少しでも職務を委譲したいのはやまやま。
しかし、副総師長の今の仕事のまま、総師長の職務を任せるのは過重な負荷を与えることを危惧しています。
またその副総師長の職務を各病棟の師長に委譲しようとすると現場の混乱が予想され、副総師長も躊躇している状況。
それは看護師不足等で師長自身も現場業務で多忙を極めているからです。
また、副総師長も、総師長の仕事を自分から「この仕事は私がしましょう」と言うと、総師長の仕事を奪ってしまうのではと言う忖度も働いています。
そうやって時間ばかりが経過し、その内「総師長には看護顧問として残ってもらってはどうか?」と副総師長が言う始末。
それではいつまでも世代交代ができないし、組織の活性化もできず、副総師長が総師長になっても権力構造は何も変わらない。
この組織心理の壁がずーっと続いていたのです。
2,誰も背中を押さない、押せない雰囲気
院長は医療行為に忙しく、事務長は口を出せない。
師長達は「それは上の方の責任であり、私達からモノは言えない」と様子見。
もっと問題だったのは、総師長がどうしようが副総師長がどうしようが当面は現場が回っているので、その職務権限移譲が殊更問題にはなっていないのです。
これも悲しい話です。
病院にとって看護部は最大の組織です。
この組織が機能するかしないかで病院の評判や収益が大きく異なります。
なのに、誰も背中を押せないのです。
そこで私のようなコンサルタントがその責務を担うこともあります。
私達は人事評価コンサルティングで病院の支援をしているので、センシティブな人事情報が集まります。
その中で現場からの不満や今後のビジョンを考えた他部門からの意向、そして院長やドクターの声から「看護部責任者の権限移譲計画を円滑にして欲しい」と言う声がでているのです。
私達からの総師長と副総師長で職務権限移譲計画を作成するように、そのフレームや職務ポイントを見せて指導しました。
3,生成AIは容赦無用のプランを出す
私達のような第3者から職務権限移譲計画の宿題を出し、次回指導時に確認しても、やっぱり進んでない。
もう時間がないので、総師長と副総師長を呼び、ChatGPTに職務権限移譲計画に伴う細かいプロンプトをその場で打ち込み生成しました。
すると、生成AIが詳細な段取りを出してくれました。
そこで私から「総師長も副総師長も自分達で決められないなら、このAIが出したプランで進めて下さい」と指示。
その生成AIの答えは、当たり前のことをプロセスごとに出しているのです。
しかし、この答えを見た総師長、副総師長も「なるほど、こんな順番でやればいいのですね」と納得。
因みに生成AIが出したプランは下記です。
更にそれをガントチャートにしてスケジュール表にするように指示した結果、
これらのプロンプトは、4月4日の「コンサルティング現場で使う生成AIプロンプト公開とAIコンサル体感研修」で公開します。
詳しくはこちらから
https://re-keiei.com/blog/consultant-office/2145-ai-4.html
4,後はコンサルタントがコーディネート
当然、このままでは使えないので、その一つ一つをコンサルタントが確認しながら、総師長、副総師長の意向を踏まえて表現を細分化しました。
この生成AIプランの現実化への落とし込みにコンサルタントのニーズがあるようです。
生成AIで素案は凄い所まで作成できますが、実際の運用には加筆修正が必要で、その段階で双方が納得するファシリテーション技術が求められるのです。
これまで「遅々として進まなかった職務権限移譲計画」が生成AIの活用で進みだすわけです。
これ以外にもいろいろなヒューマンメンタルブロックの箇所が生成AIで背中の後押しになりそうです。
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