嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

早期戦力化の新卒教育2(教育技術編)

4月には新卒職員が入ってきます。新卒を潰さず、いかに早期に戦力化するかは事業所の課題です。前回に引き続き「早期戦力化の新卒教育2」をお届けします。前回は、どちらかと言うと概念論を書きましたが、今回はリアルな教育技術について、上手くいって事例をご紹介しましょう。

1、仕事を経験させる前に「予習」をさせる

学生時代の勉強でも「予習」の重要性を教師は口を酸っぱくして指導していました。ところが、社会人になると「予習」よりも「まず経験」が重要視されます。しかし、どうもそこの落とし穴があるようです。予習をすることで、今日経験する事への事前の理解があれば、今日の実践経験が身につきやすくなるのは当たり前。では、「予習」制度を採り入れるにはどうすべきか?現在は大きく2つの要素を準備した方が良いですね。

①文書より写真多用のマニュアル

私のクライアントも「マニュアル」がある事業所はたくさんありますが、一般的には文字が多いです。若い人は文字より、写真、アニメの方が理解があります。現場・作業の写真と吹き出しで、「この作業のポイント」を文字書きします。

②やっぱり現代は動画マニュアル

昨今は動画による作業マニュアルも増えてきました。動画マニュアルの場合、作業状態を撮影して、その後にアフレコやテロップ(文字解説)ものと、モニターやプロジェクター投影したパワーポイントなどで上司が解説したものを動画撮影したものに分かれます。どちらが良いかは、使い分けです。ただ、作業状態を撮影した動画マニュアルを作るなら、作業者目線の動画でない限り分かりにくいので、おススメは「ヘッドセットCCDカメラ」です。作業している人の目線や頭の動きに合わせた動画ならよりリアル感がでます。

こういうマニュアルを用意し、「明日は君に、〇〇作業をしてもらうから、今日中にマニュアルA-2を見ておくように」と事前に指示します。これが予習です。

2、当日作業終了後の復習

昨日、動画やマニュアルで「予習」をして臨んだのですが、多分現実とのギャップがあったはずです。そのギャップを当日の作業終了時、振り返り反省をしてもらいます。「予習で見た作業と実際やってみて、どうだったか?」「次のこの作業をするなら、どういう点に留意すべきか?」などを考えさせるのが、復習です。

これはチューターやブラザーが、入社後3カ月間はほぼ毎日、行うことが大事です。1つ1つの仕事を確実に覚えてもらわないと、時間が掛かるだけでなく、せっかく1名人材がはいったのに、そのチェックで先輩上司の時間を取られるのでは、あまりに効率が悪いですよね。

3、今年の新人に「来年の新人の為の作業事チェックリスト」を作成させる

今年経験した事はまた来年も入ってくる新人が経験します。先輩上司には分かり切っている作業でも、新人には試行錯誤の連続だったはず。この経験を忘れる前に、箇条書きのでポイントを記録しておいて、来年の新人向けの作業マニュアルに追加します。この時、この追加された作業マニュアルに記名しておけば、次年度の新人も「あの先輩がこのポイントを書いたのか、あの先輩も最初は分からなかったのか」と親近感も持つし、自信欠如を防止できます。書かせ方は「作業毎のチェックリスト」形式にして、箇条書きにすることです。

マニュアルだけでは新人に分かりにくい事を、少しできるようになった新人目線で「チェックポイント」を書くこが味噌です。1年も経つと、その新人もできて当たり前のレベルになるので、「不安感の中で学んだこと」こそ、来年にも活きた事例となるのです。

このように、マニュアル、動画などを事業所側が用意するのはもちろんですが、新人に参加させることで、新人のレベルアップが早くなり、且つ来年の新人教育もしやすくなるのです。

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