M&A後の「中小企業版PMI」スキルを上げる

最近、私の周辺にもM&Aの話や案件が発生しています。当社はM&Aには関わらないスタンスですが、クライアントがM&A後の統合計画についてはこれまでも数社コンサルティングをしてきました。

長年、経営顧問をしている製造企業ではM&Aで買収して子会社化しました。M&A後、既に15年経過しました。そこは大手金融機関からの案件紹介でした。当時、PMIという言葉は使わず、「子会社の事業統合計画」として、5か年経営計画、製造製品再配置、TOP人事計画、本体からの人材異動、買収に伴う営業体制の再配置などをいつも経営会議で議論して、アクションプランとモニタリングをしていました。統合効果が出す為に、後継者が自ら住居も移し、本気度を伝えました。

当然企業文化の違いもあります。また人事賃金制度も労働組合も福利厚生制度も違います。当然、設備も違うし、ソフトも違う。何から何まで違う。どちらかのシステムを統一する為にも、双方の信頼感が必要です。そういう信頼感醸成のために後継者が覚悟をもって取り組む、それがPMIの原点だったのです。統合効果を出すプロセスとして、今でいうPMI(ポストマージャーインテグレーション)を実施しました。

当時も統合とグループ目標達成の為に中期ビジョン、ロードマップ、経営計画、アクションプランを作成しました。そして、本体、子会社の経営幹部の役割責任の明確化、理念統一として「経営判断基準」「行動規範」の統一などです。人事と賃金は数年遅れて統合しました。今では、このシナジー効果は大きくグループ経営の大きな貢献をしています。

巷ではM&Aばかり注目されていますが、PMI無くしてM&Aの成功はないでしょう。また大手コンサルタント会社やシンクタンク系が行うPMI対象先はM&Aもやはり大型物件です。これから増えるM&Aは小型物件が多い事でしょう。すると、そういう案件のPMIをするには、本来会計事務所であるべきですね。

M&Aの紹介仲介手数料目的ではなく、「中小企業版PMI」のスキルをつけて、M&A後もモニタリングして継続収入を得る事も、今後の収益モデルではないでしょうか。

実は、当社が主催している「経営承継可視化戦略」は、PMIとほぼ同じ経緯をたどります。

「中小企業版PMI」ですから、もっとシンプルですが、

「経営承継10か年カレンダー」  ⇒「統合プロセス5か年計画」

「中期計画の為のSWOT分析」  ⇒「統合効果を出すシナジーSWOT分析」

「役員幹部役割責任一覧」    ⇒「本体、子会社役員幹部の役割責任一覧」

「会長、社長の職務権限移譲計画」⇒「本体と子会社の職務権限整理」

「経営判断基準づくり」     ⇒「グループ経営判断基準・行動規範づくり」

こういう事を議論しながら、可視化していく事が「中小企業版PMI」です。

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