嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

「指導しないコンサルティング」の方が業績が上がる?

コンサルタントを長年していて、この世界の常識は「コンサルタントの指導いかんで、クライアントの業績は変わる」だから、知識と現場経験豊富なコンサルタントこそ、優秀な証と言われてきました。現在でも「専門コンサルタント」にはその傾向が根強くあるし、その知識を教えたことで、クライアントが成果を出す事もよくある事です。しかし、「経営判断に対するコンサルティング」ではどうか?

クライアントの経営判断に対するコンサルティングとは、

  • yes or no、
  • 今やるか、先延ばしするか、また第3の選択は
  • 取り入れるか、やらないか、また第3の選択は
  • 受入れるか、拒否するか、また第3の選択は

具体策も決まっているし、方法も知っている。やるメリットもデメリットも知っている。要は経営判断場面で、経営者が悩む項目に対するコンサルティングです。

1、経営判断コンサルティングは、経営者の潜在的な思いを表面化

経営判断は、経営者自身がある程度答えを持っているはずです。ただ

  • その思い通り行動して良いものか、
  • もし上手くいかなかったらどうしようか
  • その決断に社員は納得するか

その思いに対して、客観的な議論をおこない、経営者に「やっぱりこうしよう」と意思決定に導くのが、経営判断コンサルティングです。ここでは、経営者が思いもつかないアイデアやノウハウをコンサルタントが指導する事はそう多くありません。むしろ「経営者に頭に答えがある」状態です。

我々は、経営者に「この判断で行こう」と意思決定してもらう論理的な根拠、他社事例を紹介、その後自分の考えを展開していきます。だから、早い段階で「社長、それはやるべきです」とか「今やる必要はありません」などと答えを急ぐ事は慎む事です。

2、指導しないコンサルタントのスタンス

経営者であれ、幹部であれ、自分で決めた事には、責任もあるし、イメージもあるはずです。「指導しないコンサルティング」とは、ヒントや誘導、他社事例や論理的根拠はいろいろ提示しますが、「これはやるべきですね」「やりましょう」などと軽々に口にしません。むしろ意思決定するまで我慢強く、議論をコントロールして、自ら決断したと言う雰囲気に持っていきます。

仮に、経営者や幹部から「先生はどう思いますか?」と意見を求められたら、基本的な考え方や他社事例を言う事はOKですが、それ以上具体的な答えらしき事を言わない方がベターです。

そうしないと、答えを持ってない経営者や幹部は、コンサルタントの意見をベースに議論する傾向があるので、結局「指導するコンサルティング」になってしまいます。

3、何故「指導しないコンサルティング」が業績を上げるのか?

先生からの教えが効果的なのは、

  • 窮地に追い込まれ、どの答えが良いか分からず、信頼している人の意見を聞きたい
  • いろいろ試してみたが、自分の何が悪いのか全く見えない
  • 善かれと思ってやったことがことごとく裏目に出ている状態
  • 自分の信じる価値観が崩壊している時   等々

です。それ以外で、先生からご託宣がどんなにいいアイデアであっても、経営者幹部の心では

「そうはいってもね・・・」

「そんな事はすぐにできる訳もない」

「先生は現場を知らないからなあ」

「うちのレベルではできない」

「そんな時間、余力がどこにあるんだ」等々

と思っている状態では、「やらねばならない」という覚悟になりません。しかし、

  • 自分たちが自ら決めた事
  • 自分たちが決めた行動プロセス
  • 自分たちが決めたできる目標

ならば、自ら行動していくはずです。だから結果が出やすいだけです。その時、テクニックやメソッドについて、彼らから「先生、その結果を早く出すには、どんな手法がありますか」と問われたとき、初めて「コンサルタントが言う手法やアイデア」を傾聴しようと思います。

いつも「答えを教えているコンサルティング」では、経営者も幹部も受け身になるので、自発性が弱くなります。

こういう事で「指導しないコンサルティング」が求められる訳です。

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