嶋田利広ブログ

病院・介護施設のコンサルタント

病院看護部が行う「効果的SWOT分析」のコツ

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

病院看護部SWOT分析の進め方.jpg

中小企業を中心としたクロスSWOT分析について、これまで論じていますが、このSWOT分析は企業以外にも、自治体、観光協会や3セク、各種団体など幅広く活用されています。

とりわけ最近では「医療法人」「社会福祉法人」でもSWOT分析をする所が増えています。

これまでも多くの病院や介護施設でSWOT分析を支援してきましが、最近の病院のSWOT分析の進め方をご紹介したいと思います。

病院SWOT分析は主に「看護部SWOT分析」が一般的です。

Drはなかなか出席しませんし、コメディカルも平日の時間帯に時間を割くことは難しいものです。

看護部SWOT分析でも参加者は師長や主任だけで、シフト上数時間抜けられるかどうかで次第で、「看護部長と師長のみ」というケースも少なくありません。

1,看護部SWOT分析の順番

一般的なSWOT分析では、弊社が推奨しているのは、「機会O」⇒「強みS」⇒「脅威T」⇒「弱みW」です。

しかし、実際には経営改善計画書作成の為のSWOT分析以外は、「弱み」と「脅威」は割愛する場合が多いのです。

そこで、今回のような看護部SWOT分析研修では時間配分や「機会」「強み」「積極戦略」に十分議論してもらう為、「機会O」⇒「弱みW」⇒「脅威T」⇒「強み」⇒「積極戦略」という順番で行います。

このように変則しているのは、先ず「機会」がなければ、「弱み分析」ができないので、「機会」は優先します。

その後、「弱み」「脅威」はちゃっちゃと短時間で終わらせます。

「あそこが悪い」「ここが脅威だ」なんてものは、現場の管理者がそこまで深く議論しなくても、誰でもうすうす分かっていることです。

むやみやたらに問題点に眼を向けて「寝た子を起こす」ことも不要ですし。

そこであえて「問題点をあぶりだす事」で「できない理由に脳が占有されることを防ぐ」意味があります。

そして、「強み」を深く議論します。

「強み」は「機会」に使える具体的な経営資源や人材資源を指します。

その延長線上で「積極戦略」へ一気に進めるのです。

最近のSWOT分析研修では、このような手法が多くなっています。

 

2,「機会」は指定テーマの方が意見が出やすい

これまでの「病院SWOT分析」での「機会」は広く可能性・チャンスの意見を取り入れ、枠にはめた議論にならないようにしていました。

しかし、それだと訓練された師長クラスならいざ知らず、普通の師長クラスではなかなか意見がでないのです。

意見がでても「マクロ的な総括的意見」が多く、「積極戦略」へ誘導するのが結構難しい場合もあります。

そこで、今は下記のフォームに記載されている「機会」を議論します。

「機会」で大事な事は、右欄にある「その理由と今後の具体的な可能性」です。

今既に可能性がある内容だけでなく、それを取り込むことで未来にどんな副産物的な可能性があるかまで見ていきます。

210706_看護部SWOT分析機会.jpg

 

3,「強み」はどこまで小さく具体的に見れるかがポイント

「強み」は「機会」に使える経営資源や人材資源、機能の有無で決めていきます。

良い点」の列挙などの曖昧で自己満足的な議論を避けます。

「強み」も指定した質問に沿って具体的に書きだします。

そして右欄の「その強みの活かし方」まで深く議論します。

そうする事で「強み」自体が即反映できる分野やカテゴリーが見つけやすくなるのです。

210706_看護部SWOT分析強み.jpg

 

4,「積極戦略」も指定テーマの方が具体的に議論しやすい

「積極戦略」は「強み」の〇番と「機会」の〇番を掛け合わせて、独自の戦略や具体策を整理します。

但し、ここの整理の仕方が難しいという声をよく聴きます。

最近の事業再構築計画書でも使用する「進化版クロスSWOT分析シート」も記載指定フォームにする事でずいぶん、書きやすくなりました。

そこで病院看護SWOT分析でも記載指定のパターンを用意します。

但しここは、SWOT分析の目的次第では、あえてフリーな書き方にする場合もあるので、ケースバイケースで判断しましょう。

「積極戦略」の記載指定のあるシートの一部をご紹介します。

210706_看護部SWOT分析積極戦略の一部.jpg

他にも記載指定項目はありますが、このようにどのテーマでどう書くべきか、指定する事で師長クラスも議論ができ、何をアウトプットすべきか見えてくるのです。

 

5,看護師長SWOT分析一日研修の流れ

では実際の「病院看護部SWOT分析1日研修」の流れをご紹介します。

一日である程度まで議論が進むにはコツが必要です。

簡単に言うと、事前に「病院看護部SWOT分析」の理論とアウトプットイメージをどこまで持たせるか、です。

当日の講義でもある程度理解できますが、できれば当日講義では2回目の講義を聞いた感じだと、かなり頭に入っていきます。

そこで弊社では「事前学習動画」で「病院看護部SWOT分析の進め方」というYouTube限定公開の動画を試聴してもらいます。

これで、理解度のばらつきや当日のバタバタ感がかなり解消できます。

210706_看護部SWOT分析1日研修カリキュラム.jpg

 

病院看護部SWOT分析研修をされたい方、是非弊社までお問い合わせください。

 

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