もしかしたら、コンサルティングとは知識や経験を言葉で伝えることがメインの仕事だと思っていませんか?
そういう場面も多い仕事ですが、それ以上に「実例アウトプット」がコンサルタントの是非を決めるケースが多いのです。
「実例アウトプット」とは、過去のいろいろなコンサルティング現場でクライアント共に作成した「ノウハウが文書化」されたものです。
一般的には「マニュアル」「チェックリスト」「フォームに沿った実例記載」などが「実例アウトプット」と呼ばれるものです。
簡単に言うと、「実例アウトプット」を経営者の眼の前で提示して、その有効性や効果を「見える」状態で説明できれば、経営者の納得度は一気に高まります。
1、経営者がコンサルティング依頼を即断した「漫画付きマニュアル」
もう27年くらい前の話です。
ある小売店チェーンの経営者から
「接客マニュアルはあるけど、皆文字を読まないから、なかなか接客技術が上がらない」
と会話の最中のこぼしていました。
そこで、私のコンサルティング実績ではないのですが、知り合いから「大手チェーンの漫画付き接客マニュアル」のコピーを貰っていたので、それを見せました。
すると経営者は「こんなマニュアルが欲しい、これなら若い社員も見やすい。こんなのを作ってくれるの?是非お願いしたいけど」
と早速のオファーでした。
イラストを描く業者はしっていたので、即見積をして当時でも数百万円の受注ができました。
今なら、動画とかスマホで即見れる漫画型マニュアルみたいなものでしょう。
経営者は「実例アウトプット」だと、イメージが沸きやすく、その効果性を納得するのです。
2、職能要件書、職務マニュアル、職務記述書などが経営者のニーズが高い
経営者が困っている事の一つに幹部の能力向上があります。
過去、経営者面談でこういう課題が出ると決まって「職能要件書、職務マニュアル、年俸制の職務記述書」の実例アウトプットを見せて説明しました。
これを見せると経営者は食い入るように見ます。
そこでこの「見える化された幹部の評価に直結する実例アウトプット」の効果を解説すると、経営者から
「うちもこのようなものがないから、幹部が自分の仕事の範囲や責任を分かってないのだろう」
とこのコンサルティングに興味を示します。
人事評価制度の評価シートはあっても、概念的で具体性に乏しいことからこういう個人別の中身を具体化したものには興味があるのです。
最近はこれ以外に「部門の後継者を育成する業務引継ぎ計画書」なんかもニーズが高いようです。
3、実例アウトプットを基に、ヒアリングしながらオリジナルを作成
全くの白紙からフレームを作成しそれを聞きながらクライアントに実情に沿った「アウトプット」を出すことは、正直ベテランでも大変な事です。
研修などの時間を貰えれば事前に考えることもできますが、今眼の前の経営者に即見せて、一緒にオリジナルを作る事は難しい限りです。
しかし、実例アウトプットのデータがあれば、それをベースにクライアントからヒアリングしながら修正をするだけで、オリジナルができます。
しかも眼の前で(モニターなどで見せながらノートPCに入力する)。
これは研修でのワーク資料もそうです。
一から独自でフレームや記載事例を作りだすことは、時間も相当掛かるし、そのフォームが果たして正しいのか疑問を持ちながら進めていきます。
でも、実際に過去活用した実例アウトプットのデータがあれば、その時間的精神的負担がほとんどないのです。
4、コンサルタント養成セミナーで多数の「実例アウトプット」が貰えたら…
もし、コンサルタント養成セミナーなどでこういう実例アウトプットがたくさんのケース別にデータが貰えたら、嬉しいですよね。
しかもその使い方説明もして貰えれば。
でもほとんどのコンサルタント養成セミナーではこういう実例アウトプットデータは頂けません。
これはコンサルタントファームに取ってノウハウ中のノウハウです。
またコンサルタントファーム以外が主催のコンサルタント養成セミナーでは、もともと「実例アウトプットデータ」自体がない場合もあります。
秋以降、当社が開催予定の「経営コンサルタント養成講座」では、経営者が興味を示す「具体的な実例アウトプット」を多数データとしてお届けします。
こういう「実例アウトプット」のデータ提供とその使い方まで解説してくれるコンサルタント養成セミナーは、あまり聞いた事がありません。
それだけ「コロナ禍のコンサルタント起業」や「コンサルタントの生産性アップ」は「能書きをいくら学習しても通用しない」という事です。