小規模零細企業のみのコンサルから脱皮したいなら・・
SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
コンサルタントも会計事務所の多くのクライアントは小規模事業所(従業員数名とか売上1億円未満)が多いものです。
小規模事業所には課題も多く、経営のアドバイスを頼っている社長も多いし、その市場のすそ野も圧倒的に多いのも事実。
それが現実なのですが、そういうコンサルタントや会計事務所の経営支援担当者に聞くと、面白い答えが返ってきます。
それは
「本音を言えば、もっと企業らしい規模の中小企業を支援したいが、そういう企業との接点ができないし、どうやって営業すべきか分からない」
というものです。
ではどうやって、中小企業レベルのクライアントを増やせばいいのでしょうか?
私の過去の経験から考察してみましょう。
1、苦労する小規模零細企業のコンサルティング
私も独立当初は最初からある程度の規模がある中小企業ばっかりではありませんでした。
年商1億未満、従業員5名未満もいくつかありました。
この規模のコンサルティングで一番困るのは、「会議面談で決めた事・提案した事をやらない社長が多い」という事。
だから成果も上がりにくい。
また、コンサルティングフィーが低いことも問題です。
規模が小さいから、例えば年間100万円のコンサルティング料がバカ高く見えるのです。
だからコンサルティングをしているのに、報酬は税理士事務所の顧問料とあまり変わらない3~5万円/月なんてざらです。
しかも、相手からすると、その金額でも「相当払っている」という認識ですから、いろいろな作業要求や指導回数の増加などが出ます。
とにかく
「成果が出ないのに、手が掛かり、報酬が少ない」
これが実態です。
多くの中小企業診断士やコンサルタント起業仕立ての方が、このぬかるみに苦しんでいます。
それでも、そんな金銭面や手間に関係なく心から「経営者のお手伝いをしたい」と粉骨砕身する方もいます。
それは本当に尊敬に値しますが、「いい仕事には適切な対価」が必要だと思いますが・・・
2、コンサルティングで面白くなる企業規模
さて、実際のコンサルティング現場では企業の規模により課題も違えば、コンサルティングの面白みも違います。
大企業は外資系コンサルティングファームに対して、年間数億円規模の報酬を支払います。
それはその意味があるからでしょう。
またコンサルティング内容も、我々のような中小企業コンサルティングより、相当レベルの高い?仕事をされているはずです。
では我々中小企業コンサルティングの面白くなる規模感はどんな感じでしょうか。
私の経験から言えることは、売上5~30億円、従業員30~100名位かなと思います。
この規模は人材問題、後継者問題、生産性問題、諸ルール問題など「問題山積企業」です。
また、担当幹部もおり、何でもかんでも社長がする「零細企業」から脱皮した規模です。
そして、もっと面白い規模は、売上30~200億円、従業員50~700名規模です。
この規模はある程度組織ができているし、課題も海外戦略とか人事労務、生産改善などテーマも専門的かつヘビーに なります。
私自身が現在常時月次指導しているクライアント14社の中でも、従業員100~400名が5社、従業員20~100名が5社、残り4社が20名未満です。
自分ではこの規模感のバランスは結構いい感じだと思っています。
3、特定テーマに強くないと、中小企業社長はセミナーに来ない
では、ある程度の規模がある中小企業と関係性を開発したり維持するにはどうすべきか?
規模のある中小企業経営者は「総花的なコンサルティング」にはあまり興味を示しません。
コンサルタントは長期の関係性維持で、様々な問題解決のお手伝いをしたいと思っています。
しかし、中小企業経営者は特定課題さえ解決又は前進できればいいと思っています。
だから「抽象的なテーマ」、例えば
●幹部育成・リーダーシップ研修
●営業強化・販売強化
●経営分析や財務改善
●経営改善
●人材育成
●モチベーションアップ
●組織づくり
こんなテーマだとなかなか反応しません。
もっと、えぐって固有課題についてのテーマアップの方が反応するのです。
4、入り口は専門的、付き合ったら総合的
最初のお付き合いの切り口は超専門的なテーマで短期間や、研修、プロジェクト的な付き合いを提案します。
そして、一度付き合ったら、総合的な課題解決の為の年間契約、そのうち経営顧問という流れを目指します。
大事なことは最初の付き合いがないことには、次の展開もないという事。
だから、欲張りせず単発勉強会や研修、短期間コンサルティングでの商品パッケージを用意する事が肝要なのです。
多くの中小企業診断士やコンサルタントは、この辺りの空気感や方向性がなくて、低生産性にあえいでいるように思います。
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