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2021年の経営環境は従来のような「厳しい時代になる」ではなく、リーマン不況以上になる可能性があるという指摘がでています。
新型コロナウイルスの感染で第3波が更に、飲食業、観光業に打撃を与えています。
また多くの企業で賞与が減額、そして大企業(航空産業、自動車産業、広告業界等)で早期退職などのリストラの報道がどんどん出ています。
そういう状況下で無担保無保証のコロナ融資を受けた中小企業で一体何が、起こっているか?
業績悪化に歯止めがかからない企業は収入不足の上の固定費支払いの為、その融資資金早々と使い切ります。
次の追加融資をなければ、破綻へと直進します。
またコロナ融資を使う必要のない企業では資金をプールするだけでは資金活用ができない為、金融投資や緊急性のない投資(クルマ買い替え、自宅リフォーム等)に走る経営者もいます。
いずれ据置期間が終了した場合、返済の資金がなければ当然金融機関はガードを固くすることは容易に想像できます。
1、当然将来返済見込みのない企業には今後は貸さない、貸せない
今回のコロナ融資は金融機関にとってリスクにない窓口業務だった訳です。
しかし、追加融資となると一変して金融機関の自行でリスクを分析して「返済能力を見極める」訳です。
2020年春夏のコロナ融資とは全く違った融資環境になります。
金融機関の立場として低利で収益が厳しい経営環境時に、あえてリスクを取って融資するにはそれなりの根拠が必要になります。
しかも金融機関にとって潰れては困る融資規模の企業なら、いろいろな手段でリスケなどの支援もあるでしょう。
一般の中小零細企業で返済根拠のない追加融資依頼への対応は、至極冷たいものになるはずです。
それが長年のお付き合いだったとしても。
それは金融再編の動きの中、あえて火中の栗を拾う積極的行為は鳴りを潜め、消極的な対応をするのが一般的だからです。
当然、返済見込みのない企業への追加融資には慎重になるし、従来よりもリスク保全の手続きに時間も掛かるでしょう。
だからある意味「貸したくても貸せない」事が起こる訳です。
以前のような貸しはがしは世間の風評を考え、表立っては少ないかも知れませんが、貸し渋りは余程の政府支援がない限り、起こるのはやむを得ないでしょう。
2、しかし事業性評価融資には期待
コロナ以前から金融庁から金融機関に対して従来型の決算書主義、担保主義ではなく「事業性評価」をして融資をするように話が進められています
しかし、事業性評価の基準は各行任せですから、どこまで浸透するかどうかは不透明です。
そうは言っても事業性評価で各行が企業の見立てを重視する時代であることには変わりありません。
だから担当者が融資稟議書を書くとき、「返済根拠のある具体策」があると書きやすく上司や融資課にも上げやすいのです。
事業性評価融資とは、一般的に
・経営者の経営能力や経営理念、経営ビジョン
・決算書には表れない企業の強み(優秀な人材・ノウハウ・技術・顧客資産・優良な仕入先・社外ネットワークなど)
・今後の事業展開の計画
などがポイントとされていますが、大事な事は3番目の「今後の事業展開に具体性と根拠があるかどうか」です。
その事業展開ができる具体的な根拠こそ、金融機関が求める「融資ができる理由」になる訳です。
期待されるのは、決算書や担保に優位性がなくても、事業性評価で可能性があれば融資は可能だと、理論的には理解できるのです。
理論的と言ったのは、
●果たして金融機関にそういう見立てができるかどうか、そういう見立て能力を持った行員がいるのか(特にメガバンクや有力地銀以外そういう部門やノウハウがいるとは思えない)
●イメージとしては決算書や担保はある程度見たうえで、「融資するかしないかの判断に迷う企業」に対して、事業性評価が認められるなら、可能性がある(決算書や担保、これまでの情報公開姿勢は今後も影響するはず)
3、概念的なロカベンの定性評価に疑問?
事業性評価をする上で「定量評価」と「定性評価」があります。
定量評価とは数字で分かる評価、即ち決算書や販売実績などの経営分析で分かる「財務分析」です。これは従来からあったもの。
定性評価とは、「非財務項目」と呼ばれ「アナログ」で表されるものです。
この定性評価ができるかどうか、が見立て能力があるかどうかにかかっています。
「非財務項目」の判断基準に参考にしているのが経済産業省の「ローカルベンチマーク」という「企業の健康診断」に使うフレームです。
このフレームの「非財務項目」には、
商流のフレームを把握する為の、業務フロー
4つの視点から質問をするフレーム
さて、このフレームを見て、断片的な情報を書いたとして、そこからどんな具体策がでるのでしょうか?
会計事務所の中には、このフレームを絶対視しているところもあります。
「これを使えば企業の事業性評価ができる」と。
実際にこのフレームを使って書ける事は書けますが、何ら新たな経営戦略や独自性のプランが生まれような仕組みにはなっていません。
経営者から聞いた表面的な「アナログ情報」を文字化しただけです。
これで「融資返済の戦略的根拠がある」というなら、別のシートで具体的な検討をしたはずです。
4、独自の「強み」はどこから導き出されるか?
このような不況期には、差別化した「強み」を横展開していくことが大事です。
所が「強み」自体がない中小零細企業は多いもの。
同業他社と比して、「誇れるもの」「差別化できるもの」なんてこれと言ってない、というのが普通の中小零細企業です。
これは「御社の強みはなんですか?」とバカみたいに抽象的な質問をするから、そんな答えが返ってくるのです。
どんな中小零細企業にも「強み」があります。
それがあるから、これまで生きながらえてきたのです。
その「強み」が昨今の経営環境で、既存のチャネルや顧客に対して以前ほど、輝かないだけです。
それは「強み」で全体の顧客や環境をカバーしようとしているからです。
実は「強み」とは、「あなたにとっての強み」とセグメントしない限り、生まれてきません。
いつの間にか、中小零細企業の立場なのに「どの顧客にもいい顔をする営業」をしていたことで、尻すぼみになったわけです。
と言う訳で「強み」とは小さく見ていきます。
場合によっては「会社レベルの強み」だけでなく、「社員個人レベルの強み」も、使える経営資源・財産とみなします。
「強み」を見る時、5つの経営資源を深掘りしてみていきます。
(1)顧客資産
(2)商材資産
(3)サービス資産
(4)組織・機能資産
(5)異業種からコラボしたい・活用したいと言われる資産
⑴の顧客資産とは文字通り、今の顧客を今までとは違う活用方法や別途アイテムの販売はできないかを考えます。
⑵の商材資産は、今の取扱商品、販売権を今までのは違う販売チャネルの開発や営業戦略を考えます。
⑶のサービス資産とは、今やっているサービスを極限までブラッシュアップし有料化やプレゼンテーションへ活用します。
⑷の組織・機能資産とは、持っていることで顧客や見込み客にプラスに働く具体的な部門チームや設備・動産機能を指します。
このように「強み」を小さく見る事で、「使える経営資源」がまだまだ眠っている可能性があるのです。
5、コロナ禍でもなくならない「ニッチ市場」で収益を上げる、全国展開する
どんなに中小零細企業でも、発想を変えれば全国展開が可能です。
全国展開をすれば市場が広がります。
それが可能な理由は「オンラインビジネス」「オンライン販売」が簡単にできる時代になったからです。
コロナコロナといっているが、コロナ禍でもニッチニーズやニッチ市場はあります。
また、コロナになって増えたニッチニーズ・ニッチ市場もある筈です。
「自分の業界はオンラインでできる事業でもないし、コロナ禍で益々需要低迷でレッドオーシャン(価格競争)になるばかりで何もできない…」と。
そこに先ほどの「強み」を細分化した「固有の経営資源・財産」が効果を発揮する、販売ターゲットを再定義します。
その再定義された見込み客や新班版チャネルを「オンライン」で開拓していくという筋書きです。
地域もオンラインになる事で全国が相手。
当然、Webマーケティングは広告費や作成などの初期投資は掛かりますが、それでもやり方次第では新たなチャネル開発になります。
そういう「小さな市場に対して、得意な強みを活かし、全国で勝負する」
それこそが、コロナ禍での「新戦略」と言えます。
それを事業計画に反映させて、「新たな収益モデル」を創造することが「事業性評価」につながるのだと思います。
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