コロナ禍でも売上直結の「強み」を商品化するステップ
「強みは細部に宿る」と前回のブログで書きました。
「強み」を小さく見る事で、それを必要としているターゲット顧客を発見しビジネスを展開していく、という感じです。
そこで問題になるのが「強み」は分かったが、それをどう収益につなげるかという事です。
一般に「強み」が分かっても、それは一部の差別化の範囲で少しだけ他社より、サービス面で優位に立っている程度です。
だから「強み」が自己満足の域を出ない訳です。
「強み」が自己満足の域を出ない場合、それは「良い点」に格下げになる事を意味します。
「強み」を収益化する事をどう展開していくか、我々のSWOT分析ではそこに注力します。
1、「強み」が商品化できるかの判断基準「5つの質問」
いろいろな強み分析をした結果、「細部の強み」が分かったとします。
問題はそれが「良い点」の範囲か、「強み商品・サービス」まで展開可能かを判断する必要があります。
元来はそこに「機会分析」をして、その「強み」が活かせるニッチ市場、ターゲット顧客などを決めていくわけですが、「強み分析」だけでもある程度は商品化ができるかどうか判断ができます。
そこで、下記の5つの質問に具体的に答えてもらいます。
その回答いかんで、「強み商品・サービス」を次のステップへ進められるかを決めます。
Q1 その「強み」をどのようにブラッシュアップすればおカネを払う顧客が現れるか?
Q2 その「強み」を欲しがるターゲット顧客は誰か、またどんな困りごとがあるから、その「強み」を求めるのか?
Q3 その「強み」を商品化した場合、ターゲット顧客はいくら位までなら払うと思うか?
Q4 その「強み」を商品化した場合、既に類似商品はあるか、それとはどこが差別化できるか?
Q5 その「強み」を商品化する為に掛けられるコストはいくらか。またそのコストを回収できる販売数量のイメージはあるか?
この「5つの質問」を社内で検討します。
検討方法として、一つ一つの質問にロジカルシンキングで具体的に議論していきます。
Q5のように最終的には、イメージが沸くかどうかが重要です。
イメージが沸くまで落とし込む事で見えてくるものがあります。
2、「強み商品・サービス」の企画書化
その「強み商品・サービス」のイメージが決まったら、概念論ではなくまず企画書を作成します。
企画書とは、経営者から「商品化」へのゴーサインを貰う為のものです。
もし経営者自身が企画書を作るなら、「買う側の顧客視点」で納得するかどうかを企画書化します。
企画書には
⑴この商品のターゲットとそのターゲットが買う理由
①見込みターゲットの顧客名、購買ゾーン名
②見込みターゲット別購買理由
⑵この商品の価格帯、販売数量目標
①商品のバリエーション別価格帯
②商品のバリエーション別 年度別販売数量目標
⑶この商品の売り方、販促、売る為のツールや機会
①既存顧客へのPRと販売方法
②新規客へのPRと販売方法
③Web販売での販促
④イベント・メディア戦略
⑷この商品を売る為の必要コスト
①商品の開発コスト
②商品の粗利予想
③販促コスト
⑸マーケティングスケジュール
これらを分かる範囲で箇条書きにして「企画書化」します。
これの作成過程で「商品化」が厳しいとか、こんなやり方もあるとか、発見があります。
頭で妄想するより文書化するのが大事です。
3、「強み商品・サービス」のテスマ
企画書化して、「とにかくやってみよう」となったら、テストマーケティングをします。
これはデモ販売で顧客の反応を見る為のものです。
顧客の反応から「もっとこうして欲しい」とか「この機能は不要だからもっと安くして欲しい」とかいろいろな意見が出てきます。
テスマで大事な事は単なるアンケートで終わらせない事です。
見顧客から直接聞いた意見ならいいですが、書面のアンケートでは真意が見えません。
また、たくさんのデータを集める必要もありません(大企業のマーケティングではない)
むしろ、10名位のリアルなターゲット顧客から深掘り質問で
●ニーズ
●使い勝手
●機能
●価格
●デザイン
●打ち出しキャッチコピー
などをしっかり聞いて、製品化に反映させます。
ここで大事な事は「いろいろな機能やサービスをつけて高価格化するより、逆にそぎ落として低価格化」した方が昨今のニーズに合っているという事です。
4、「強み商品・サービス」を経営計画書へ採用
テスマの結果「商品化」が決まったら、それを経営計画書の売上目標や利益目標に反映させます。
新商品は一般的に3年程度で普及する計画になるので、初年度、2年目、3年目と中期計画で数値化します。
この経営計画書で新商品を反映させる場合、過度な期待値を入れない事です。
「新商品は水もの」です。
「強み」を商品化して「いけるぞ」と思い、テスマの結果も悪くないからゴーサインを出したものです。
しかし、それでも例えば3年後の商品別売上の構成比で10%以上の社内シェアは禁物です。
しかもその商品がシリーズ化できる訳でもなく単品商品の場合なら尚更です。
こういう新商品の根拠がある経営計画書なら、金融機関への説得にもなるし、事業性評価融資に対応したものといえるでしょう。
無論新商品だけで事業性評価対応と言い切るのは無理があるので、多面的な対策も必要です。
コロナ不況でも「強み」を商品化して、ターゲットのニーズに応える事はこれからの企業の必須事項です。
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