SWOT分析コンサルタントの嶋田です。
今からお話しすることは、私がコンサルティングしている会計事務所の職員が経験したことです。
その事務所では「会議指導」を、差別化や付加価値の一環として、顧問先に提供しています。
「会議指導」と言っても、ただ会議の進め方を指導するのではありません。
「経営会議」と言う形式にして、会議の司会、書記を職員が行うというものです。
会議のファシリテートの仕方や、書記の仕方などを、私が1年に渡って、実践的な学習とロープレ指導を行い、一部のベテランから少しずつ「会議指導」を提案していきました。
先ずは1人1社からのスタートです。
無論、ここまで事前に学習し準備したのは、その「会議指導」を有料にする為です。
顧問先から顧問料と別に「おカネを払ってでも、会議に入ってもらいたい」と思ってもらうには、相応の準備が必要です。
そのケースでは、会議指導料は顧問料とは別に月額1万円です。
約2時間の会議の司会と書記(議事録はパソコンに入力し、そのままプリントアウトして帰る)です。
ある職員のケースです。
問先からの評価も高く、会議指導を始めて1年近く過ぎた頃に、社長から経営会議中に突然、
「ところで、○○の新規事業の話があるんだが、皆どう思う?」
と投げかけてきました。
経営会議を始める前は、経営者は勝手に判断して契約し、事後報告見たいな事が日常でした。
しかし、経営会議を進めてきた一つの効果として、経営者が事前に「議題」に挙げるようになったのです。
過去の新規事業はことごとく失敗している経緯を知っている社長夫人や幹部は、にわかに反対しました。
しかし、今回も社長は性懲りもなく、真剣に考えているようです。
反対意見が多数になる中、その司会をしているその職員に向かって、
「○○さんは、この新規事業の件、どう思います。今の事業が今後ジリ貧になることを考えると、良さそうだと思いませんか?」
と振ってきました。
この時、その職員は
「ええ、でも今は資金的にも余裕がありませんし、奥さんの言うことも一理あります。今は、現業重視が良いかと…」
その反応を聞いた経営者は、みるみるうちに顔が赤くなり、声を荒げて
「だから、この状況を打破する為にも、新しいことが必要なんだ。前向きな事を議論するのが経営会議ではないのか?だったら、こんな会議する必要ない」と。
ご想像通り、その後の議事進行はちぐはぐで中途半端に終わりました。
その話を後日職員から聞いた時、私はこう尋ねました。
「何故、そこで、直ぐ自分の意見を言ったのかい?
先ず、相手が『何故』そのことが良いのか、相手なりの理由を聞く事。
頭から否定された経営者は怒るに決まっているじゃないか」と。
すると、職員から
「それは分かっていたんですが、新規事業とか、新たな設備投資などの話の時に、自分達はどこまで介入すべきか、またどんな質問をすべきか分からなかったので、成り行き上、ついつい自分の意見を言ってしまったんです」と。
そこで、私は
「じゃあ、君が中小企業が新規事業を検討する時に勘所やポイント、また設備投資の判断する時の抑えるべきポイントを知っていたら、どうしたかい?」
職員は
「そういう知識があれば、自分の意見ではなく、皆で議論するように持っていきました」と。
そうなんです。
会議指導中には、いろいろな経営判断の伴う議論が出てきます。
会議の司会者である事務所職員は、ただ型通り、「ではどうしますか?」だけを連呼しても、議論は進みません。
ファシリテーターとは、まとめ役であると同時に、議論をより深く、より現実的に考えさせるように持っていかねばなりません。
その為には知識が必要です。
しかし、大量の経営判断の知識を記憶することは現実的でありません。
そういう議論が進むようにチェックリストなどを提供できれば、相手が勝手に議論します。
特にリスクのある新規事業や設備投資の議論をする時は、いろいろな角度から議論し、メリットとリスクを検討しなければなりません。
どんな質問を投げかけて、何を議論するのか、それもファシリテーターとしての会計事務所職員の仕事です。
経営コンサルタントは経営顧問をしている場合、いつもそんなことの相談ばかりです。
それでも、即答えるようなことはしません。
常に、いろいろなチェックリストや多面的な質問をしながら、経営者の意思決定に少なからず影響を与えます。
会計事務所は経営コンサルタントではないですが、「会議指導」で経営会議のファシリテーターをするなら、同じような場面に出くわします。
その時は職員の腕の見せ所です。
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