SWOT分析であれ、なんであれ、「総論コンサルティング」は、ほとんど効果が出ません。「総論コンサルティング」は、あるべき論であり、大きな方向性です。ですから、「総論コンサルティング」でクライアントを納得させる為には、相応の実績や知名度、カリスマ性が必要です。これは、多くの経営者は知っている事であり、普通のコンサルタントや会計事務所職員から、それを指導されたからといって、決してありがたいとは思いません。
企業経営者もコンサルタントも昨今、短期的な成果を求めています。
「即30%売上が増える」
「3か月以内に10%の利益改善」
「2か月で、幹部の行動を変える」
どれも魅力的な響きです。
「A社は、私が新規事業成功のノウハウを入れたから、あそこまで成長できた」「B社は、この5年間で、200%の売上増ができたのは、私のノウハウを入れたからだ」こういうことを豪語するコンサルタントがいます。
新規事業の参入の可否判断をすれる際に、SWOT分析が用いられるのは、以前にもご紹介しました。しかし、ただ闇雲の「機会」を羅列しても、なかなか議論の整理や、新規事業の絞り込みはできません。ある程度、新規事業の方向性が決まっている場合は、良いですが、そもそも「わが社はどんな新規事業で、将来への布石を打つべきか」、新規事業のネタも決まってない場合、「機会」のアプローチの方法をある程度、フォーカシングしていくべきです。
このコンサルタントの業界は、国内に7~10万人程度いると言われています。ある調査では、その市場規模は5000億円らしいです。これはコンサルティングだけでなく、ビジネスの教育研修市場も含んでの事でしょう。7~10万人もいるコンサルタントから、クライアントはどうやって自社に必要なコンサルタントを探し出すのでしょうか?
今、金融機関は、「金融庁」からの指導もあり、融資の判断基準を「担保主義オンリー」から「事業性評価のよる融資判断」に取り組んでいる所も増えています。
- 事業性評価のスキルをいかにして習得するか、
- そして、限られた人材リソースの中で、どう展開していくか
が課題といえましょう。
これまで、SWOT分析をコンサルティングする時、先ず「機会分析」。その後、「機会分析」から生まれた、ニッチ戦略や今後の可能性に使える「強み分析」を行う をベースにしてきました。今後も基本は変わらないと思いますが、SWOT分析の目的や業種、経営資源に内容によっては、「強み」を先に行い、その後に「機会分析」の場合もあります。その判断の違いや、対応はどうすべきか、考えたいと思います。
歯科医院へは、主に分院経営をしている医療法人にコンサルティングを長年しています。最近のコンサルティングは、主に組織づくり、ルール作り、業績評価システムの「見える化」や採用戦略を中心に行っています。ある歯科病院から(医院ではなく病院です)「近々、創業80周年を迎えるので、将来像を見据えた、法人のビジョンを作りたい。戦略を決めるのに、SWOT分析というツールがあるらしいが、教えてくれないか」とご相談がありました。
ある企業の90周年記念行事の一環で、全社員(現場職以外)で、「これから未来戦略を考える」為の研修という事でした。総勢100人の『集合型SWOT分析研修』です。SWOT分析研修は、実際に導入する経営戦略を議論する場合以外に、この企業のように、「社員に考えて貰い、参考になるいろいろな意見のボトムアップ」を狙う研修の場合があります。実は、このスタイルのSWOT分析研修は今後、増えていくと考えています。
可視化経営が大事な事はいろいろなところで言われています。しかし、その「見える化」のポイントがちょっとズレていると本来の目的を果たしません。「見える化」を、「忘れない為のメモ書き」とか、「単に目に付くところへの掲示」と思っている職員や管理職がいます。そういうチームでは、ほとんど戦略的に「見える化」を活用していないので、継続しないし、いつの間にかホワイトボードはコピーやFAXの貼り出し場になっています。
経営顧問のコンサルティングを中心に進めていても、どういう訳か、ある時期に、2社位の複数の解約時期に出くわす事があります。コンサルティング品質が良くなくて解約されるのか、それともそれ以上にクライアント側の業績悪化や内部事情で、解約を言われるケースもあります。いずれにしても、複数社数の解約は、個人コンサルタント事務所にとって死活問題です。かと言って、強い営業を掛ければ、良い関係の見込み客や知り合いも離れていきます。
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- 【動画解説】地方で成功する経営コンサルタント事務所経営②(稼ぐコンサルの7つの戦略とは)
- 地方で成功する経営コンサルタント事務所経営①(今、コンサル業界はどうなっているの?)
- 「全社員・全幹部に今後の戦略を考えさせたい」だったら、集合型SWOT分析研修
- ファシリテーション技術を使うとSWOT分析検討が上手くいく
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