嶋田利広ブログ

SWOT分析コンサルタント

【緊急】SWOT分析で事業の「選択と集中」を早期に決める

facebookカスタムネイルSWOTで事業の選択と集中

一向に終息の気配が見えない「コロナウィルス」ですが、徐々にリアルな不況感が情報として出始めました。

政府の緊急支援対策もありますが、その後をにらむと

  • 急激な業績悪化と収益回復が見えない慢性赤字
  • 取引先の支払い遅延
  • 赤字決算による金融機関の貸し渋り、貸しはがし
  • コストカット、人件費のカット

いずれにしても一部を除き多くの企業で「縮小経営」を余儀なくされることは明らかです。そんな時こそ、経営者は今の事業の冷静に見直し、「事業の選択と集中」を決め、迅速の行動しなければなりません。

1、SWOT分析による「事業の選択と集中」のドメインを決める

SWOT分析では、今の事業の「機会」「脅威」「強み」「弱み」それぞれを具体的なヒントと共に捻出します。そして、その掛け算である「積極戦略「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」「差別化戦略」を決めます。ここでいう「積極戦略」(機会×強み)は、今後、経営資源を集中するドメインを指します。また「致命傷回避撤退縮小戦略」(脅威×弱み)は、「選択により外れるドメイン」「縮小撤退をする部門、商材」を指します。

「事業の選択と集中」の基本は、「この商材や事業は御社でなければならない具体的な理由」がなければ、「縮小経営」の対象になるという事です。何故なら、今後はより厳しい価格競争にさらされ、決して利益が出るとは思えないからです。

2、あるニッチトップを見出し「積極戦略」に集中する

「機会分析」で、今後の縮小経済下でのニーズの細分化をします。一般的なニーズ分析ではありません。例えば、顧客属性ごとにニーズを引っ張り、どの分野の「圧倒的なノウハウ構築」を目指すかを決めます。ニッチトップでの考え方は

  1. ある商品、あるサービスでは地域NO1の品ぞろえ、シェア、ノウハウ、ケア、フォローを決める
  2. ある顧客層に圧倒的に支持される商品、サービス内容を決める
  3. 地域だけでは業績貢献が厳しい場合、広域又は全国の市場を相手にするWeb戦略、SNS戦略で拡大できるある商品、あるサービスを型決めする

その時にヒントとなる「機会分析」の考え方が、

  1. 予期せぬ依頼、予期せぬ使い方、予期せぬニーズ
  2. 特定顧客の具体的な困り事(費用対効果、時間の制約、いら立ち)
  3. 同業や大手とは「逆張り発想」の機会選び
  4. Web、SNSを使う事で新たな顧客との出会い  等々

こういう事を冷静に分析し、「ニッチを決め、そのTOP」を目指す戦略を作ります。積極戦略が決まれば、後は仮説検証の繰り返しで、徐々にカタチが整ってきます。

3、止める・減らす戦略を決める「致命傷回避撤退縮小戦略」

脅威×弱み=致命傷回避撤退縮小戦略です。ここでは、脅威については全体的な不況論ではなく、商品や顧客ごとに「今後具体的にどう悪化・変化するか」を検証します。そして、経営資源として使えない「弱み」をサラッと見て、掛け合わせることで、

「止める商材・顧客」

「減らす商材・顧客」

「撤退する地域・顧客層・事業」

「拡散した事業構造のダイエット対策」 等々

が見えてきます。今回のような急激な不況では、この「致命傷回避撤退縮小戦略」を迅速果敢に実行しなければなりません。いわゆる「リストラクチャリング」というものです。そうしないと、いつまでも「積極戦略」の経営資源が集中できないし、経営改善を期待している金融機関に説明がつきません。

4、不況期こそ「差別化戦略」で市場寡占の戦略

脅威×強み=差別化戦略です。このヤバい状況の顧客や市場、ビジネスにおいて、これまで強いシェアや知名度があるケースです。いつも言う事ですが、「逆張り経営」とは、こんな時こそ

  • 弱った同業者を安値でM&Aし、圧倒的な寡占状態をつくる
  • 弱った同業者が倒産廃業するまで、価格競争でしのぐ
  • 市場シェアが高くても、「事業の選択と集中」に合わないなら、この際M&Aに出す

の3つがあります。力がある企業なら、この差別化戦略をすることも可能です。 

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