そんなSWOT分析ならしない方がマシ
最近、イラっとした事がありました。
知りあいの経営者から、あるコンサルタントがセミナーで教えたSWOT分析を見せてもらいました。
この経営者は私のSWOT分析をよくご存じの方ですから、皮肉っぽくこう言われました。
「先生、このSWOT分析どう思います?まだこんな程度のSWOT分析を自慢げに言っているコンサルタントがいるんですね。先生の検定を受けた方がいいですね(笑)」
そのSWOT分析シートには、私が「ダメSWOT分析」と定義している特徴がかなり含まれていました。
無論、このコンサルタントは当社の「SWOT分析検定」を受けている方ではありません。
本当にこんなSWOT分析ならしない方がマシです。
1、どうしても「機会分析」が浅い 何百回も言っていますがSWOT分析の肝は「機会分析」です。
ここが抽象的な概念論で言われると、後々のクロス分析の「積極戦略」が甘々になるのです。
「機会分析」が浅いと言うと、「じゃあどうやって深く聞けばいいんですか?」と質問される方がいます。
答えは簡単です。
しっかり「5W2H」で聞き返せばいいのです。
「それって、誰がターゲットですか?」
「そのニーズはどんな見込み客が、どういう時に言っているんですか?」
「そういうマクロの可能性は、ミクロではどんなカタチで行動に現れますか?」
など、相手が言った1つの「機会」の意見に対して、5W2Hで深掘り再質問をするだけです。
この作業をせずに、相手が言った言葉をそのまま記載したり入力するから、曖昧さから脱皮できない訳です。
2、それ「強み」ではない。単なる「良い点」 ここも間違いの多い箇所です。
「強み」とは先に検討した「機会」に使える「物理的な経営資源」です。
物理的とは、その経営資源が眼で分かるように存在している事です。
コンサルタントや会計事務所で良く書かれている「強み」に、
⑴丁寧さで分かりやすい指導である
⑵経営の現場に精通しているので多様なアドバイスができる
⑶顧客目線で提案ができる
こういう表現をする方がいます。
これらは「良い点」です。
もし、これらを「強み」に書き換えるなら
⑴口頭説明ではなく、文書や体系図などで文字にしてモニターを見せながら解説
⑵経営に機能別・要素別に重要項目をチェックリスト化しており、それに沿ってアドバイスができる
⑶決算時に翌期の行動計画や提案書を経営者からヒアリングしながら、指定フォームの年次計画書を提出している
などだと、物理的な内容が含まれているので、機会との掛け算もしやすくなります。
3、積極戦略が曖昧な概念論
積極戦略とは「具体的で、行動のイメージが沸くもので、商品名、ターゲット顧客、そして販促キャンペーン」などが分かるレベルまで落とし込んで欲しいものです。
しかし、多くの「積極戦略」は意識や思想、思いの言葉、マクロ的な表現が中心で、固有名詞が少ないものです。
私たちの「SWOT分析スキル検定」や「zoomによるSWOT分析ロープレ個別レッスン」では、この固有名詞への落とし込みのヒアリング技術や文字化を集中して訓練しています。
「積極戦略」に概念論が多いのは日ごろからそういう提案や話し方をしている習慣があるからでしょう。
具体性や固有名詞とはやっぱり、5W2Hの表現です。
最低でも商品名、ターゲット顧客名、差別化の箇所や売り方が固有名詞になっている事です。
SWOT分析が抽象的な表現に終始している方は、再度徹底した訓練を受ける必要があります。
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