面倒だから、おカネにならないから、顧問先から要望されてないから 「やらない」会計事務所監査担当の本音
SWOT分析、KPI監査、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
これまで、多くの会計事務所の研修や経営支援、顧問をしています。
その中で、MAS業務などの付加価値業務が益々求められているのに、なかなか前向きに取り組まない監査担当者が多いのに、呆れと驚きをもっています。
彼らは何故、取り組まないのか?
所長はどんなモチベーション対策をすればいいのか?
今回は「裏具体策」も公開します。
1,基本はクレームやトラブルを起こしたくないネガティブ姿勢
多くの会計事務所監査担当者と触れ合うと、基本姿勢に「前向きな提案より、業務でクレームやトラブルを起こしたくない」のが前面に出ています。
消費税を間違ったり、節税できるのに対策をしなかたっり、漏れがあり調査で税務署から追徴がないように「業務の怠慢と不注意」をとにかく意識しています。
だから前向きな指導より、「ミスをしない」ことが優先されているのです。
会計事務所の研修で「MAS業務をやれない理由」を監査担当者から聞くと、「時間がない」という声をよく聞きます。
その真意は、チェックや指導に時間と心を取られているから、「心をなくすほど忙しい」訳です。
またそういう「前向な提案よりミスをしない事」を優先する性格の人が多い業界かもしれません。
この心のバリアが強い限り、なかなか進まないのが現状です。
しかし、対策はあります。
下記に「早期経営改善計画書(ポスコロ)提案の心理的バリア」について詳説
https://re-keiei.com/blog/account/1739-2022-10-13-10-53-23.html
2,顧問先から要望されれば、動かざるを得ないけれど
そんなネガティブなヒトが多い監査担当者でも、ある行動をされると「動かざるを得ない状況」になります。
それは顧問先の経営者から直接依頼されることです。
分かりやすい事例が
「銀行に事業計画書を出さないといけないから、至急作ってくれないか」
と言われれば、多くの監査担当者は何とかします(この要望さえ取り組まない監査担当者は×)
監査担当者にとって顧問先社長から要望される事は、会計事務所の職務範囲の事であれば、何とか取り組むよう頭にインプットされています。
だから、顧問先社長から、MAS業務の依頼が出るような仕掛けをすればいいのです。
例えば、アンケートを取ってニーズを具体的に聞くとか、決算報告会でニーズを言ってもらうとか。
ある事務所では、私が講師をしたセミナーの際にアンケートをとり、経営者から「経営計画書の支援が欲しい」と書かせて、職員が否応なく実行したことがあります。
しかしそれでも、職員のスキルは上がるのですから。やるべきですね。
3,インセンティブより仕事の忙しさと難しい事をしたくないという意識
事業再構築補助金の売り上げ収入の〇%を職員に還元する
そういうルールにした事務所は結構あります。
しかし、多くの事務所で「笛吹けども踊らず」の監査担当も多かったようです。
なぜか?
それは、目先のインセンティブがどれだけ多くても、それにより仕事が増え、面倒なことが増えることの方を重視するケースが多い。
そんなに所得が多くないのに。
「顧問先のために何とか頑張ろう」
という意識より、与えられた通常のミッションでいかに間違いなくするかがとても大事なわけです。
その底辺には、自身のスキルアップのために挑戦するという意識が足りない人が多いということでしょうか。
4,褒められた事がないから、MAS業務の喜びを知らない
それとMAS業務に力が入らない理由に「実際のMAS業務でほめられたことがない」ということです。
経営計画書も数字だけ書いたもので、金融機関に提出して、可もなく不可もなく融資が決まると、経営者は「経営計画書のおかげ」とは思いません。
しかも顧問先は「経営計画書作成は会計事務所の当たり前の業務」と思っています。
「せっかく通常業務以上の仕事をしたのに、認められない」
そんな忸怩たる思いが、よりMAS業務を遠ざけているかも知れません。
経営者が監査担当者のMAS業務を褒めるには、やはり経営計画書が認められる事です。
誰が認めるか?
それは金融機関です。
金融機関に「この経営計画書は具体的で、分かりやすく、売上利益が達成可能だと感じます」
と思われるかどうか。
これを金融機関から経営者が言われれば、それを指導した会計事務所へ相当な恩義を感じてくれます。
その為には、会計事務所も「経営計画書作成」の在り方を大きく変える必要があります。
金融機関がうなった「根拠ある経営計画書」の肝
https://re-keiei.com/blog/swot/1605-2022-02-01-00-32-55.html
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