ポスコロ早期経営改善計画提案の心理的バリア
SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
経営計画書作成支援を、認定支援機関である会計事務所などに依頼すると、金額の2/3の補助が出る制度(中小企業庁)があります。
早期経営改善計画策定支援事業(通称:ポスコロ事業)
と呼ばれるものです。
詳細は https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/04.html
国の補助制度で、経営計画書の作成支援が受けられるわけですが、なかなか進んでいません。
その一つの理由として会計事務所監査担当者の「心理的バリア」があり、積極的に進められていないのです。
1,会計事務所職員がポスコロを取り組まない理由
考えてみれば、金融機関との関係性をよくしたり、今後の融資をスムーズにする為には、定期的に経営計画書を作成し、金融機関に説明しておくことが大事です。
業績の良い状態が今後も続く企業なら「金融機関を選べる立場」でしょうが、コロナ不況やインフレなどで業績懸念がある企業は、「金融機関から選ばれる立場」です。
だから顧問先の為に説得して「経営支援の伴走者」となるべき会計事務所なら、当然経営計画作成に取り組むべきです。
しかも作成費用に補助金もでるのですから。
ところが、会計事務所監査担当者にも「取り組めない言い分」があるようです。
それは
⑴計画作成自体はできるが、経営者、銀行、支援センターのやり取りが煩雑
⑵調整に慣れていないから時間ばかり掛かる
⑶経営者が計画書のフレームになかなか書いてくれない
⑷会議をしても決まらず時間ばかり空費する
⑸忙しく大変な割には補助額も少なく、割に合わない
⑹別にやらなくても人事評価に影響がない
こんな声を聞きます。
だから会計事務所所長がいかに命令してもできないのです。
2,事務所自体に再現性のあるノウハウがない
これも実際の話。
早期経営改善計画書のフレームは、ある程度決まっています。
しかし、中身をしっかり詰めると「元ネタ」が必要です。
その「元ネタ」の準備資料にどこまで具体的な作戦や内容を聞き出し、記載するか。
単に計画数値とアバウトな対策でお茶を濁す内容では認められないし、モニタリングで困ってしまいます。
事務所でも幹部やベテランクラスなら、ヒアリングしながら何とか作文を作れるでしょうが、一般職員はそうもいかない。
いわゆるパターン化できていないから、誰がやってもある程度同じレベルの仕上がりになる「再現性」ができないのです。
すると、慣れていない職員が早期経営改善計画をやろうものなら、大変な時間も掛かる。
しかもこの手の計画書は時間が掛かれば掛かるほど、内容が希薄になる傾向があります。
依頼を受けたらさっさと片づけないと、補助金をMAXでもらい、1/3を顧問先からもらっても、コスパがとても悪いのです。
再現性のノウハウを先に型決めすることが大事のようです。
3,早期経営改善計画の再現性のあるパターン化
早期経営改善計画の内容は、サンプルがネットで入手できますが、実際にモニタリングをしていく過程で、いい加減なものを作ると逆に信頼感をなくします。
しかも、どの職員が作成してもある程度の品質のものができるようにしなければなりません。
そこでおススメなのが、フレームをしっかり決める事です。
弊社が会計事務所に指導している進め方は
⑴現状の収支結果
⑵返済可能なCFベースの必要売上・必要粗利
⑶差額売上・差額粗利
⑷商材対策のクロスSWOT分析
⑸実抜体系図
⑹中期収支計画
⑺ロードマップ・アクションプラン
です。
特に「クロスSWOT分析」では、何をどう聞けばいいか「設問」「具体的ヒント」まで記載しており、職員が聴きだすだけでなく、先方が意見アイデアを言いやすいフレームにしています(ver5からの新フレーム)
後日、ここも公開したいと思います。
ポスコロ計画書の補助金制度も、あまり使われないようだといつ打ち切りになるか分かりません。
今の内に顧問先と一緒に作成しておくべきかもしれませんね。
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詳しくはこちらから
https://www.re-keiei.com/free/report-009.html
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