MAS監査の限界とKPI監査の有効性
SWOT分析、KPI監査、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
先日、ある会計事務所でMAS監査の中身を精査しました。
その事務所では、一般的な会計事務所が行うMAS監査以上に「アクションプラン監査」に力を入れているので、それだけでも有効性の高いものでした。
MAS監査の基本である経営計画をしっかり作成支援し、行動計画がモニタリングできる仕組みです。
実際の多くの会計事務所では、経営計画と実績の予実チェックまではできるが、この行動計画のモニタリングまではやっていないところが多いのが実態。
しかし、その会計事務所の所長が弊社の「KPI監査」に興味を持ったのは、このMAS監査をよりリアルに追及したいからということでした。
それはどういうことか?
1,従来のMAS監査では商材への踏み込みが弱い
一般的なMAS監査のモニタリング結果の議事録を見ると、どうしても属人的な具体策のモニタリングが多いように思います。
主に人材育成系、組織管理系、システム系、管理ルール系です。
これはこれで重要なのですが、実際の業績改善につながるのは「商品対策」「顧客対策」「価格対策」を中心にした商材対策や戦略です。
しかし、この分野は会計事務所では踏み込まないところが多く、そこにMAS監査の限界があり、継続性や高単価がなかなか確保できない理由でもあるのです。
これを言うと
「それは我々の専門外の事だから下手な介入はしたくない」
「チェックやモニタリングをしても、どんな具体策を言えばいいか分からないから、口を出さない方がいい」
などの返答が来ます。
この背景には
「モニタリング中に、何とか具体策のアイデアや意見を出さないといけないが、そういう知識がないから」
こんな意識が根強くあります。
正直言うと、会計事務所にそんな固有戦略のアイデアなんて誰も求めていません。
そんな事は自社側で経験と知見があるわけだから、そんな固有の提案は会計事務所には無理と思っています。
ただ会計事務所に要求しているのは、そういう社内の具体策を導いてくれるファシリテータ機能です。
2, KPI監査では知識がなくても、商品・顧客・開発・製造・マーケティングまで踏み込んでヒアリング
KPI監査では商材対策に重点を置いています。
KPI監査で行い、KSF(重要成功要因)では、「SWOT分析からのKSFの誘導」と「業績の公式からのKSF」の誘導を行い、その中身の行動プロセスを指標化するKPIと行動プロセスのアクションプランを設定します。
https://re-keiei.com/blog/account/1760-kpi-ksf-kpi-swot.html
大事な事は
●具体的な商品開発又は改良の方向性、試作品、テストマーケティングを決める
●具体的な顧客開拓又はマーケティングの仕掛けを決める
●既存客に少しでもアイテムオンできる商品とその売り方を決める
●商品別の価格転嫁対策や交渉策を決める
●Web販売やインサイドセールスの内容を決める などなど
聞き出す内容はどこまでも具体的なのです。
しかし多くのMAS監査では、そこまでの踏み込みは感じません。
一般的な経営会議で議論しそうな「上層の課題」に終始しているのです。
だからアクションプラン監査をしても堂々巡りの結果が多いのだと思います。
3,KPI監査最大のノウハウは聞き出す技術
ではなぜKPI監査では、会計事務所も商品対策・顧客対策・価格対策・マーケティング対策・開発製造などにまで踏み込んでヒアリングができるのか?
それは「聞き出す質問とヒント力」に重点を置いているからです。
SWOT分析の「強み分析」のヒアリングでも、「機会分析」のヒアリングでも、そしてその掛け合わせの「積極戦略」の誘導でも、全部「具体的なヒントの話法」が入っています。
KPI監査をする会計事務所担当者でも、その質問に沿って行えば、先方が答えてくれる仕組みにしているのです。
ここで大事な事は、KPI監査はプロコンサルタントより、会計事務所監査担当者の方が適性があるということです。
何故なら、プロコンは直ぐに「自分の知見を教えよう」としますが、会計事務所なら門外漢であるため素直に質問をして聞き出す可能性が高いからです。
一番ダメなのは、さして経験も知見もないのに、自分の我流の考えを「アドバイス」する会計事務所です。
KPI監査では、KSFを聞き出す時もKPIを聞き出す時も、そしてそのKPI実現の為の行動プロセスを聞き出し、アクションプランに仕立てる時も、「なぜなぜ深堀質問と5W2H質問」を徹底します。
だから先方が自ら答えを出していくのです。
まあ、理論的にはそうなんですが、実際のその質問の力量を高めたいなら、ロープレなどの模擬訓練は欠かせません。
国内由一のSWOT分析の質問力を高める「zoomでのSWOT分析ロープレ」はこちら
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今後ますますKPI監査の有効性は高まっていきます。
そこで、2023年1月21日に開催された「KPI監査セミナー」のオンライン講義の販売を開始しました。
それを聞くと、KPI監査の理解が進むでしょう。
https://store.re-keiei.com/pages/kpi-online
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