2025.10.5 京都大学大学院EMBAでも生成AIコンサルティングを指導
私が講師の一角に参加しだして、今年で4目を迎えた「京都大学経営管理大学院EMBA(上級経営会計専門家)」での講義、実習を2日間実施してきました。
受講生はほぼ税理士、公認会計士、またコンサル、監査担当職員でした。
過去3年のプログラムでも私の担当は「クロスSWOT分析、KPI監査」でした。
今年も同じプログラムなのですが、一番の違いは「生成AI」を使ったSWOT分析、中期計画、KPI経営をアウトプットする事です。
時代は生成AIをどう使いこなすかが、今後の経営支援に相当な影響を与えます。
では、実際にどういうプログラムで、どう展開したのか?
1,メインの藤野教授が「戦略と会計」を講義
日大経済学部教授の藤野先生から基礎講義が最初のありました。
これは「戦略とは何か?」「ポジショングとは?」「大手百貨店やパソコンのケース事例」そして、BSC(バランススコアカード)についてです。
このBSCでは「シンプルBSC」という概念を話されました。
元々BSCが難しいので、藤野先生やシンプルBSCの概念の生みの親である、青森の若山先生(税理士)、そして私もSWOT、KPI監査を担当した共著「SWOT分析&BSC を活用したKPI監査の実務と実例」で出版。
2, SWOT分析、KPI監査の基礎理論を講義
クロスSWOT分析、KPI監査の基本的な考え方や一部実例を私から講義しました。
私がSWOT分析に特化したノウハウを構築した理由は、実はBSCが難しかったからという何とも自己矛盾が理由です(笑)
そして、BSC理論をクロスSWOT分析の「積極戦略」に展開する事で、戦略マップもKPI設定も一気通貫でできるように理論展開したのが、「RE経営のクロスSWOT分析」です。
「強み分析」「機会分析」「積極戦略」のヒアリングポイントや深堀質問のコツ等を解説しました。
そして、今回から活用する生成AIのチェーンプロンプトの基礎理論や公式、どういうアウトプットになるかをパワーポイントで説明しました。
3,ロープレは「SWOT分析、中期ビジョンチェーンプロンプト」を実践
講義のあとは初日も2日目もロープレ三昧です。
前回、前々回までは「クロスSWOT分析シート(Excel)」を社長役に見せながら、経営会計専門家役がヒアリングしながら入力し、社長役に思いを聞き出すことに重点が置かれました。
だから人によって中身の濃淡も深堀のレベルの違いもあったのです。
ところが今回は「生成AIでクロスSWOT分析のチェーンプロンプト」を使って、ヒアリングしながらの入力です。
何が違うかというと、ヒアリングの内容が薄くても、生成AIがそれなりの「強み分析」「機会分析」「積極戦略」をサポートしてくれることです。
生成AIを使う理由は、好むと好まざるにかかわらず、経営支援に生成AIを使い、素案づくりを迅速化したいのと、属人化にならず、誰でも経営支援ができるレベルにしたいからです。
さすが、2日間のロープレだけでは、SWOT分析もプロンプトも一気に習得する事は難しい。
しかし、修得したチェーンプロンプトデータを基に、受講生が実際の顧問先に何社か取り組みと、イメージがわいてきます。
このロープレでは、事前に指定された企業のプロファイルに沿って、各分析を社長役とヒアリング役が交互に取り組み、1セッションが終わるたびに、そのグループについたメンター(EMBA卒業生)が振り返りのフィードバックをします。
4,チェーンプロンプトでKPI設定
クロスSWOT分析→中期経営計画→KPI設定までのチェーンプロンプトを体験してもらいました。
ヒアリングしながらWordのチェーンプロンプトに文字入力、文字入力された後のプロンプトをコピペして、ChatGPT(有料版)に経営会計専門家役が貼り付け、生成します。
この私が開発したチェーンプロンプトに求める内容の設計図(ノーコード)の言葉が組み込まれているので、各段階で表形式のアウトプットが生成されます。
プロンプトの構造や生成AIが判断しやすいマーキングや書き方のポイントも説明しましたが、受講生はチェーンプロンプトに入れる事で精一杯だったようです。
このEMBAの4回目の目的は「経営戦略を立てる」と言う課題の中で、SWOT分析とヒアリング、コーチングを体感する事です。
だからあまり細かい生成AIテクニックは公開しませんが、いずれ自ら生成AI用のチェーンプロンプトを設計できるようになると、経営支援のレベルはすごい事になるでしょう。
5,生成AIを使った経営支援での留意点
今回は生成AIを使い、SWOT分析を行い、しかもコーチング技術を意識しながらという「3つの負荷」を同時に経験するとても大変なセッションでした。
これはメイン企画者である京都大学教授の澤邉先生からも「3つの同時負荷」の大変さを慰労されていました。
生成AIを使えば、いとも簡単に経営戦略アイデアが出てきます。
今までのロープレで経験した「言葉の生みの苦しみ」がないわけです。
だからAIのアウトプットだけでは、経営者側に熱量が生まれません。
そこで、生成された内容を経営者とその可否や内容をコーチングしながら、腹落ちさせる作業が必要です。
という事は、生成AIが素案やアイデアは出しますが、最終的には人間同士のコミュニケーションスキル次第で、生成AI結果の是非が変わるという事です。
このことはこのセッションの間も何回も伝えたし、受講生も理解できたのではないかと思います。
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