嶋田利広ブログ

SWOT分析コンサルタント

一般的な生成AI依存の経営計画書にはない「使える生成AI活用の経営計画書」の中身

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一般的な生成AI依存の経営計画書にはない使える生成AI活用の経営計画書の中身.jpg

生成AIで経営計画書がどこまでできるか研究をしています。

巷では既に「事業計画書プロンプト」が出回っていますから、それでも十分だという方はそれでも良いでしょう。

事業計画書に必要な要素を目次にして、各目次に詳細な指示文を出す一般的なプロンプトでもある程度の事業計画書は出てきます。

しかし、多くの方はなんか一般的で自社固有の経営計画書ではないのかな?」と疑問を持たれているのでは?

私もいろいろなプロンプトを試していますが、なかなかクライアント固有の中身にはならないのです。

ではどういうプロンプトの考え方で「根拠ある経営計画書」が自社固有のカタチに仕上がるのか、考えて見ましょう。

1,多くのプロンプトは事業計画の一般的な概念を生成するだけのもの

経営計画書プロンプトを検索するといろいろなプロンプトが出てきます。

その内のいくつかを試してChatGTPやGoogleGeminiで試しましたが、「まあ普通の一般的な経営計画書の要素」が出るだけでした。

当然、ある企業の固有情報も入れたのですが、「具体的な根拠ある経営計画書」と言うには遠く及ばないものばかりです。

当たり前と言えば当たり前なのですが、いくらヒントだけでもいいとは言え「生成AIで何でもできる」と思わない方がいいですね。

経営計画書作成のプロンプトはあくまでも一般的なものなのです。どこまでも詳しくプロンプトを書いても生成される経営計画書は一般的な表記です。

ただ初めて事業計画をつくる経営者は、経営計画書の中身の表現やカテゴリーを知る為には、活用しても良いでしょう。

 

2,自社固有の経営計画を生成するには、商材戦略の中身と収支への影響が大事

自社固有の経営計画とは、商材戦略をベースに収支への影響まで生成AIに考えさせ、それを人間の判断で取捨選択や調整をすることです。

どんな商材をどう開発し、それを販売するかを先に決めないといけません。そこで使い勝手が良いのがやはり「クロスSWOT分析」です。

そこで第1段階は「商材を発掘する為の生成AI」です。

⑴自社の「強み経営資源」を具体的に列挙する

⑵「強み経営資源」が活かせる 狙うべきニッチニーズ・ニッチ市場の「機会」を生成AIに聞き出す

⑶ニッチニーズ・ニッチ市場の「機会分析」と「強み経営資源」を掛け合わせて「積極戦略=KSF(重要成功要因)」を複数聞き出す

⑷「弱み分析」をする

⑸弱み分析の結果、複数の「積極戦略」から優先順位を決める

ここで「商材戦略」がいくつか決定します。

第2段階は、「商材を開発販売する為の生成AI」です。

具体的には、「A商品を開発し、販売する為の計画書」とします。

⑴A商品の特徴を書く(どういう材料でどういう工程で、どういう部品の組合せでどんな構造か等)

⑵A商品の開発に掛かる原価・経費科目を生成AIに聞く

⑶A商品を直販で売るターゲットは誰で、単価はいくら位が妥当か聞く

⑷A商品を代理店経由で売る場合、代理店はどこで卸価格はいくら位が妥当か聞く

⑸A商品の販売を年間○○個販売するには掛かる販管費には何があるか、各販管費科目をどれくらい見ておけばいいか聞く

⑹それを表形式で出すように指示する

こうやって、一つ一つの商材を具体的に掘り下げないと思うような「根拠ある経営計画書」には」ならないですね。

結局商材中心にいくなら「クロスSWOT分析」が早道だということが改めて分かりました。

 

3,来期の経営計画を生成するなら、前年の良かった事と前年の課題から創出

商材戦略を出す為にはクロスSWOT分析から行うことが多いですが、会社全体を見て来期に向けた経営具体策をもっと簡単に捻出させる生成AI活用だと、もう少し違う視点が必要です。

「前年の良かった事」「前年の課題」から来期の経営具体策を生成AIを使って捻出する方法です。

「前年の良かった事」や「前年の課題」を生成AIに教えてと言ってもさすがに難しいでしょう。生成AIはその企業の事を知らないので。

そこはヒアリングしながら文字化していきます。

今会計事務所の監査担当者向けの生成AI活用で指導しているのは、下記のフレームです。このフレームから生成AIを使うことで監査担当者もMASがしやすくなったと好評です。

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前期の「良かった事」を既存客、新規客、商品、原価面、マーケティング販促面、社内人材面、資金面に分けてヒアリングします。

そして聞くポイント(ヒントの聴き方)に沿って「何があった」「何故そうなった」「更にそうなった社内の要因」そして「来期にそれをもっと伸ばす拡大する為に行動」とヒアリングしながら枠を埋めていきます。

一番右の「それをもっと伸ばす拡大する為にどんな行動」の箇所をしっかりと全カテゴリーで書くことです。

それが来期のポジティブ対策として後から影響します。

次に前期の課題と反省です。

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これもカテゴリーは「良かった事」と同じですが聞くポイントが少し異なります。

「良かった事」と同じ様に、右にヒアリングして書き込んでいきます。

一番右の「再発防止や改善策としてどんな行動」が来期のネガティブ対策になります。

ここで「良かった事」の「それをもっと伸ばす拡大する為にどんな行動」と、「課題」に「再発防止や改善策としてどんな行動」整理し、生成AIに「こういう状況の時来期はどういう経営具体策があるか、あるカテゴリー別に出して」とプロンプトにします。

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すると生成AIはそれなりの経営具体策を出してきます。

出てきた各経営具体策に対して「その売上効果」「粗利率」「掛かる経費」などを再度生成AIに聞くことで、収支への影響が分かります。

当然まだまだ嘘っぱちの結果ですから鵜吞みにせず調整が必要です。

そして各経営具体策の行動プロセスまで生成AIに聞けば、それなりの行動要素を出してくれるし、その行動要素を「KPIにして」と言えば、KPIにしてくれます。

 

生成AIの癖を理解し、こういう流れから経営計画書を作成すると、自社固有の経営計画書にたどり着くようです。

 

 

 

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