経営承継の可視化で必要な「会社の歴史」

いったいどれ位の中小零細企業に「会社の沿革」や「歴史」が文書として残っているのだろうか?経営承継の「可視化」を進める時、後継者の教育にもつながる「現経営者が行ってきた経営判断基準」を文書化します。これは、現経営者の体験・経験で、得た教訓や知識をいろいろな角度で文書化し、「独自の活きた経営マニュアル」にする作業です。

そこで、経営者にいろいろな質問をするのですが、「過去にどんな経営の体験をしたのか、忘れられない出来事、困った出来事、うれしかった事など」を聞きだします。そんな時、役立つのが「会社の歴史」を聞きだすことです。会社の歴史は、そのまま経営者の人生です。その歴史を知る事で、その時々の出来事を思い出すし、後継者にも「ほー、親父は若い頃、そんな厳しい時代があったんだ」と感じる事も出来ます。では、「会社の歴史」の明文化はどうやって進めるのでしょうか?

1、創業時からの出来事(商品、顧客、組織)を聞きだす

創業時の顧客、取り扱い商品、その時の社員などを聴くことで、そこでの教訓がどんどん出てきます。特に創業時は「カネなし、人なし、信用なし」の状況で、徒手空拳で毎日をしのいできたはずです。そんな時の価値観は、その後の人生に大きな影響を及ぼします。

2、後継者も一緒に議論に参加

この「会社の歴史の明文化」には、必ず後継者も一緒に参加させて欲しいですね。歴史を知る事は、経営を学ぶ上で最上位に来る科目かもしれません。ある程度出来上がった状態の会社を受け継ぐ後継者だからこそ、そこまでになった紆余曲折を知らせる必要があります。

3、年度別の売上と社員数、その時の出来事を聴きながら文書化

私の経験では、経営者は売上と社員数、大きな買い物(設備投資や商品導入、慰安旅行等)を覚えています。また、その年度話を聞くうちに、言いたくはない「黒歴史」も思い出されます。その「黒歴史」も、後継者への学びの対象です。分かる資料類(過去の決算書、社員台帳、その他の資料類)を用意してもらい、それを見ながら議論します。事前にこちらでExcelでフォームを作り、それをモニターで見せながら、書き込んで生きます。

4、「会社の歴史」を共有する事で、絶対的な信頼感になる

これも私の経験ですが、「過去の歴史」を経営者や後継者と一緒に議論すると、ほとんど長期の経営顧問になっています。経営者が歴史を話すという事は、コンサルタントや会計事務所職員に対して絶大な信頼感が芽生えることを意味します。だから、経営承継時期に関係なく整理される事を提案すると、相手は喜ぶことでしょう。

多くの中小零細企業では、「社史」になるような文書が残っていません。ほとんどが経営者の頭に中にあるのです。だから、それを「文字」とすて引き出してあげましょう。

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