職員が愛想をつかし、辞めたくなる賃金・人事評価システム

「今度の昇給で納得いかなかったら、辞めよう」これは、ある介護施設で働く職員が放った本音です。介護施設だから、低賃金は仕方ないと覚悟の上の人もいます。

しかし、この職員の言葉を借りれば、

「何故、あの人と私の昇給が同じなの?」

「私がどう評価されているのかな?全然教えてくれないけど」

「毎年3000円程度の昇給では、将来、子供の学費も出せない」

「介護の仕事は好きだけど、この施設ではこれ以上働きたくない」

これって、介護業界の話ではなく、その施設の組織上の問題です。介護の現場では、人手不足の悪循環が続いています。誰かが辞めれば、その負担が他の職員に来て、更にその職員も辞める。仮に新人を入れても、最初は戦力にならず、逆に足手まといになる。かと言って、理事長や施設長、管理者からは「ただ、今は頑張れ」と具体策のない、空しい声かけだけ。そんな状況なのに、評価の公平性は、賃金制度の不明瞭さが、職員に退職の引き金(トリガー)になっているのです。

これを言うと、

「職員が辞めるのは重労働と低賃金が原因だよ。」と業界の問題にして、組織の問題にしたくない経営者もいるようですが、それは『逃げ』です。これは、組織を束ねる経営者の問題です。介護施設と言っても、皆が皆、人が次々辞めて大変な状況になっているのではありません。確かにどこも厳しいですが、退職率の低いところは結構あります。しかし、職員が次々辞める病院や施設には、組織の問題が多いのです。その最たるものが、評価制度と賃金システムです。評価制度が原因で組織に愛想をつかすのは

  1. 不公平感
  2. 努力を見ていない。またその努力が評価項目に入っていない
  3. 管理者のエコヒイキ
  4. 評価結果のフィードバックがない
  5. 減点評価ばかりで、加点評価がない

などです。

賃金システムが原因で組織に愛想をつかすのは、

  1. 仕事をしていない連中も一律昇給
  2. 役職者になると役職手当の割に責任が重すぎる
  3. 低昇給で将来の生活設計が立たない
  4. 子育て期間の時に給与が低い

これらは、組織の長の思い一つで、少しずつ改善が可能な要素です。でも、具体的に着手しないのは、何故でしょう?方法論が分からず、外部のコンサルタントに依頼すると費用も高額なので、何もできない状態を無為に続けているのでしょう。

職員に魅力的な賃金制度にしたうえで、中身のマネジメントに傾注する、それが離職防止につながると思います。賃金・人事評価システムに目を伏せて、いろいろな施策を打っても、なかなか効果がでないかも知れません。

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