「サラリーマンに戻るしかない」と諦めかけた脱サラコンサルタントのどんでん返しの一手
SWOT分析、KPI監査、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。
「このままでは、サラリーマンに逆戻りするしかありません。
これはある脱サラでコンサルタント起業をした3年目に、漏らした一言。
彼は大企業の子会社で経理経験があり、その在職中に中小企業診断士を取得。
年齢も45歳を超え、このまま今の会社にいても、自分らしさを見出せないとして「財務コンサルタント」として独立を決意。
奥さんにも了解を得て、徒手空拳でこの2年半頑張ってきました。
しかし、奥さんからついにこう切り出されました。
「パパの夢を応援したいけど、家計が厳しいの。貯蓄も切り崩しだしたし、子供の学費もキープしたい。私のパートの給与でも補填できない。もう一度勤め人に戻ってほしい」
と。
本人もいつか言われのではと、予想していた言葉が出たようです。
彼はサラリーマン時代、年収700万円超あり地方ではそれなりの給与でした。
しかし、コンサルタントに転身してから、収入が500万円未満で、しかも勉強の為のセミナーや教材費、移動交通費などがかさみ、徐々に家計が逼迫していきました。
それでも彼は、いろいろな伝手を頼り人脈開拓やミニセミナーなどをしていましたが、コンサル売上が大きく上がる事はありません。
せいぜい単発の支援で食いつなぐのが精一杯でした。
1,迷走する自己分析
診断士の資格はあるとはいえ、サラリーマン時代には外部で受注活動をしたことありません。
せいぜい、同じ診断士仲間との情報交換で疑似体験をする程度でした。
脱サラ後、コンサルタント養成講座や研修、オンライン教材などいろいろなノウハウ収集におカネを使いました。
また人脈づくりでは、いろいろな組織に加盟し、会合やパーティにも積極的に参加しました。
しかし、
●どのノウハウを習得すべきか?
●どういう営業活動やマーケティングに取り組むべきか?
●診断士としての基礎知識だけでいけるのか?
●小さな仕事のスポットや零細企業の低価格顧問依頼はあるが、ある一定以上の顧問料が取れない
開業後、悩みは増えるばかり。
取り敢えず、中小企業診断士仲間からの情報交換をするが、そこで聞く言葉は
●商工会、協会経由の仕事だけに甘んじている先輩
●偉そうに講釈を言うが、収入を教えてくれるレベルではない先輩
●参考になる先輩の話が聞けない
そこでいろいろな自己分析ツールを使って、自身のPR箇所やUSP(独自のウリ)を探していきましたが、なかなか腑に落ちる結果にならず。
まさに迷走している開業1年目でした。
2,オンライン講座で学んだ事通りに出来ないいらだち
いろいろなオンライン講座や、そこそこ費用の高い研修にも参加しました。
しかし、勉強した時は「なるほど、これは参考になった。これならいける」と気持ちが前向きになるのですが、数日経つとまた元の木阿弥。
こういう体験が何回も続き、そのうちノウハウコレクターばかりになり、勉強する事、おカネを使う事は積極的だが、肝心要の「見込み客との接点開発」や「顧問先開拓」にはつながりません。
この頃は開業後1年半も過ぎて、相当焦りが出てきていた時期です。
「あの頃、いくら勉強しても成果が出ず、焦りといらいらが増え、家族とのコミュニケーションがうまくいってなかったようです。特に年頃の中三の娘は思春期もあったでしょうが、私のいら立ちに嫌気をさしたのか、話をしないようになりました。」
焦りともがきは更に続きます。
いろいろなコンサルタント養成のオンライン講座を聞くと、
やれブログ、メルマガだ
やれfacebookだ、インスタ、Twitterだ
やれ電子書籍だ
やれセミナーだ
どの講座も言われることは同じで、少しでも取り組もうとブログ、メルマガも開設、facebookも開設しましたが、なかなか良いコンテンツが書けず、継続しません。
思うようにいかない事が続くと、益々イライラします。
この頃になると、奥さんが家計の事でチクチク言ってきたので、それもイライラをどんどん増長させたようです。
しかし、収入が少ないのは事実なので、言い返すことができず、ただひたすら我慢の連続でした。
3,事業再構築補助金で活路
事業再構築補助金が始まった事で、認定支援機関に登録している事から、ここで活路を拓こうとしました。
これは同じ中小企業診断士仲間のアドバイスで、これなら紹介も出るし、営業がしやすいからと。
しかし、公募要領に書き方のガイドはあるが、何をどんなフレームでどう書けば良いのか?
参考になるものがない中、第1次、第2次の申請はどの認定支援機関も暗中模索でした。
そんな時2021年6月に発売されたばかりの拙著「事業再構築 クロスSWOT分析で創り出す戦略立案&事業計画作成マニュアル」を購入し、「事業計画書テンプレ」をダウンロードし、それからYouTubeでいろいろな事業再構築 事業計画書関連ノウハウの動画を何回も視聴したそうです。
実際に弊社が無料ダウンロードで提供した「事業再構築事業計画書フレームと書き方マニュアル」(Excel)は、13000もダウンロードされたので、彼もそのうちの一人だったのです。
このフレームを使い、知り合いから紹介のあった事業再構築案件を数件取り組み、2件の採択がされました。
この時、「根拠ある事業計画書」の必要性や企業向けのノウハウに興味を持ったようです。
これをきっかけに、彼はもっとコンサルティングノウハウや事務所経営ノウハウを学ぶ為に「RE嶋田塾」へ入会しました。
https://store.re-keiei.com/pages/re-shimada-course
特に彼が「RE嶋田塾」で学ぼうと思ったことは、コンサルティングノウハウも大事でしたが、この塾の第2部で講義する「コンサル事務所経営ノウハウ」でした。
多くのコンサルタント養成講座はコンサルティングノウハウばかりですが、「RE嶋田塾」では同じくらい「コンサル事務所経営ノウハウ」を大事しています。
マーケティングやコンサル事務所の収支計画、ノウハウ開発方法、テンプレ化、コンテンツづくり、非コンサルティング商品の開発等、実際の「1人コンサル事務所の経営」が分かる内容だと痛感したようです。
4, 自分の「強み」とビジョンが分かった瞬間
「RE嶋田塾」に入会して数か月経った時、この方から「個別zoom面談」の要望がありました。
毎月「RE嶋田塾」での画面上で面識はあるのですが、個別に直接話す事はありませんでした。
そこで、サラリーマン時代の仕事、脱サラ後の実情、事業再構築補助金コンサル、現在の課題についていろいろ聞き出しながらコーチングをしました。
そして、そこで彼に「パーソナルSWOT分析」をしたのです。
個人の「強み」「経験」「持っている小さなノウハウ」を整理し、そのノウハウが活かせそうな課題分野や企業ニーズを具体的に「機会」に整理しました。
そしてその掛け合わせである「パーソナル積極戦略」をこの方固有の具体策を整理しました。
そこで分かったことは、この方の「強み」が営業活動やブランディング、露出に全然反映されていない事でした。
「パーソナル積極戦略」では具体的なUSP(独自のウリ)を文字化した事で、本人も納得されたようです。
そして、その勢いで今後の「セミナータイトルのキャッチコピー」「メルマガfacebookのコンテンツ名と目次」を一気に私がヒアリングしながら文字化していきました。
また商工会議所冊子に挟む「無料セミナーパンフ」のキャッチコピーや内容等、今後のマーケティングに必要な事をいろいろ文字化しました。
そして、取り敢えず顧問先を獲得する為、これまで事業再構築補助金で触れ合った企業で採択不採択に関わらず、経理経験から「経理スタッフが辞めても困らないIT化・アウトソーシング化」と「金融機関向けの融資用経営計画書」を提案し、3か月スポット契約から6か月、1年契約にする方法を具体的に教えました。
しかも補助金で触れ合った企業別に。
ほぼ半日の時間を使い、この方の「強み」と「ビジョン」「アクションプラン」が明確になったのです。
彼は今まで悶々として稼げない事より、未来が見いだせない事に焦りとイライラが最高潮になっていました。
事業再構築補助金で多くの経営者と接点を持ちましたが、その案件だけで次の展開までつながりません。
しかし、私からのアドバイスや「強み分析」で、そういう接点があった企業に「何をどう提案するか」イメージができたようでした。
5,大どんでん返しの営業作戦
彼は、私との面談後即行動に出ました。
先ず商工会議所の月刊誌に挟むセミナーパンフを申込み、2か月後に無料セミナーを開催。
タイトルは
「経理スタッフがいつ退職しても困らない、経営者が使うITとアウトソーシング具体策」
そして、ほぼ同時に同名の電子書籍を作成しました。
この電子書籍を冊子化し、事業再構築補助金で接点のあった零細企業や紹介をくれた士業事務所に配布。
特に知り合いの会計事務所では無料勉強会をした後、監査担当者からも
「顧問先の経理スタッフがいつも辞めるから、毎回教育が大変」とか
「経理を奥さんがしていて、いつも遅れる顧問先がいる」
などのテーマを聞き出し、同行訪問の予約も取りました。
こうやって得意技である「経理部門の離職対策、経理スタッフがいなくても大丈夫」というUSPを立てて、PRや顧客紹介を貰うようにしました。
すると、当初月額5万円の指導先が数件になり、少し規模のある顧問先では10万円の顧問料も取れるようになりました。
「中小企業診断士を取得しても自然と仕事がくる事はない」
これは多くの診断士が異口同音言われる事です。
やはり独自の取り組みを継続して行う事で初めて、ブランディングになり、コンサル収入増につながるわけです。
彼はその後も私がメンターとして、進捗状況の確認やアクションプランのチェック、新たな具体策を毎月モニタリングしています。
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