嶋田利広ブログ

コンサルタント事務所経営

コンサルタント会社倒産が増えている。その本質とは?

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先日、TSRやヤフーニュースの記事で

「経営のプロ」コンサルの倒産が過去最多 顧客ニーズの高度化と求められる専門性、淘汰が加速

 

と言うものがありました。

読んでいくと、当然の事が書かれています。

日経ビジネスでも広告を出すような大阪のコンサルタント会社が倒産した記事もありました。

業容拡大に伴う人件費負担増が重荷になったとか。

これを一般の方が読んで「ヒトの会社を指導するコンサルタントが倒産なんて、恥ずかしい限り」とあざ笑うのでしょう。

しかし、コンサルタント会社も一民間企業です。

たまたま取り扱う商品が「経営支援稼業」なだけです。

この記事がすべてではありませんが、これから経営コンサルタント業界は相当な逆風が吹くことが予想されます。

 そこで私の40年間のコンサルタント人生の中で「潰れやすいコンサルタントやコンサルティング事務所」の特性を9つに整理しました。

 

1,固定費の高い事務所は潰れやすい

1人事務所なら相当なへまをしない限り倒産破産はないでしょう。

しかし人件費負担感がきつくなり出すのは、社員が5名以上になると途端に固定費負担が大きくなります。

それでも安定収入があるなら多少の固定費負担はペイできますが、プロジェクトものや補助金もの等「一時金コンサルティング」が多いとなかなか厳しいものです。

私も独立する前にいたコンサルティングファームでも固定費負担が経営を圧迫しておかしくなった経験があります。

固定費負担と言うより、安定収益がない状態で、時の勢いや一過性の流れに乗って拡大していくことが、取り返しのつかない状況に追い込まれるのです。

 

2,コンサルティングパック商品がない事務所は潰れやすい

コンサルタントがどんなに優秀でも、一人が持てる件数には限度があり、一人で3000万円以上/年を維持する上位のコンサルタントはそうそういません。

またプロジェクトものや顧問件数も何十件も持てる筈がなく、どんなに優秀でもせいぜい10数件で、顧問収入も200万円/月と言ったところでしょう。

これでも身動きが取れないほど多忙になります。

そこで労働集約のコンサルティングだけでなく、コンサルティングパック商品を持つ事で、非コンサルティング売上を上げる事が常道されているのです。

売上補完の商品があれば、コンサルティング時間以外で売上が上がってくれます。

パック商品は教材だったり、ソフトだったり、オンラインだったり、様々です。

パック商品が全くないコンサルタント事務所で、社員が複数いる事務所はまあまあ危険だと言わざる得ません。

 

3,優秀なスタッフに依存している事務所は潰れやすい

コンサルタント事務所に社長以上に優秀なコンサルタントがいて、生産性の多くを握っているとしたら、その事務所は長く続きません。

結局事務所の盛衰を社長・所長ではなく、部下や他人が握っている訳で、報酬や権限と自分の生産性に疑問を持ち始めるとその内必ずトラブルになり、離脱する確率は70%以上です。

 

4,1社依存の事務所は潰れやすい

これもコンサルタント「あるある」です。

1社のコンサル収入が多くて、時間拘束が多く、他の営業や開拓ができていない場合、その1社からいずれ解約の時が来ます。

コンサルタントは常にリスク分散を意識しんなに比重が高いクライアントでも売上の30%以内にするのが鉄則。

だから、クライアントから「報酬は増やすから、あれもしてくれ、これもしてくれ」と言われても、ほどほどにセーブするのがポイントです。

 

5,コンサルに独自性のない事務所は潰れやすい

「あなたはコンサルタントとして、他にコンサルタントより何が具体的に強いのか」

この質問に普通名詞ではなく「固有名詞」で答えられるか、です。

すなわちUSPがあるかがカギになります。

「○○の○○と言えば、あの先生だよね」

と言われるくらいUSPを磨いてないと、やはり差別化は難しいと言えます。

 

6,固定収入比率の小さい事務所は潰れやすい

私は、コンサルファーム時代15年間、独立して25年間、一人で年間平均3000万円位の固定収入をキープしてきたことが長年、コンサルタントができた理由だと思っています。

そして固定収入=経営顧問以外にプロジェクトや研修、オンライン売上がそれに追加され今の当社があります。

私は何より固定収入を大事にしています。

そしてKPI目標として常に「固定費を固定収入で稼ぐ」意識していますが、ここ数年は売上規模が5000万円前後になり、なかなか実現できていません。

私のような経営顧問を10数社もって現場コンサルティングをし、オンライン研修、出版、講演、検定などをしていると、この当たりが上限に近いですね。

自身が担当として経営顧問を維持するスタンスなので仕方ないと割り切っています。

「億越え」の方もいますが、そういう方は「飛び道具」を上手に使い、「1対多数」「オンライ売上」が多いコンサルたちです。

しかし売上規模が2000万円以内のコンサルタントはこの法則を守った方が「安定経営」ができるでしょう。

 

7,本業と関係ないブローカービジネスに手を出すと潰れやすい

コンサル売上が少ないからと、その補填の為に本業とのシナジーがない紹介業や代理店業で収益を上げようとするコンサルタントが後を絶ちません。

間違いなく、こういうヒトは潰れるか、潰れないまでもコンサルタントとしてブランディングはできません。

私はそういうコンサルもどきをたくさん見てきました。

20年以上このコンサル業界で第一線で活躍していて、それなりの生産性を上げている方は、ほとんどブローカービジネスをしていません。

 

8.借入金過多だと潰れやすい

コンサル事務所は大きな設備投資が必要ない業界だと言われます。

しかしノウハウの購入や高額研修を受ける時、自身のキャッシュフローだけでは間に合わないこともあります。

特に駆け出しなら創業融資もあるでしょうし、自分の個人的な資金需要から借入も必要かもしれません。

また借入をすることで、経営者の気持ちが少しわかることも事実。

ところが借入依存が続き、売上借入金比率が30%を超えると危険信号になります。

粗利が高いとは言え、固定費以外にも元利返済が資金流出になり、相当な売上のノルマを自身に課さないといけません。

すると焦りが出てしまい、上手い投資話に乗ったり、ガツガツ受注の刈り込みをしたり、人相まで変わってきます

倒産する社長と同じ状態に追い込まれるのです。

だから年間コンサル収入が1500万円なら借入は500万円以内等自分の基準を決めます。

それ以上の借入があり毎月返済しているなら、時間が掛かっても固定収入比率を高めたり、USPを磨いて生産性を上げることです。

 

9,自己投資・設備投資をしない事務所は潰れる

最後は自分のスキルアップやノウハウ習得の為に自己投資やIT関連投資をしないコンサルも長続きしないということを上げましょう。

時代は刻一刻と変わります。

コンサルタントの提供できるサービスやノウハウは陳腐化していきます。

常に新しいノウハウや技術をカネを払って学習しないと「ネタ切れ」を起こします。

特に経営顧問稼業の比率を上げたいなら、いろいろな幅広い見識が必要です。

「YouTube見て勉強している」と言う人もいますが、本気で学習する方はYouTubeだけで勉強した気にはなりません。

おカネを出して研修を受けるから本気になり、習得意欲が沸くのです。

無料の勉強は所詮無料の範囲です。

私も「ベーシックコンサル」→「医療福祉コンサル」→「SWOT分析」→「事業承継見える化」→「KPI監査」→「採用サイトコンサル」→「経営理念浸透型人事評価」→「生成AIコンサル」等

常に「コンサルティグの幅」拡げるべく投資をしてきました。

設備投資で失敗したことも多々ありますが、それも全部学習。

 

2025年も始まったばかりですが、コンサルタントは廃業しやすいという危機感をもって、これら9つを大事にして欲しいですね。

無論、「0」段階として「正しい価値観、理念を持っている事」が一番大事なのは言うまでもありません。

 

 

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