嶋田利広ブログ

会計事務所の職員教育

会計事務所の所長以外の監査担当者がMAS業務で売上を上げる方法

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

 会計事務所の所長以外の監査担当者がMAS業務で売上を上げる方法.jpg

先日、京都大学上級経営会計専門家(EMBA)プログラムにて、税理士・弁護士向けに「会計事務所の付加価値戦略」について、これからの「MAS業務」について講義をしてきました。

その時、オブザーバーで参加している既知の税理士と会話しているとき、

「MAS業務も事務所の付加価値や差別化の一環で取り組むところと、収益を求める事務所が同じプログラムでは無理がありますね。できれば収益化できるMAS専業のパッケージがあればいいのですが・・・」

と。

これまでの一般の会計事務所のMAS業務は、ほとんど本業の付加価値化、差別化が目的でした。

しかし、その先生曰く

「MAS業務のほうが稼げると分からなければ、多くの監査担当者は通用の監査業務から離れない。どうしたら専業で、例えば年間1200万円以上の生産性があげられるか?これがあればMASに本格参入する事務所が増えますよね」

と。

実際に私が指導している会計事務所でも「MAS専業で1人当1200万円以上稼いでいるコンサルティング部門」は少ないのが実情

なぜなら、その一人は、監査担当者から外れ、MAS部門の経営者になり、何回もロープレや現場体感、ツール提供をしてきたからです。

他の会計事務所ではそういう徹底したところがないのが実態です。

1,多くの事務所は所長一人がMASで稼ぐだけ

MAS業務や経営支援、コンサルティング業務を行っている会計事務所は結構多いものです。

しかし、その多くは

●所長一人しかできない

●高単価有料の顧問先は少ない

●税務顧問料に少しくらい追加料金をもらっても割に合わない

●所長自身もMAS業務のカタチが決まってなく、部下へ教育しようにも再現性がない

などの問題を抱えています。

MAS業務もどちらかというと、所長のキャラクターに依存している感じです。

しかし、それでは多くの所長がわかっている通り、MAS業務で生産性を上げ続けることはできません。

ビジネスの基本である「再現性」をどうやって構築するかが課題になっているのです。

所長以外でもMAS部門の生産性を上げられることが大事なのです。

 

2,多くのMAS業務は属人的で個人差が出やすい

我々が会計事務所と進めている「SWOT分析」「根拠ある経営計画書」「KPI監査」「経営承継の可視化支援」にしても、理論や事例はほぼ型決めされていますが、まだまだ属人的で、誰がしても同じ結果になることはありません。

個人の技能差、知識差、経験差がどうしても出てしまいます。

一番出やすい個人差は実は「ヒアリング力」「ヒント力」「文字落とし込み力」です。

この実務力の差が分水嶺であることを、多くの税理士さんは分かっていないのです。

多くの税理士さんが「自分がMAS業務をしている」と思っていても、それは「自分の知識・経験などの主観に基づく指導や我流でのツール活用」がかなり多いのです。

これは事実。

だから、他の監査担当者での再現性が難しいのです。

しかし、この「ヒアリング力」「ヒント力」「文字落とし込み力」の徹底教育を受ければ、個人差は縮まりますが、これこそ会計事務所職員が苦手な分野でもあるわけです。

 

3,個人差が出ず、別途顧問料が取れるMAS業務⑴「文書化代行サービス」

では実際に個人差があまり出ず別途料金が取れるMAS業務とはどんなものでしょうか?

私はその一つが「文書化代行サービスMAS業務」であると考えます。

簡単に言うと、経営課題改善のために必要な各種の文書を「ヒアリングしながらExcel、Wordでその場で素案を作成する」ことです。

SWOT分析や経営改善計画書などの「コンサルティング業務」ではなく、必要な「見える化」項目を経営者・幹部から言葉を聞き出し、そのまま「文字化」するサービスです。

「文書化代行サービス」とは、簡単に言えば「経営者が文書・文字にしたいことをこちらでPCに入力して、アウトプットしてあげることです。

実際に私は経営顧問先では、ここ20年以上このパターンを実施しています。

しかも、何の難しい知識も技能も不要。

ただ、経営者が言っている言葉をWordやExcelに文書化しているだけです。

経営者は言葉ではいろいろ言いますが、それを文書にして社員や関係者に「見やすく・分かりやすく・再現性のあるコンテンツ」にすることが苦手な方が多いです。

それを「聴きながら、PCに入力して、その場で文書として提出」するのです。

多少のフレーム構成や箇条書き、書き方のコツさえあれば結構です。

何故なら、多くの監査担当は、Excel、Wordの早打ちができるので。

 

4,文書化代行サービスの中身

中小零細企業には、「文字」にしたものがあまりに少なく、それが原因で「属人性による業務やトラブル、教育の不足」などを発生させています。

MAS業務で経営会議をした場合、いろいろな経営問題の解決策として下記の文書化がその一歩になることが多いのです。

しかも、それを相手任せにせず、今、この場で監査担当者がヒアリングしながらWordやExcelに打ち込んでいけばいいのです。

素案さえあれば、それをベースに顧問先が実態に即して修正追加をします。

多くの中小零細企業の経営者はこの「素案づくり」が苦手なのです。

だから、下記のようなものが「MAS業務」の中にあれば、重宝がられるのは当たり前です。

 

①経営者が年頭訓示で社員向けに話す言葉の文書化

②業界の集まりでコメントをしなければならない場合のカンペ

③問題が生じた部署の再発防止の為の、簡易マニュアル

④業務の平準化・新人教育用の作業別業務手順書

⑤業務の漏れ防止をするチェックリスト作成

⑥顧客向けの挨拶状や文書の作成

⑦幹部や社員毎にして欲しい仕事業務一覧表作成  

⑧プレゼン用営業トーク・応酬話法マニュアル

⑨採用サイトの掲載する各種コンテンツ

⑩就業規則の補則規定の素案

⑪内務規定・就業規則以外の自社独自の取り決め(社内ルール)素案

⑫部門別キャリアプラン

⑬販促商品の打ち出し、ボデーコピー  

⑭新入社員初期教育スケジュール 等々

まだまだ、「文字化」をしたら経営者が喜ぶものはたくさんあります。

特に後継者はこのような「文字による取り決め」を強く要望しています。

コンサルタントはこれらを高額な料金を頂いて作成しています。

もし、これらを毎月少しずつでも「文字化」してカタチに残せれば、別途顧問料10万円などを多くの経営者は気前よく払います。

これらのMAS業務を事務所の機能にいれて監査担当者を教育するには、「実例データとロープレ研修」がセットで必です。

RE経営では、「会計事務所 MAS業務売上支援プロジェクト」として、各アウトプットのコンサルティング実例データ(Excel&Word 100ファイル)の提供、それをもとに受注ロープレと実際のヒアリング入力のロープレを何回も実施します。

さらに顧問先経営者と無料面談を行い受注支援まで行うサービスです。

詳細・費用等をお聞きになりたい方はこちらから、お問い合わせください。

後日詳細はこのブログ・メルマガで公開します。

年間5事務所限定の嶋田による直接指導です。

お問い合わせ - SWOT分析と経営継承可視化の専門コンサルタント RE-経営 (re-keiei.com)

 

 

 

5,個人差が出ず、別途顧問料が取れるMAS業務⑵「経営課題別診断チェックリスト」

もう一つの個人差が出ず別途顧問料が取れるMAS業務が「経営課題別診断チェックリストコンサルティング」です。

これは各テーマ別の課題をチェックリストに沿ってヒアリングし、経営者の意向を確認しながら、具体策とアクションプランを「見える化」していくものです。

もともとヒアリングすべきチェックリストが決まってるので、監査担当者はそれに沿ってヒアリングし、経営者が発する課題と解決の為の意見をどんどん「文字化」していきます。

解決の為の具体策が出たら、そのままアクションプランに誘導していきます。

どんな事をチェックリストコンサルティングするのか?

弊社が用意して一般的に活用しているのは下記のとおりです。

220815_チェックリストコンサルティング一覧.jpg

これらのチェックリストを経営者の課題からピックアップしてヒアリングします。

その議論から具体的な行動を決めていきます。

上記のチェックリスト(Excel)は下記サイトに詳細説明がありダウンロード購入できます。

https://store.re-keiei.com/products/hearing-tips-checklist

220325_51の経営課題2000のヒアリングチェックリストQR.png

各チェックリストから主要課題を抽出してもらい、後は下記のフレーム事例のように「ロジック展開」して、アクションプランの決定事項を記載していきます。

220815_チェックリストコンサルティング後のロジック展開.jpg

基本的なスタイルはこちらの入力状況を相手に見せながら、相手の言葉から「文字化」していきます。

時間内にできないにしても、ここまで素案ができていれば、経営者・幹部も考えやすくなります。

そして、一番右のアクションプランを定期的にチェックするモニタリングを行えばいいのです。

 

6,個人差が出ず、別途顧問料が取れるMAS業務⑶「経営承継10か年カレンダーコンサルティング」

 経営承継ニーズのすそ野が広く、多くの顧問先が該当します。

しかも、相続対策、相続税や贈与などの税務業務は顧問先に対して普通に提案できるでしょう。

実際には

●相続を考える時期ではないが後継者がいる

●株価評価も低く、相続対策は必要ないが後継者がいる

●後継者がいるが今後の経営戦略や中期ビジョンが不透明

●後継者時代の組織やマネジメント体制が不安

など「非財産相続承継関連」の課題がたくさんあります。

この分野は経営者も頭を抱えており、何とかしたいが、門外漢の税理士は相談してもなかなか埒が明かない。

かといって高額な専門コンサルタントに相談するには敷居が高い。

そこで「経営承継10か年カレンダー」を顧問先経営者と一緒に作り上げることで「経営承継顧問」というMAS業務が発生します。

この「経営承継10か年カレンダー」の進め方はRE経営ではパッケージ化されており、「ヒアリングしながら入力」すると、経営者がイメージできる承継前後10年間のブループランが出来上がります。

下記にフレームのように10年間の年齢、役職組織、戦略、業績、権限移譲計画などを文書化し、それに沿って毎年の「経営計画書」を作成。

それを「経営承継顧問」としてモニタリングしていくものです。

220815_経営承継10か年カレンダー.jpg

この技術を習得するのは、弊社の「経営承継戦略アドバイザー検定オンライン講座」を受講する必要があります。

オンラインですので、下記から申し込むだけで簡単に受講できます。

https://store.re-keiei.com/pages/succession-beginner

210922_経営承継戦略アドバイザー検定初級オンラインQR.png

 

7,個人差が出ず、別途顧問料が取れるMAS業務⑷「人材採用対策コンサルティング」

 主に採用サイトコンテンツコンサルティングを実施し、求職者が反応するような採用ホームページをパッケージ化されたツールを使って作成。

それを先方が使っているWeb業者に構築してもらいます。

この採用サイトコンテンツコンサルティングは、顧問先以外でもニーズが多い為、公開セミナーなどで見込み客を発掘します。

「求職者が反応する採用サイト」にするには各種コンテンツのツールや実例をもとに、その企業の実情に沿って書き換えしていきます。

このMAS業務は零細企業より、中小企業以上が対象になり、それなりのコンサルティングフィーがもらえるので、ぜひ取り組んでほしいものです。

基本的な指導提案項目は下記の20項目です。

220815_人材採用コンサルティング20一覧.jpg

これらはフレームも提案の仕方もパッケージ化されているので、提案しやすく、しかも喫緊のニーズです。

詳細はこちら

●これから引く手あまたの「人材採用サイトコンテンツコンサルタント」への道

https://re-keiei.com/blog/1625-2022-03-14-07-14-48.htm

●あなたの会社の「強み」をホームページに詳細に書いていますか?

https://re-keiei.com/blog/1622-2022-03-12-01-44-13.html

 

8,アウトプット型MAS業務を展開するには?

これら4つの「アウトプット型MAS業務」を監査担当者又は専任者で行うには、しっかりした準備と不退転の決意が必要です。

MAS業務で生産性を合わせるには、それなりの時間が必要。

その間に我慢できなくなり、通常の監査業務で生産性を合わせようとすると、元の木阿弥になります。

 しかも年間1200万円/人の生産性を上げようとすると、「中小企業診断士が開業後3年間で1000万円以上の売上を上げる」ことと同じ対策が必要です。

ただ開業したての中小企業診断士との根本的な違いは、会計事務所のMAS担当者には最初から「顧問先という見込み客」がいることです。

多くの中小企業診断士はこの見込み客ができなくて、年間1000万円いかない方が多いのです。

 

では、会計事務所のMAS業務で、この4つのスキルを習得しビジネスとして定着させるにはどうすべきか?

● 特別な能力がなくても、ビジネススキルがある幹部監査担当者ならできる「パッケージ化」されたMASツールがある

●有償化の価値が即わかる「アウトプット型MAS業務」である

●MAS部門の中期ビジョンとKPI目標を設定し、PDCAをモニタリングしていく

●顧問先見込み客にMAS業務受注や経営相談が来るよう仕掛ける「定期コンテンツ提供」がある

●受注用、現場用のヒアリング・トークのロールプレイングを何回も経験し、マインドブロックをなくす

●実際の経営者を招いて、MAS業務のリアル感を何回も体験する

●顧問先にプレゼン営業ができる実際のコンサルティング実例、チェックリストがあり、「見せる営業」ができる

●MAS部門専用の人事評価と賃金制度の導入

●MAS部門担当者が出版やセミナーを通じてブランディングできる

 

これらが必須といえるでしょう。

今、RE経営では、2023年からこれらの本格MAS業務を目指して、年間生産性1200万円を上げるMAS担当者育成と事務所の仕掛けを嶋田が個別指導する「会計事務所 幹部監査担当者のMAS業務売上1200万円/人 支援プログラム」を構築中です。

ほぼ型決めされています。

募集事務所は全国5事務所までです。

詳細は後日オープンします。乞うご期待。

 

 

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