「古株幹部」が前向きになる為に、後継者が行う処遇策
後継者の時代に、先代からの古参幹部をどう処遇するか、常に悩ましい課題です。
経験も力量の上のベテランであり、先代とは深い信頼関係がある。
しかし、過去の概念が強く、新たなことへの取り組みに抵抗感をだしたり、若手の成長を阻害するケースもあります。そういう場合、「経営承継コンサルティグ」でどんなことを実践してきたか、今回はその一部をご紹介します。
1、古株幹部はどういう立場かを理解する
先ず、古参幹部にはどんな平均的な傾向があるかを整理しましょう。
⑴会長のいう事は聞くが、若社長への恩義はないと思っているケースが多い
- 自分より圧倒的な、若造が、なにをと思っている
- 若社長の新しい経営感覚にはついていけない
- しかし、会長は、古株幹部の技術や経験が会社には必要なので、後継者には、上手に活かしてほしいと思っている
⑵自分の経験がすべてで、教える技術を持ってない場合が多い
- 昔気質の職人は、話せるが文字にできない(マニュアルは書けない)
- 指導も言葉足らずで、若い人には理解できない
- しかし、誰かが聴きだしながら、マニュアルを作れば可能である
⑶ぞんざいに扱うと、ひねくれて後継者のいう事をきかない人も多い
- 言葉は少ないが、プライドはある
- 大事にされてないと思うと、健康を理由に退職したがる
2、古株幹部がヤル気を出す秘訣
後継者にとって、古株幹部が若手成長の邪魔をせず、しかも会社に貢献し続けて貰うことが一番いいはず。
その為には処遇を大きく見直す必要があります。
⑴マネジメントができなくても、専門職として定年後も継続雇用
- 定年後も技術者、専門職として、技能を評価し、継続雇用契約を行う
- 基本は、1年ごと契約更新
⑵処遇の基本は、年5~10%ずつの給与ダウン
- 定年だからと大幅賃金カットはモチベーションダウン
- 1年ごと5~10%のダウンで。65歳時点で60歳時の70%程度が妥当
3、「引継ぎ」の「見える化」で、古株幹部の経験、スキルを公開
言葉では何度でも話せるが、それを自分自身で「見える化してくれ」と依頼しても対応できない古株幹部は多いものです。そこで、会社の制度として、支援しながら「引継ぎの見える化」を進めます。
⑴「経営管理職の重点人財・後継者育成計画」で引継の明確化
- 工場長や幹部には、どの業務を誰に、いつまでに、どんなツールや機会を使って引き継ぐかを「見える化」する
- 事例の某中堅企業の製造部長の引継ぎ計画を参照
https://re-keiei.shop/production-department/250-08-01.html
⑵経験を聴きだす、こちらが文字化(手順書)・動画化
- どの作業にも手順があり、それを細かく古株幹部に質問して、その会話を文書化する
- 事例の手順書を参考に、作業別に聴きだす
- 古株幹部が作業をしている動作や手技、動きをビデオ撮影し、後からテロッ プを入れる事で、技能教育動画にする
こういう「見える化」をすることで、古株幹部がより一層、会社への貢献を高めることができるのです。
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