「数値羅列型」「抽象的表現」の経営計画書の限界
これまで多くの経営計画書を見てきました。特に会計事務所が支援して作成した経営計画書は、損益計画、キャッシュフロー計画中心。また商品別売上利益、顧客別売上利益も作っている場合があるが、その根拠までは落とし 込んでいないし、先方任せになっているケースが多いですね。その分野は会計ソフトが対応してないのか、職員が踏み込んでいないのか、いずれにしても、 「数値だけ」の計画書です。
これまで、決算書手主義・担保主義の融資環境だったら、経営計画書は補填的な扱いであり、 さして重視もしていなかったから、それでもよかったでしょう。しかし、事業性評価やローカルベンチマークなどを重視する時代において、それでは経営計画書の意味をなさないように思います。また、「数値羅列型経営計画書」に対して、経営者も「どうせ銀行に出しただけの儀式」だと割り切ってきた節があります。その証拠に、「融資を受けたいので、会計事務所の方で適当に事業計画を作ってくれる?」と依頼する経営者が実際にいました。その依頼に対して、会計事務所も、ちょっとだけヒアリングをして、返済ができそうな「お化粧をした事業計画書」を作成している訳です。
「魂の入ってない経営計画書」に、経営者の関心も低く、ましてや数値だけの予実モニタリングをされても、あまり乗ってこないのは、心情として理解できます。しかも、それを「いろいろなソフトを使う事で、「有料」で作成支援の提案をしている事務所もあります。初年度は何とか出来ても、次年度は断られるケースもあるようです。それは至極当然の事だと思います。
1、「その計画利益が出る理由は?」に答えられない
経営計画書には、大原則があります。それは、「前期実績」と「翌期目標」は、同じではないという事です。商品や顧客の環境も変化するし、原価や経費もいろいろな変動要因があります。そして、企業の宿命として、「成長し続けなければならない」という鉄則があります。すると、前年より、売上・利益の拡大目標になるはず。仮に不景気になり「減収計画」になった場合でも、利益を確保する為に、原価削減、効率化、経費削減の新たな対策が求められます。経営計画書の売上や利益の数値が昨年より良くなる、または中期的に売上利益の向上が求められる訳です。
もし、融資を受けているなら、返済原資は成長を見込んだキャッシュフローから捻出される訳だから、「成長」して貰わないと困ります。しかし、「数値計画は確かに成長している計画」だが、その根拠の具体策が見当たらない事があります。経営者に聞いても、
「社員がしっかり頑張るから」とか
「とにかく今の商材でこの目標はやるしかない」
と言った言葉は出ます。でも、「具体的な戦略」や「差額対策」の固有名詞がないケースが多いですね。そこに問題があるのです。
2、概念論、抽象論の表現の具体策は「実行できない事」がバレバレ
金融機関も「根拠なき経営計画書」は見抜いているはずです。しかし、担保も保全しているし、過去の決算書も良いので、稟議は通すのでしょう。だが、概念論、抽象論ばかり目立つ経営計画では、今後の事業性評価には対応できません。大事な事は「実行できる具体策」「差額対策になる具体的な商材」、そしてそれを実行する為のアクションプラン(具体的な行動計画)がある事です。要は「金融機関を説得できる経営計画書」にしなければなりません。金融機関だけではありません。社員に対しても同じ事が言えます。
業績が悪い企業(または赤字企業)が将来目標で「売上〇億円、経常利益〇万円 賞与4カ月」などと経営者が連呼しても、社員はその根拠戦略が具体的に見えなければ「単なるリップサービス」と見抜いていて、早々に経営者を見限り、退職するかもしれません。
3、何枚も書かれた経営計画書、チェックがしにくい経営計画書とはオサラバ
何枚も数値計画が書かれた経営計画書は、カタチは立派でも正直見る気がしません。また、それがパソコンのソフトの中に何十枚もシートがあり、クリックする度に画面がコロコロ変わるのも、苦手な経営者は多いようです。また、アクションプラン(行動計画)が、細かくなく、チェックしても、行動結果が分からない、アウトプットが見えないものは、PDCAが回しにくいです。
もう、そういう経営計画書は、事業性評価やローカルベンチマークなどを現実的に使おうとしている方にとっては、無用の長物になるかも?私たちの経営計画書ノウハウは、戦略立案からアクションプランまで「たった5枚の経営計画書シート」で、単純に分かりやすく、モニタリングしやすいシステムにしています。だから、使いやすいと言われます。
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