嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

いつの間にか、昔決めたルールと違う進め方が当たり前になっている組織

SWOT分析、KPI監査、採用サイト、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

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つい先日、顧問先企業の経営会議でのある製造役員の言葉

「最近、工具などの購入稟議書が上がるけど、相見積を取ってないケースが増えてます。当然、差し戻すけど『もう時間がないので決裁をお願いします』と言われ、処理したケースが何回かあります。」と。

またある営業役員からは

「顧客先に言ったら、現場窓口だけでなく、その上司や関係部門の人へも挨拶するのが決まりなんですが、やってない営業マンが多い。何故やらないのかと聞くと、次の訪問先の時間がタイトなので・・・」と。

確かに営業マンの退職があり補充も出来てない中、一人当たりの持ち件数が増えているのは事実。

しかし、窓口以外にも顔を出すのが、この企業の昔からのルールだった。

このようにいつの間にかルールが変えられたり、以前の常識が常識として認識されてないケースが増えているのです。

1,口やかましく指導する管理職が不在

ハラスメントやコーチング、アンガーマネジメント等、「部下の話をよく聴く」事が管理職には求められています。

そしてちょっとした言葉でもパワハラとか、メンタル不調で離職するとか、人手不足の中でこれ以上人材を失いたくないという意識が「柔らかい管理職」を量産しています。

若手にすれば居心地がいいかもしれませんが、一部にはこういう上司も「ホワイトハラスメント」と言われるようで、若手の成長意欲やスキルアップを阻害しているとか・・。

昔はルールを厳しく指導する管理職がいました。

口やかましいし、怖いし、面倒だし。

しかしそういう人のおかげで最低限のルールは組織の中で維持された訳です。

ところが、皆がホワイト上司になり、「部下に言うべきこと、指導すべき事」さえオブラードに包んだ言い方で、部下が理解してない事が多い。

そういう事も基本ルールを守らない社員が増えた理由。

 

2,管理職自身が多忙で妥協をしている

人手不足もあいまって、管理職の仕事量が増えています。

基本的な事を守らない部下に対して、一度は注意しても、何回も繰り返す部下に対して「面倒だな。いいよ俺がするから」と自らの仕事を増やす。

また、「これ以上注意すると、部下が嫌気を指し、モチベーションが落ちるのは困る」と思い、妥協してしまう。

自らの業務量が増えている事で、部下を時間をかけて育てるという意識が薄くなっているのです。

そのしわ寄せが「基本ルールを守らない部下」に増産につながっているのだから、何とも皮肉な話です。

 

3,暗黙知のルールが通じない時代

「これくらい言わないでも分かるだろう。常識だろう」

と管理職は思っています。

以前この顧問先のリスクアセスメントに上がった項目でこんな話がありました。

ある製造幹部は、部下が段ボールのガムテープをカッターで開封する時、そのカッターを体の方の手前に引いている姿を見ました。

そこで製造幹部が「手前に引いたらカッターで切るぞ。危ないじゃないか。なんでそんな事をするんだ?」

と聞いたらその社員は「あー、そうなんですね。知りませんでした」と普通に言ったそうです。

その製造部門の幹部からすると、そういう事は教えずとも常識で知っている事だろうと思っています。

しかし、若手はその常識を言われるまで知らなかったのです。

KYT(危険予知)研修でもいろいろな現場のリスク事例を研修してますが、さすがにガムテープの梱包のカッターの引き方はありません。

総務部門でもしかり。

「このコピー数枚をホッチキスで左肩に留めといて」

と総務主任が若手社員に言いました。すると「左肩ギリギリの箇所に上辺に平行して留めている」のです。

これではめくった時、直ぐ外れてしまいます。

「会議で使う資料で5枚もあるのだから、めくりながら見る。だからホッチキスが取れない位置にするのが常識」

とその上司は思っています。

しかし、そういう暗黙知を知らない若手にとったは「だったら指示する時そう言ってよ」と内心思っているのです。

 

4,形式知にする為の仕組みとは 

では、そういう暗黙知が通じない社員がいる中で最低限の常識を形式知化するにはどうすべきか?

弊社では「マネジメントアセスメント」を実施しています。

これまで述べたような「こんな常識も知らないのか」と言いたくなることが現場で日常起こっているのです。

そこで「マネジメントアセスメント研修」を実施し、日ごろ起こっている事実をディス化ションしながら列挙します。

そしてその「現場で起こっている非常識な行為」一つ一つに対して「チェックリスト」を作ります。

そのチェックリストは一度現場で指導し、その後はクレームやヒヤリハットが起こる度に確認します。

そうやって暗黙知を形式知にする事で、組織での基本順守を再度徹底していきます。

 

最近、日本品質に黄色信号がともる出来事が増えています。

真面目で実直な仕事が日本人らしい姿なのに、ちょっと大事な所を見落としている組織には必ず大きな問題が発生します。

実はこういうところも「KPI監査」の対象にしています。

 

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