商品開発をダメにするダメな経営陣

常務 「もっと、サッパリ感が欲しいね」

専務 「うん、喉にスッキリする感じでね。」

社長 「何か、デザインもそうだけど、お客様が馴染みにある感じにしないとね」

担当者 「はあー、あのーこのドリンクは若手の喉の渇き向けでして…」

専務 「だから、若手と言っても、いろいろいるだろう。みんなが皆、こんなガツガツした物を欲しいわけではないだろう」

担当者 「はあー、そうですが、それではトンガリがでないので…」

社長 「君、トンガリと言っても、買う層が少ないなら、売れないだろう」

担当者 「はあー・・・」

 

これはある食品メーカーでの新商品のプレゼンの場面です。役員の意向を聞きながら、何回も試作品を作りました。そして

専務 「うん、これだね、この味とのど越しが良いね」

社長 「うん、専務の言う通りだよ。だいぶ良くなった。これで行きなさい」

担当者 「はあー・・・」

幾度か試作品のプレゼンをした結果、若者の喉の渇きに絞ったはずのドリンクは、高齢者も喜びそうな味覚に落ち着きました。

何故なら、「新商品チェックをしている役員は皆高齢者」だから。こうやって、多くの企業の商品開発は、いろいろな立場の人がいろいろな意見や嗜好性を言います。いろんな意見を反映させて開発した商品は、ほとんど売れません。

何故でしょう? 商品の個性や差別化、特性が徐々にこねくり回されていくうちに、丸くなり誰にも受け入れられる商品になっていくからです。そして、個性がハッキリしない商品は売れません。

開発担当者はしっかりリサーチをした上で、明確なコンセプトに沿って、例え誰がどう言おうと妥協しない姿勢が大事です(但し意固地の固執癖は困るが)。私たち経営コンサルタントは、こういう場面に良く出くわします。その時にどういうスタンスで、議論展開を導くかで、結果は大きく変わってしまいます。

商品開発で大事な事は 「誰の、どういうシチュエーションを想定した商品か」 「競合商品と何が圧倒的に違うのか」

こういう目的がぶれてしまうと、先のドリンクメーカーのように、承認された商品とコンセプトが全く別物と言う事になります。

しかし、企業のこういう商品開発の現場で、議論展開を支援できる事はコンサルタント冥利に尽きますね。コンサルタントが、そういう商品開発の現場に携われるのは、2通りです。1つは、その商品開発のマーケティングや知識があり、具体的な意見を言うアドバイザーと言う立場

2つ目は、開発会議で上手にファシリテーター機能を発揮し、軌道修正や目的の定期的なチェックが第3者としてできる立場です。でも意外に多いのが、知ったかぶりの「具体的な意見」を言うコンサルタントです。自分の経験知識の範囲で、さも「お客様はこうですよ」と得意がって言う人がいますが、これは論外です。

 

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