業界の常識がSWOT分析を狂わせる
先週、長年コンサルティングをしているクライアント企業の業者会で、後継者や管理職が集まった場で「SWOT分析勉強会」をしました。大手企業の子会社、事業部単位で「SWOT分析」を中期経営計画、単年度計画、ビジョンづくりに活用している事業所は結構あるようです。
外部の専門家を使わず、初めてSWOT分析をする企業は、見様見真似でする為、
- 「ちょっと曖昧な戦略立案」
- 「戦術中心の具体策」
- 「クロス分析まで行かないSWOT分析」
等、どうしてもカタチが優先し、上手く行かない事が多いようです。
それは、何回も言いますが、SWOTクロス分析を熟知し、相当な経験を持った適切なファシリテーターがいないから、そうなるのです。そして、2年目に再度SWOT分析をするとします。前年よりは、中身の濃い物になるはずですが、ここでも「SWOT分析の深堀」と「クロス分析の現実性」が弱いと、ちょっとましになる程度のSWOT分析になります。そして、そういう事業所が3年目に再度、SWOT分析をすると、どうなるか?実は、2年目と変わらない結果になりがちなんです。
それは「SWOT分析の限界」と言う方もいますが、実は「機会」の深堀不足から起こる現象なのです。
「強み」は去年も今年もそう大きく変化しません。しかし、「機会」は、ニッチ市場の見方次第で、いろいろな変化があったはずです。その「小さな変化」を無視して、大きな変化ばかりに「何かないか?」と見渡しても、そうそうあるものではありませんよね。更に「うちの業界とはこういうものだ」と言う固定観念が強ければ、顧客ニーズや顧客の潜在的な変化は見逃してしまいます。
すると当然、「機会」項目も従来と変化がないわけです。どうしても、大きな売上、業績貢献に直結する商材、顧客ニーズから、戦略を見つけようとします。ライバルも、業界も注視している従来からの方針、業界の常識は、既に競合が激しい訳です。その中から、草むらに隠れた「新たな芽吹き」を見つけようとしても、なかなか見つからないでしょう。
「機会分析」で必要なのは、この草むらに隠れた「新たな芽吹き」なのです。「業界の常識」と言うメガネで見ても、この芽吹きは見えない事が往々にしてあります。私たち専門家が行う「SWOT分析」では、業界の慣習やクセ、業界人なら誰でも知っている「業界の常識」と言うものにあまり興味がありません。「常識を知らない」から、いろいろな可能性を見出そうとするのです。そうです、草むらに隠れた「新たな芽吹き」を見つける事がメインの仕事です。業界人の誰でも分かるような戦略は、門外漢のコンサルタントを使わなくても、分かっている訳だから。「SWOT分析」の3年目のマンネリ」があるなら、それは「常識にとらわれた業界人」だからなのかも知れません。
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