部下を育てるには、リーダーは仕事を任せる仕組みが必要
評価
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病院や介護施設のコンサルティングや研修をしていて、痛切に思う事があります。それは、まじめなリーダー、患者利用者思いのリーダーほど現場業務に入り込み、部下にやってもらう事も自分で行う為、結果、部下が育たない場合が多いようです。しかも、現場比重が高いほど、部下への仕事配分や管理、マネジメントが疎かになります。今回は、管理職研修やセミナーで私が講義をする中身から、いくつか抜粋 します。
1、何故、リーダーは仕事を任せられないのか?
先ずはいくつかの「任せきらないリーダー」の発想を見てみましょう。
- 部下への説明をする時間があれば、自分ならすぐ終わるから(時間がもったいない)
- 迅速な対応が必要だから(いつも緊急になってしまう)
- 事前にいろいろ指示をしたり、準備、根回しが苦手だから
- 過去に何回も言っても、できないから
- 部下ができるようになると、自分のアドバンテージがなくなるから
- 部下も忙しく、ムリは言えない
- 自分が貧乏くじを引けば済むことだから と諦めている
だいたいこんな思いが「権限移譲へのブレーキ」になっています。
2、任せる為の基本姿勢
では「任せるリーダー」になるには、どんなことを意識すべきでしょうか。
- 少しくらい背伸びしている位の業務を承知で任せる
- 何を任せるべきか、力量を見究める(苦手意識の業務を把握しておく)
- 明確に「お前に任せる」と相手に伝える・見せる(一緒に業務整理をする)
- 途中でヤキモキしても、部下にトコトンまで任せた仕事をさせる
- 途中での口出しは緊急以外耐える
- 任せる業務のチェックリストを作成し、指導する
- 中間チェック・定期的コミュニケーションを怠らない(思い付きの催促ではなく、事前のスケジュール化)
- 仕事の進捗状況の「見える化」「自動報告化」など事前に仕組みを作る
- 「部下は先ず失敗するものだ」と割り切る(最初からパーフェクトを求めるから任せられない)
- 自分と同じやり方、方法をコピーした部下を作ろうとしない(部下の個性を尊重する)
3 「チェックリストマネジメント」なら、部下も任された仕事を進めやすい
(1) チェックリストマネジメントのメリット
「チェックリスト」は「マニュアル」よりも、見返される頻度が多く、箇条書きなため、使われやすい 特性を持っています。この「チェックリスト」を使うと、
- 仕事の漏れがなくなる
- 不必要な思考・ムダな動きがなくなる
- 何ができないか、何をやっていないか明確になる
- ベテラン、経験者と同等な動きになる
- マニュアルと異なり、箇条書きで見やすく分かりやすい
- チェックリストの作成過程で、業務の見直しができる
(2) 必要業務のチェックリストの作り方
下記の事を意識して、効果的なチェックリストを作りましょう。
- 部下に任せる業務一覧をベースに、1業務1チェックリスト
- チェックリストは、「外してはならない重要項目」「外してはならない優先順位」を中心に多くて20項目まで。
- チェックリストに抽象的な表現は禁句
- チェックリストの表現は、「○○の前に、○○をしたか」のような表現
- チェックリストの横にチェック欄(日付込)を設け、☑を記述させる
そして、チェックリストのチェック結果を上司が確認する…そこに具体的な指導が生まれる
「任せるリーダー」になるには、精神論ではなく、具体的なルールやツールが必要なようです。あなたも挑戦してみては?
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