嶋田利広ブログ

病院・介護施設のコンサルタント

医療、福祉の現場で「短期退職」を防ぐノウハウ

 

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せっかく入職したのにわずかな期間で新人が退職してしまう…

そんな病院や施設にはある共通の特徴があります。

この課題を改善しない限り、いくら新人職員を募集採用しても、「短期退職」は防げません。

むしろ新人が入っては直ぐ辞めるという「期待と絶望」が繰り返される現場の職員やリーダーは益々疲弊し、トラブルやクレームなど品質問題がどんどん悪化します。

1、短期退職が続く理由

その病院施設の組織の状況で異なりますが、大体以下の5点に集約されます。

⑴採用面談時に、職務範囲を明確に伝えてない

 採用面談する担当と現場の意識の違いから「面接時にそんな仕事は聞いてません」で即退職する「経験者」の職員がいます。

 最初から労働条件や作業状況が頭にはいっている経験者はそういうちょっとした違いから「この組織はいい加減だ」と決めつけてしまう傾向がある

⑵配属先で「導入教育」なく、即現場でこき使う

 即現場配属でOJTと称して「後は現場で学んでね」と訳も分からず作業の補助をします。すべての作業には重要性や必要性、目的があるのでその説明のないまま「こき使われている」ことが常態化します。

 新卒ならそれでもいいでしょうが、中途はそこで心が折れるのです。

⑶皆が忙しく、誰もかまってくれない。放任状態

 決して現場の責任者や先輩が新人を放任している意識はないかも知れません。

 しかし計画的な教育や段階的なスキルアップの指導がなく、「作業指示ばかり言われる状態」が続き、誰も真摯なケアをしないと放任と言われる状況を同じ似なります。

⑷今後の予定も知らされず、毎日いきなり業務ばかり

 これも計画的な教育やスキルアップ計画表がない事で、当日いきなり作業指示が出ます。

しかも作業指示内容の目的や成果の基準、注意点などの事前の指導もなく、そういう状況が続くと「目的のない業務は「気配りや気づき」が生まれません。

⑸チューター・プリセプターに新人教育を任せっぱなし

 先輩職員だった超多忙です。またチューターやプリセプターも指導方法や寄り添いにも個人差があります。

 「良い先輩」についた新人はラッキーですが、そうでない先輩についた新人は不幸に極みです。

 

2、入職後、短期退職を防ぐ動画教育

新人教育では、先輩やリーダー責任者がヒューマンフォローが必要な教育以外は、なるべく動画にしようとする動きが活発化しています。

マニュアル整備より、テーマベル短時間動画の方が新人には理解しやすいからです。

特に新人教育の60%を動画にする事で、初期教育の平準化はかなり進みます。

動画教育は「技術知識編」「組織ルール編」「価値観基本動作編」等3つに分かれます。

「技術知識編」は、各作業をチェックリスト化しそれを解説します。あくまでもOJTの補完なのですが、予習⇒実施⇒復習の「技能の予習」で活用できます。

「組織ルール編」は各書式の書き方、勤務ルール、届け出、提出関係、PCの使い方等です。総務経理など事務部が主体で制作して統一した組織のルールを教えます。

「価値観基本動作編」では、経営者の方針の解説、人間関係や仕事を円滑に進める各基本動作を解説します。この職場の価値観、理念をしっかり伝えます。

 

3、動画を制作する秘訣

まず、動画が必要な項目を決めます。

撮影はチェックリストなどの解説に留める(ドラマ仕立てやドキュメントスタイルをイメージしない。手間がかかると途中で挫折するから)

編集はソフトを使い、フレームとフォントや文字の大きさ、箇条書きのルール、画像貼り付けのルールだけ統一します。

編集作業を各部門のPCが全くダメな職員以外全員に教えて、誰でもできるようにします。もし特定の人しかできない場合は、その職務をさせることで他の業務を軽減させます。

例えば、こんな感じのリストを作り、それぞれ役割分担で各作業のチェックリストを作成して貰い、それを解説する人を決めます。 

4、プリセプター、チューターに任せない1か月間個別メンタルケアシステム

OJTと称して、現場のチューター、プリセプターに任せっぱなしだと業務を教えても、メンタルケアまで意識が回りません。

現場教育とメンタル教育は分ける必要があります。

現場教育は、所属長の責務としますが、ここで新人が感じる現場業務の矛盾をフォローするのが、メンタル教育です。

このメンタルケアをしないばかりに小さな矛盾の積み上げで、いつしか「辞める」という選択肢をとるようになります。

この小さな矛盾を初期段階でケアするのが管理職・施設管理者の業務といえます。

具体的には、週1~2回の業務終了後の個別面談で「課題」や「感じたこと」などを丁寧に聞き出します。

それに対してアドバイスするというより、傾聴して「良い所に気づいたね」と前向きな言葉を掛けます。

やる気を維持する「魔法の言葉かけ」の場とすることです。

所属長やリーダーではできないコーチングを上級管理者が行う事で、「見てくれている安心感」が芽生えるのです。

 

まだまだいろいろな方法があり、実践してきて上手くいったこと、あまり効果がなかったことなど。しかし効果がなかったことでも、法人が違えば効果が出るかもしれないし、その逆もあるのです。

要は、初期教育に時間をしっかり取る努力は共通のようです。

 

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