嶋田利広ブログ

病院・介護施設のコンサルタント

福祉施設で「人材育成のKPI目標」設定

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KPI(Key Performance Indicator=重要業績指標)の目標設定を最近、いくつかの社会福祉法人で導入しています。 保険制度や各種の制約により収益拡大は、民間企業の努力次第でどのようになるものでもありません。 しかし、その業績プロセスであるKPIは重要なマネジメントだと言えます。

そこで、特に「人財育成」という面でどんなKPIを設定したか、具体例をご紹介します(BSC(バランススコアカード)にも「学習と成長の視点」という箇所が人財育成に直結) まずKPIを決める前にこの施設におけるKSF(Key Success Factor=重要成功要因)を決めました。

それを記の5点に集約。

  1. 職員のオンライン教育機会を増やす
  2. リーダーと職員のface to faceのコーチング面談をとる
  3. 業務手順書、作業動画順守状況の監査件数
  4. カイゼン件数アップ・ヒヤリハット件数
  5. おほめの回数

これらのKSFについてどんなKPIが生まれたか見ていきましょう。 (KPIは部門長、所属長のコミットメントとして取り扱い、一般職員の目標にはしていません)  

1、職員のオンライン教育機会を増やす

この施設でも動画教育教材をどんどん増やしています。 職員の心構えから、作業手順などのマニュアルまで。 このオンライン動画を何名に人がどれくらい見て、どれだけ一言コメントを出したかをKPIにしました。 しかも、同じ人が同じ動画を視聴しても、見る機会や時期によってコメントも感想も違うので、何回見てもOkとしました。  

2、リーダーと職員のface to faceのコーチング面談をとる

ここでは、 評価面談、キャリアアップを目的としてどれくらい確実にもれなく、職員面談ができているかを見ます。 またその検証としては、リーダーが毎月提出する月報に記載する事が条件です。

  • 正味面談回数 年2回×職員数
  • 個人面談用シートの年度ごと目標の記入率100%
  • 所属長月報の中にある個人ごとに課題やできた事にフィードバック100%(コメント返しや面談で) 

等がKPIになりました。  

3、業務手順書、作業動画順守状況に監査件数  

ここでは、動画マニュアル、手順書、ルールの取り決め通り実施ているか確認し、注意指導した結果をKPI化しました。 検証方法として、監査時の改善指示メモの貼り付け数などがKPIになりました。   4、カイゼン件数。ヒヤリハット件数 これはどこの福祉施設も病院でも上がりますが、目的は自発性と積極性を出すためのKPIです。 1人月間1枚を求めたい所ですが、なかなかそこまでいきません。 また部門構成員が多い所も少なうところも一律では不公平なので、 毎月従業員2名に付き1枚のKPIとしました。  

5、お褒め件数

担当者が利用者からどんな具体的なお褒めをもらったか貢献をしたか、管理者が毎回聞き出し、リアルに朝礼などにフィードバックしてもらう為のKPIです。  このKPIを増やすには、リーダーはしっかり現場にいながら利用者から情報を収集しないといけません。

  • 毎月30件の「個人名入りお褒めに言葉」回収
  • 毎月20件以上の「個人名入りコンプレイン」回収
  • お褒めの回収該当従業員 10名以上  

このように、数値目標は「医療福祉にはそぐわない」と言われる中でも、KPI管理ならコミットメント管理が可能です。

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