額面通りに期待してはいけない「コンサル養成セミナー」の実態
コロナ不況で「コンサルタント起業」は益々増えそうです。
しかし今は不況ですから、成り立てのコンサルタントに仕事がどんどん舞い込むことはありません。
なのに、SNSやWebで広告される「コンサルタント養成講座」を見ると、あたかも「成功が約束されたかのような煽った表現」が眼につきます。
「3か月で1000万円の受注ができました」
「半年で5社の顧問先が増えました」
「いきなり200万円のオファーが来ました」
本当だろうか?
多分、本当だと思います。但し、そのような成果を手にした受講生はごくごく一部でしょう。
それでも多くの素人やコンサルタント起業希望者は、「藁にもすがる思い」でそのセミナーの門を叩きます。
では何故、いろいろな「コンサルタント養成講座」では実際には稼げる人は少ないのでしょうか?
1、座学、オンライン講義でスキルは身につかない
コロナ禍以前でしたら集合型研修が一般的でした。
今はオンラインセミナーが中心の「コンサルタント養成講座」が多いですね。
どんなに立派なノウハウも「耳学問」だけでは「分かった気になっていても現場で使うには不安感がある」という事です。
ツールも講義もどんなに良くても「耳学問」で「コンサルティング現場」で活躍できるほど、この業界が甘いはずがありません。
「コンサルタント見習い」はどこかで何らかの経験をする事がスキルアップの近道です。
コンサルティングファームに就職して修行するなら、手っ取り早いでしょう。
先輩コンサルタントに随行して現場を学び、自分が何らかのコンサルをしようとしても先輩上司がフォローしてくれるから安心です。
こうやって「自力を付けていく」のです。
しかし、多くの「コンサルタント起業」はそういう経験をせずに開業独立します。
その唯一の学習場面は「コンサルタント養成セミナー」しかない訳です。
2、100の理屈より1回のコンサル現場視察
どんなに理論を学習しても「経営は生き物」です。
学んだ理論通りに進む事は稀です。
そして一番問題なのは理論学習、座学を100回しても、「現場のイメージがつかめない」ことです。
現場で実践するのは「実践に裏付けされた勇気と自信」が必要です。
座学は100回やっても座学。
しかし、一度でもコンサル現場を見て臨場感とリアリティを体感すればイメージが沸いてきます。
実際の現場視察や体験ができないコンサルタント養成セミナーでは自ずと限界があるという事です。
3、ワークショップはあってもロールプレイングがない
また、多くのコンサルタント養成セミナーではワークショップによる作業はあって模擬体験である「ロールプレイング」はありません。
これも経験することで現場での自信につながるものです。
実際のコンサルティングファームでは新人教育で「トークロープレ」を行うところも少なくありません。
ロープレは自分のトーク技術やコンサルティング推進スキルの振り返りにもなり、また複数のギャラリーが見ている中でのロープレ経験は「クソ度胸」もついてきます。
当社はこれまで100数十回も「ロープレによるコンサルティング技術育成」を検定受講者にしてきました。
ワークショップ体験も大事ですが、模擬訓練であるロープレ経験が少ないと、やはり実践には二の足を踏みます。
そしてロープレは他流試合なので、他人のスキルを学ぶ、真似て自分のスキルアップにもつなげられます。
そういうロープレ経験がないコンサルタント養成セミナーはやはり実践的ではないという事でしょう。
4、フレームやフォーマットは貰えるが、記入実例や記入ノウハウ解説は貰えない
どのコンサルタント養成セミナーもいろいろなフレームやフォーマット、マニュアル類が貰えます。
これはこれでありがたいですが、大事なことは実際に使った実例とその書き方ノウハウです。
いろいろなケースがあるでしょうが、そういう具体的な事例アウトプットや、そのアウトプットをコンサルティングする事細かな推進ノウハウの解説はなかなかありません。
教えているコンサルタントが経験ないのか、リアルデータを持ってないのか、いずれにしても「コンサルティングアウトプット実例」がないと、物足りなさを感じます。
簡単に言うとマニュアルや資料類は多いが、肝心要の現場実例がない状態です。
だから、それがないコンサルタント養成セミナーは、表面的なノウハウしかないという事になります。
元来、コンサルティング受注をする時は、記入実例やその結果を伝えることで見込み客が関心を示し、受注契約に至るものです。
それがないという事は、どこまでも「あるべき論」のトークなので、見込み客経営者は関心を示しません。
すべてのコンサルタント養成セミナーが額面通りに期待してはいけないと言っているのではありません。
他のコンサルタント養成セミナーのカリキュラムやプログラムを見ると、これら4つの部分が抜け落ちており、これでは生産性が上がっているのは「ごく一部の優秀なコンサル起業者だけだろう」と容易に想像がつくのです。
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