やっぱり経営顧問は不況に強い
せっかくの夏休みで、しかも問題があるとは言えGo to トラベルキャンペーンもあり、これまで苦境に喘いでいた観光産業がやっと回復に向けて動き出そうかしている矢先に、新型コロナウイルス感染拡大がまた徐々に増えつつあります。
コンサルタント業界も研修やセミナーなどが少しずつもとに戻そうとしているのに、また暗闇になりつつあります。
あるコンサルタントの方が言っていました。
「こんな状況が4カ月も続くなら、飯が食えない」と。
その方は研修やプロジェクト関係で毎年2,000万円ちかくの売上がある方です。
年間2,000万円プレイヤーのコンサルタントは紛れもなく「勝ち組」です。
そんな人でも4カ月間売上が立たない状況が続くと、コンサルタントを続けられないという事です。
しかし、こんな中小企業診断士もいます。
彼は年間800万円(月間平均70万円)位のコンサルティング収入ですが、3月~5月は売上激減があっても、6月からは月間50~60万円に戻ったそうです。
コンサルタントの収入としては決して高くありませんが、それでも前の2000万円プレイヤーより安定感があるのです。
この2人の違いとは何でしょうか?
1、月次固定収入があるかどうかで、安定性は決まる
先の中小企業診断士の彼は、地方にいて中小零細企業が中心なので決して高い経営顧問料ではありません。
それでも毎月10社位から5~10万円の経営顧問収入が支えています。
見た目は派手ではありませんが、経営顧問収入は少しぐらいの不況や緊急事態でも、即解約される事はありません。
ところが研修やプロジェクト中心のコンサルタントは、もともと予定していたものでもいともあっさり中止や延期がされます。
しかも今回は集合して会う事さえもはばかられるコロナ禍です。
コンサルタントのせいでも、クライアントのせいでもありません。
経営顧問は毎月の経営に関する協議やアドバイスをする事なので、コロナになればコロナ対策の議論が喫緊の課題になります。
研修やプロジェクトなどの単発ものから「経営顧問収入」をいかに増やすかがポイントです。
2、誰か受注を依存していると中小企業の「経営顧問収入」は増えない
経営顧問になれるか、単発の研修やプロジェクトに終始するかどうか、それは受注構造が大きいと思います。
先述の2000万円プレイヤーは大都市で研修会社の指定講師として活躍しています。
元請は大手の研修コンサルタント会社です。
だから、クライアント経営者に直接的な提案はできません。
プロジェクト中心のコンサルタントもしかりです。
特定のコンサルタント会社が受注した案件のメンバーとして参加する場合が多いので、元請を超えて営業はご法度。
ところが、独立系のコンサルタントや中小企業診断士は自分でセミナー開催やWeb集客などのタネをまき、経営者クラスとの直接的な接点をとり、提案受注します。
だから経営顧問にはなりやすいといえます。
要は「受注は他人に依存しない」事が要諦と言えます。
3、経営顧問になる為のファーストステップ「オリジナル研修」の開発
いきなり経営顧問にはなれません。
ある期間は研修やプロジェクトなどの「短期契約」で入り込み、信頼感を得て「経営顧問契約」につなげます。
どの中小零細企業経営者も、いきなり「経営顧問をお願いします」とは言いません。
コンサルタントがどんな人か分からない状態では様子見するのが普通です。
だからまず「信頼を貰う為の短期契約・低価格コンサルティング」から入るのです。
おススメは「あと腐れない社内研修」です。
「単発の社内研修や勉強会」なら、費用負担も少なくダメならそのコンサルタントを直ぐ切ればいいだけです。
しかし、この「短期契約」も具体的なアウトプットがない研修は現在では見向きもされません。
「オリジナリティある研修商品」を開発が不可欠です。
「オリジナル研修商品」とは、既存の一般的なタイトルでも進め方やアウトプットが違い、他のコンサルタントとは一線を画すものでなければなりません。
4、オリジナル研修商品に開発のポイント
例えば、「リーダーシップ研修」
これは誰でもやっている研修ですが、他のコンサルタントなどと圧倒的な差別化をして、経営者に納得させるには「打ち出し」とプログラムに工夫が必要です。
「リーダーシップ研修」に経営者は具体的な変化とアウトプットを求めています。
だから講義や普通のワーク、個人作業だけではない「他とは違う何か」が必要です。
私が行う単発の「リーダーシップ研修」は、「リーダーシップ」というカテゴリーですがそのアウトプットは「ある課題解決に向けてアクションプラン(行動計画)」まで作成させます。
そして、その決定事項を経営者に報告し、参加していない一般社員まで通達。その決定事項が行動せざる得ない状況に追い込みます。
一般的な研修では「研修で決まった事が放置され、研修効果がない」という不満が経営者にはあるからです。
また、「リーダーシップ研修」というカテゴリーで幹部毎の職務責任一覧とコミットメントを作成させ、それを目標管理の賞与評価に入れる場合もあります。
「リーダーシップ研修」も実務に直結させると、それはそれでオリジナル研修といえます。
もし、あなたが「ある特定分野でスゴイノウハウがある研修」ができるなら、それを前面に出して受注しましょう。
5、オリジナル研修から経営顧問提案の流れ
オリジナル研修を経験し、それなりの効果を感じた経営者はコンサルタントのネクスト提案に対しても受け入れてくれます。
オリジナル研修が直接経営管理とは異なる内容であっても、必ず経営顧問に持っていきます。
先程の「リーダーシップ研修」なら「アクションプラン」や「コミットメント」ができたとします。
すべてはPDCAを回さない限り、具体化しません。
それを相手任せにせず、こちらからこんな提案をします。
「社長、〇〇研修のPDCAにスケジュールや具体的チェックをコンサルタントがするので、次の経営会議か幹部会でお時間をとってくれませんか?」と。
そして実際にチェックとアドバイスをするのです。
その時、鉄板技術は「チェックしながらPCに入力し、それを公開されたモニターやプロジェクターで皆が見ながらその場で書き込む」事をコンサルタントが行う事です。
実は、この手法を私は25年以上続けていますが、経営顧問売上比率が高いのはこの技術のおかげだと思っています。
そして会議が終わったら、経営者に対して経営会議で感じた事、経営計画の有無と進捗状況、経営者の喫緊の課題などを個別面談して、「来月から6か月間、一緒に経営会議で課題解決をしませんか?」と提案します。
すでに役員幹部は研修で面識があるので、社長以外は受け入れやすいはずです。
経営者に「6か月間」という期間を決めて敷居を下げる事で意思決定をしやすくします。
実際にこの6か月終了後も「継続審議の課題や経営会議の司会書記をコンサルタントが行う事で仕組み化」させればその後も継続していきます。
やっぱり「経営顧問収入」が不況期のコンサルタント売上を安定させていると思います。
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