嶋田利広ブログ

コラム

リーマン級以上の「複合不況」の足音?

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルティングの嶋田です。

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この前、ある方と打ち合わせをしていたら、2022年年末から2023年にかけて本格的な不況が来ることを予感する話題になりました。

それはコロナ不況ではなく、ウクライナ侵攻によるロシアからの「輸出ストップ不況」だという事です。

2008年のリーマンショックは、金融恐慌から世界的な不況となり、実需が消えていきました。

今回は世界的なカントリーリスクの高まりと金融不安、為替不安、そして資源原料の不足という「複合不況」の要素が強そうです。

今回は珍しく少し経済的視点からコラムを書いてみました。

1、木材、セメント原料が入らない。景気を下支えできない建設不況

ロシアからの木材輸入ストップで、コロナ回復過程でもともと外材の価格が上がっているさなか、世界的な木材不足で今以上の高騰が予想されるようです。

またロシアとの石炭輸入禁止で、セメントを作る工程で使う石炭が入らないと、セメントができないというのです。

住宅建設推進は、これまでの不況時に政府が「箱もの」「土木」の発注を増やし、景気刺激策の1丁目1番地にしてきたものです。

それは住宅業界は産業のすそ野が広く、影響が大きいからです。

しかし、原料が入らないことには、政府がいくら支援策を出しても「ものができない」

これが回の不況の打開策の取りにくさと言えるのです。

しかも、原料はどんどん上がるが、地方の公共投資の入札価格にはそこまで価格の柔軟性がないらしく、赤字入札ならやらない企業も増えるでしょう。

すると、頼みの公共投資も厳しいという事です。

という事は、住宅関連、建設関連企業の連鎖倒産が始まるという事です。

 

2、資源高騰、円安による輸入物価高騰

ウクライナ侵攻前から、コロナからの回復を目指した各国が経済復活に舵を切り、資源高、原油高が進んでいました。

日本においては米国との金利差が激しいことによる円安が進み、輸出には好都合でも輸入依存度の高い経済においては、ありとあらゆる所で「買い負け」が発生しています。

金利を上げられないお家事情があるので、この円安がどこまで進むか分かりません。

資源・原料輸入品の高騰、まだまだ不足状況が続く半導体、それに伴う生産縮小等、いろいろなものが複合的に重なって、一つ二つの対策では先が見えない訳です。

 

3、救世主のいない世界

2008年、アメリカのサブプライムローンの破綻から始まったリーマンショックは、瞬く間に世界に伝搬しました。

唯一ある国だけはエンジンをフル回転させ、経済を動かしました。

それが中国でした。

当時50兆円の経済対策を打ち出し、世界をけん引した事が記憶に新しいことです。

では今回の複合不況はどうか?

中国がゼロコロナでロックダウンが多発し、生産がストップしています。

また経済成長も鈍化しており、以前のようなけん引が難しい。

アメリカにしてもEUにしても、ロシアへの経済制裁の返り血が大きく、世界経済を引っ張るだけのダイナミックな経済対策が打てないでしょう。

先の見えないウクライナ支援の為の戦費がかさんでいるし、ロシアの出方次第ではもう一段上の戦争があるかも知れません。

 

4、コロナ融資返済ができず銀行経営悪化

ロシアのウクライナ侵攻がそのまま続けば、世界経済も疲弊し、ロシアからの輸入品不足や高騰に伴い国内企業の影響は日増しに大きくなっていくでしょう。

多くの関連企業の業績を直撃し、コロナ発生時にほぼ無制限に政府保証で貸し出した「コロナ融資」が返済できない企業が続発します。

もともと、ウクライナ侵攻前から「コロナ融資の据置期間終了後には返済に苦慮する中小零細企業が続出」すると言われ、一説には10~30万社以上が倒産廃業するのでは・・と言われていました。

以前のように、貸し付け条件に緩和措置を金融庁が金融機関に強制する事も今回は無理そうです。

金融機関の収益がどんどん弱体化しているからです。

しかも、倒産廃業が増えれば銀行の利益は吹っ飛びます。

そんな状況下では、国からの支援がない限り「前門の虎後門の狼」の状況が今の金融機関という事でしょう。

 

5、企業はまたぞろリストラ加速、失業者増加

コロナ禍でも大手企業を中心にフィフトラ(50代社員のリストラ)があちこちでニュースに出ていました。

不況色が強くなれば一層加速していくことでしょう。

固定費圧縮は企業の命題になり、そのあおりを一番受けるのが中小零細企業です。

当然中小零細企業もコスト削減に走るはずです。

最悪、従業員全員を解雇する事なども普通の選択肢として出てきます。

私自身はバブル崩壊、総量規制の不況、ITバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災不況は経験してきましたが、和初期の「金融恐慌」は歴史で学んだだけで、どんなものか実感がありません。

過去の戦後の不況は国自体に体力があり乗り越えてきましたが、回の円安や低金利、政府の債務状況を見ると、恐ろしいレベルの「複合不況」来るかもしれません。

そうすると、「生き残る企業と淘汰される企業」がどんどん色分けされます。

コンサルタントの世界で言えば、「淘汰される中小零細企業ばかりを支援しているコンサルタント・会計事務所」も淘汰されることを意味します。

また、USPもなく魅力のもないコンサルタント・会計事務所の優良顧問先は、どんどん「提案型・専門差別化型」の事務所に乗り換えるでしょう。

 

そんな来るべき「複合不況」に備えて今からUSPづくりをしっかり取組ましょう。

また金融機関を説得できる「根拠ある経営改善計画書作成支援」に本腰を入れ、多くの「倒産しなくてもいい中小零細企業」を救って頂きたいと思います。

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