ジョブ型の年収別職能基準を作ってみた

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

ジョブ型の年収別職能基準を作ってみた.jpg

顧問先の経営者から

「年収と職務をリンクさせた、中小零細企業に合ったジョブ型(職務記述書)を指導して欲しい」

と相談されました。

そこで、経営会議の中でいろいろ議論しながら、作成しました。

ジョブ型とは簡単に言えば

「この年収が欲しいなら、これらの仕事を全うしないとあげないよ」

という業務を詳細に列挙していくものです。

ではどうやって作成していくのでしょうか?

1、先にキャリアパスがあると作成しやすい

年収によって仕事の質や量、アウトプットを整理しなければなりません。

すると、だいたいの年収と等級の基準を先に決めないと職務記述書は書きにくくなります。

キャリアパスは、下記の図のように、年次と年収、等級によって、「実務」「管理指導」「資格や教育」などの概要を整理していくのです。

現在、このようなキャリアパスを相当数作成指導していますが、多くの経営者から

●これがあると、社員への動機づけがしやすい

●採用面接時に、将来像を説明しやすい

と好評を頂いています。

実際に、弊社がコンサルティングしている事業所では、このキャリアパスをホームページに掲載した後、問い合わせが増え、面接で採用が決まったと言うケースも増えています。

220519_キャリアパス.jpg

2、職種ごとに必要な作業・職務内容を分類

このキャリアパスを鑑み、職種ごとに必要な実務項目を決めます。

これはスキルマップや職能要件書でも使いますが、実務項目をどこまで拾い出せるかがカギになります。

例えば、事例のケースでは住宅会社の工務部門の実務は大きく分けて、

●工程管理

●原価管理

●品質管理

●安全管理(現場管理)

●施主対応

●アフター管理

●増改築・小工事

に分かれます。

これを各企業の部門ごと職種ごとに拾い出して決めます。

また、実務だけでなく、「社内役割」や「KPI(重要業績指標)で分かる結果」も決めておきます。

 

3、同じ作業でも年収基準によって、必要アウトプットを変える

縦軸に「作業・職務内容」、横軸に「等級・年収幅」で表を作成します。

そして、「この年収のヒトなら、この職務ではこれくらいの内容のアウトプットが欲しい」と経営者や幹部に言ってもらいます。

それを我々は粛々とヒントを交えながら、聴きだし、文字化していくだけです。

縦軸と同じ「作業・職務内容」でも、年収が上がるように右に行けば行くほど、内容もアウトプットもレベルが上がり、異なる表現になるようヒアリングします。

その結果、下記のような整理表ができます。

220419_年収別職務内容整理一覧.jpg

 

4、 「できたか」「不足していたか」だけで判断する

上記の整理表ができたら、今度は年収別(等級別)ジョブ判定シートを作します。

これは単純に縦軸の表現と横軸の内容を年収・等級別に1枚ごとかき出したものです。

そして、そこに人の名前を入れて「できている」「できていない」だけで判断します。

すると、一番下に取得率が出てきます。

例えば、下記のように住宅会社の工務4等級(主任・係長)に求めている職務が46個あるとすると、それが完全にできているなら100%になり、4等級は十分クリアしているからこの年収は保全されます。

更に5等級を狙い年収を上げることも動機づけできます。

逆に取得率が70%を切れば、この人は4等級ではなく3等級レベルだから、年収も3等級レベルに落していかなければなりません。

 

それを理論的に説明できるのがジョブ型です。

先ほどの工務4等級のジョブ型判定シートです。

220419_年収対応職務レベル判定表ジョブ型判定.jpg

こうやって、どんな職種でもジョブ型に対応できます。

これまでも病院・福祉施設の各職種、製造業、サービス業、小売業の各職種など結構なジョブ型の明文化をしてきましたが、進め方はほぼ同じです。

 

RE嶋田塾でもこのノウハウの詳細は説明します。

 

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