会計事務所の「絶対差別化」の5要素

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会計事務所の経営は岐路の立っていると、いろいろな所で言われます。クラウド化が進み、金融機関の融資姿勢が事業性評価に移行していく中で、「顧問料」の在り方が問われています。低価格の顧問料では、いろいろな付加価値は提供できないと多くの監査担当者は言いますが、高単価の顧問料でもさして、付加価値と呼べるものを提供しているかも疑わしい人も結構います。

2020年以降、会計事務所の「絶対差別化」の要素として、下記の5つをRE-経営は提案します。会計事務所側ができるかどうかではなく、企業側が望むカタチを実現しなければ、「おカネの貰える付加価値」にはつながらない訳です。一つ一つの詳細は、いずれまたご紹介しますが、今回はダイジェストでの記載となります。

1、KSF(重要成功要因)を聴きだし、KPI(重要業績指標)監査を実施

売上、利益、資金、各勘定科目をいくら「予実管理」と称して、モニタリングしても、それは結果管理の域を出ません。KSFとは、売上、利益に直結する具体的な商材対策、効率化対策、管理対策を明確化する事です。簡単に言えば、

「〇〇を△△すれば、◇◇の売上が上がる」

「〇〇を△△すれば、新規開拓がススム」

「〇〇を△△すれば、利益率が上がる・外注費が下がる」

「〇〇を△△すれば、顧客接点が増える」  等々

の表現になります。それに数値指標を決めたのがKPIというものです。

「〇〇を△△して、◇◇の売上を昨年同月比10%アップ」

「〇〇を△△して、◇◇の新規客の開拓を半期で10件プレゼン」

「〇〇を△△して、◇◇への外注比率を20%以下に抑える」  等々

このKPIをモニタリングして、具体的な行動プロセスや具体策の何が進んでないのか、何が間違っているのかを確認し、その是正行動策を5W2Hでモニタリングしていくことです。このKSFとKPIを経営者と一緒になって導くことが必要です。

2、年間業務スケジュール表の提出

これは、既に私が指導している4事務所で導入しているものです。決算報告会時に、次年度の支援スケジュールを出すものです。支援スケジュールの内容には、

  1. 月別実施事項(当事務所実施事項、御社実施事項)
  2. 月別重点指導事項(当事務所から指導する、経理全般の品質向上の中身)
  3. 月別経営計画とモニタリング予定
  4. 月別チェック予定(税務予定、資金繰、従業員関係、保険関係、株式評価)

こういう事項を具体的に掲載し、掛かる所要時間も入れます。こうする事で、顧問料の中身の透明化、有料サービスの提案を見せる事が可能になります。更に、それを続けることで、監査担当者が変わった場合の引継ぎも円滑になります。

3、経営承継10か年カレンダーの年齢だけの記載

経営承継10か年カレンダーをすべて埋め込む作業は、そうそう簡単ではありません。やはり、それなりに教育と演習経験が必要です。しかし、経営者、役員、同族、幹部の10年間の年齢を入れる事は、もの1分でできます。それを決算報告会で、見せるのです。それが事業承継期ど真ん中の関与先でなくても結構です。何故なら、それぞれの10年後の年齢を見る事で、これからすべきこと、危機感があらわになるからです。

  • 後継者をどうするか
  • 今の幹部の定年後、誰にこの部門を任せるか
  • 自分の引退時期を見ると、それまでに何が必要か  等々

年齢だけで良いので、決算書資料の末尾に追加しておきます。それを最後の説明するだけで、危機感と焦燥感が生まれ、「先生、どうしたら良いか協力してくれ」というサインが貰える可能性が高くなります。

4、前期事業概況と反省の添付

決算書には、数字の結果は出ますが、それ以外のものがあまりにもありません。そこで、A3縦で前期事業概況と反省を決算書に添付します。

  • この1年何が起こったか
  • どんなトラブルや良いことがあったか
  • 誰が辞めて、誰が入社したか
  • どんな組織変更があったか
  • どんな商品の取り扱いがあり、何を撤退したか
  • 顧客の開拓や主要顧客の変動は何かあったか
  • 設備投資や将来につながる出来事は何があったか  等々

先ずこういう事を文書として上段に書きます。そして、下段には、収支の勘定科目ごとの反省(目標以上に言ったものの商品、顧客と理由、未達の商品、顧客の理由、原価各科目のアップダウンの理由、販管費各科目のアップダウンの理由)が記載されます。この反省があってこそ、次年度の経営計画が生まれやすくなるし、具体的なテーマアップがしやすくなります。

5、ちゃんとした決算報告会の実施

経営者にしてみれば、1年の締めです。ダラダラと決算書概要を説明して、判だけを貰うなんて、付加価値がありません。月次先には、決算報告会では事務所に来所して貰い、しっかりと式次第と演出を入れて行います。例えば、

  1. 服装はスーツ、余所行きの恰好
  2. 時間は2時間程度で、決算報告、業務スケジュール説明、来期KPI確認など、決算以外の項目を説明
  3. 締めに所長又は幹部から激励の挨拶
  4. 社長、役員から来期に向けた決意表明
  5. もし、銀行を呼ぶなら、来賓挨拶
  6. 事務所の会議室に、横幕やプロジェクターで「(株)〇〇 第〇期決算計画発表会」と書き、横のホワイトボードに式次第を書く

要は、特別感を出して、年に1回のおもてなしをする場にするのです。そして、できればその後懇親会と称して、銀行担当者も入れて情報交換会をすれば事務所のPRにもなります。

 

これら5つを月次先にルーチン化して、他の事務所との違いを打ち出します。経営計画書の中身の違いを出すには、教育が必要ですし、できる職員とそうでない職員の差ができます。しかし、この5つなら全監査担当者ができると思います。

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