根拠ある経営計画書は、あるコツさえ知れば簡単
ある会計事務所の職員が早期経営改善計画を顧問先に提案しました。顧問先も承諾し、金融機関も了承。早速早期経営計画書に着手。財務面の分析や返済資金をベースにした利益計画を立て、中期の収支計画は予定通りに出来ました。そして、「主要な経営課題」の作成に入りました。問題はそこから、迷走が始まりました。
1、経営者が答える経営戦略に根拠がない
「主要な経営課題」とは、「どんな儲かり具体策を出すか」という事です。コスト削減対策ばかりでは、「儲かり具体策」は成り立ちません。担当者は一生懸命、経営者の具体策を聴いたそうです。すると、経営者からは
「こんな商品を取り扱えば、売上が増える」
「この商品を値上げして利益率を改善すれば、収益が変わる」
「今のこの商品を、他地域に新規開拓すれば可能性が広がる」
「この作業のムダを防げば、原価率は下がる」
といくつかの意見が出てきたので、それをそのまま「主要課題」に記載したそうです。しかし、その職員はちょっと疑問が出てきて、それぞれの具体策や方針ができる根拠は何かと再質問しました。すると、経営者からは具体的な根拠は出らず、「こうあって欲しい」みたいな思いだけの「タラレバ」意見が多くを占めたそうです。
2、具体性と根拠がない主要経営課題は、アクションプランが書けない?
あるべき論、タラレバを主要な経営課題の経営戦略に書いたとしても、アクションプランを各段階で、中身がなく抽象論になる筈です。もし、経営者がこうありたい、タラレバを言ったら、その根拠づくりに議論をしないと本当に形式的な「早期経営改善計画」のなりがちです。
私たちはアクションプランの具体性や独自性、また仕掛の状況を見れば、その経営戦略の可能性がだいたい判断できます。監査担当者は「経営戦略の中身」に、関心をもって「それって、本当に実現できるのか」と問題意識をもって、突っ込んで質問をすべきです。
3、アバウトな経営者に気付きを与える「質問メソッド」
経営者のアバウトな方針、深掘りしていない具体策をそのまま「経営計画書」に書くだけならそこに付加価値はありません。だいたい、そんな中身は実行されないはずです。経営計画書を支援する監査担当者に確実に質問して欲しいのが「商品戦略」「顧客戦略」「価格戦略」「人材戦略」の4つのカテゴリーの質問です。
これら4カテゴリには、「収益改善の根拠」が全部含まれています。しかも、「社長、今後どんな商品で儲かろうと思ってますか?」のようなバカみたい質問ではダメです。
「社長、今一番売れている商品は、誰がなぜ買っていますか。その顧客を拡大しようとしたら、どんな可能性がありますか?」みたいな、経営者が「うーん」とリアルに考えさせる質問です。
4、収益改善の根拠ある具体策は「商材の積み上げ」
経営改善計画であれ、通常の経営計画書であれ、「収益改善の根拠は、商材具体策の積み上げ」になります。商材とは、商品開発や顧客開拓、既存商品の新たな売り方、新規企画、既存顧客への深耕対策を考え、そこに数量と価格を掛け合わせて売上が出ます。
また、コスト対策を考える場合は、原価別、経費別に「そのコスト削減ができる根拠」を詰めていきます。商材の積み上げは、商品の可能性、顧客の可能性を自社商品の「強み」を掛け合わせて具体策を出します。それがまさに「SWOT分析」に手法です。SWOT分析を使う事で、経営者の曖昧な表現、アバウトな方針に具体性という切込みを入れます。だから、「商材の積み上げ」にはSWOT分析が有効なんですね。但し、一般的なSWOT分析ではダメです。当社の提唱している「SWOTクロス分析」を使う事をお勧めします。
5、早期経営改善計画の主要経営課題の中身を聴きだすヒント
まだ、弊社の「早期経営改善計画のアクションプランの聴き方書き方ヒント集」を無料ダウンロードしていない方は、「無料書籍ダウンロード」から是非ダウンロードしてください。先ほどの「商品戦略」「顧客戦略」「価格戦略」「人材戦略」について、33個の具体的な聴きだし方ヒントと書き方を書いたPDF(A4版8ページ)が即入手できます。
早期経営改善計画書策定のアクションプランの聴き方、書き方ヒント集
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