嶋田利広ブログ

会計事務所の職員教育

会計事務所が作成する経営改善計画書の課題

ここ最近はある観光旅館の経営改善計画書をお付き合いのある会計事務所と作成し、ほぼ完成し金融機関に確認する状況です。

今まで、多くの会計事務所のレベルアップのためのコンサルティングや職員教育をしていますが、今回金融円滑化法後の対応策として認定支援機関になを連ねる会計事務所には、実は「経営改善計画書」に取り組みたくても、おいそれと取り組めない事情があります。

その一つは、経営改善計画とモニタリングを行い、金融機関の承認をもらえれば助成金が出るのですが、どうもこのハードルがなかなか手ごわいのです。一言でいえば、提供サービスの労力とリスクを勘案すれば、コストが合わないと考えているところも多いのではないでしょうか?

そして、それ以上に難しい課題があります。

今回の経営改善計画書は、「本当に再生できるか」を問う計画書なのでいい加減な数値合わせでは、金融機関も納得しません。

特に金融機関が行いDDSやDESの再生ばかりの案件ではなく、自助努力で「営業利益」を出してもらわねばならない中小零細企業には売上アップの対策、粗利率アップ対策そして、わずかに残されたコスト対策が必要なのです。 しかし、いずれの対策も会計事務所には苦手なジャンルといえましょう。

そこで、いろいろな会計事務所から問い合わせを頂いている一番多い項目は「どうしたら、会計事務所でもできる売上戦略を立てることができるか」という質問です。

当社では、その一番の手法としてSWOT分析クロス分析やロジックツリーを指導していますが、このスキルを使い、ある程度の経営改善計画書を作成するには、それ相応の研修や訓練も必要です。

そういう努力をせずに、一般論で個人の知識の範囲で売上戦略を立てるとどんなことが起こるか、問題になっている事例を紹介しましょう。

  1. 経営改善計画書の一般のフォーマットに沿って記述しているが、業績不振の原因の深堀が少なく、真因をついた対策になっていない。
  2. 売上アップ対策が該当企業固有の実情に関係なく、業界の一般論で無理やり立案をするので、経営者が納得していない。
  3. 該当企業が不振になるまでにも、いろいろな対策を実行したはずだが、それが何故効果を発揮できなかったかを分析せず、またぞろ同じ戦略を立てている。
  4. 経営の課題やその真因、そして何をすれば効果的なの本当の対策は、経営者が一番知っている筈だが、それを深く聞き出せないヒアリング力である。
  5. 会計事務所担当者の狭い知見で、コンサルティング的なアイデアをごり押しする

いかがでしょうか?ちょっと辛口の表現ですが、思い当たる事務所も少なくないはずです。

だから、当社ではSWOT分析クロス分析もロジックツリー分析も、会計事務所職員(前向きで多少のスキルがある職員に限定)にリアルに面談現場を見せて、どういう段取りで売上対策を出しているかを具体的に見せます。

そして、現場イメージを持って今度は何回もロープレを行い訓練します。そして、再度実際の企業経営者を呼んで、われわれがフォローはしますが、他の職員が見ている状況でヒアリングをさせて、フォームに記載し定期ます。でも、こんな面倒くさい訓練を何回も実施しない限り、今回の経営改善計画書は甘くないのではないでしょうか。

「面倒くさいから、したくない」という事務所もあるでしょう。それがそれで結構ですが、こういう経験を通じた付加価値機能がない事務所では、今後淘汰される可能性は否定できません。皆さん頑張りましょう。

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