嶋田利広ブログ

会計事務所の職員教育

京都大学経営管理大学院EMBA受講生が経験したクロスSWOT分析

SWOT分析、KPI監査、採用サイト、経営理念浸透型人事評価、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

 京都大学経営管理大学院EMBA受講生が経験したクロスSWOT分析.jpg

9月14.15日と京都大学経営管理大学院上級経営会計専門家(EMBA)で講師をしてきました。

昨年同様、今年もSWOT分析のロープレをメインにEMBA受講生の支援でした。

この2日間はロープレを通じてEMBA受講者もいろいろな気づきがあったと思います。

班ごとに社長役、コーチ役、オブザーバーに分かれ、社長役は特定企業の 経営者に成りすまして、コーチ役からのヒアリングを受けます。

しかも何回も何回も経験してもらいます。

この進め方は事前に大学院側の事務局と我々講師陣が何回もzoom面談ですり合わせをした上でのカリキュラムです。

では実際の内容や反応はどうだったのか?ドキュメントを紹介しましょう。

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groupに分かれたSWOT分析ロープレ風景

1,クロスSWOT分析の理論と実務の講義

先ず、BSC(バランススコアカード)と管理会計の研究者である日大藤野教授から、戦略やBSCの概念について講義。

その後私からSWOT分析の実務について講義しました。

そして「強みヒアリングロープレ」の前に、「強みの聴きだし方」の注意点や「あるある」を紹介。

その後「機会ヒアリングロープレ」でもその前に「機会の聴きだし方」の注意点を解説。

受講生はこの2日間の前に、弊社の「深堀クロスSWOT分析実務の3動画」(限定公開)の視聴と藤野先生たちと共著した「SWOT分析&BSCを活用したKPI監査の実務と実例」を事前に学習して臨んでいます。

だから、理論的にはある程度分かっているはず。

しかし、いざ実践となると、思うように聴きだせない現実に出くわします。

 

 

2,特定企業の経営者になりきり、社長役を経験

このプログラムは詳細には言えませんが、ある特定企業の経営情報を受講生は事前に学習し、その経営者になりきってクロスSWOT分析に臨みます。

しかしどんなに事前情報を知っていても、コーチ役からどんな深堀質問が飛んでくるか分かりません。

そんな時は経営者になりきり、自分なりのストーリを頭の中でぐるぐる考えます。

社長役はコーチ役の質問に論理的に合わせないといけないので大変です。

もし、コーチ役が断片的な浅い聞き方をするなら、社長役は比較的簡単です。

聞かれたことを横に答えるだけですから。

しかしコーチ役が深堀質問をしてくると、事前に聞いていない情報を言わなければなりません。

それは、自分なりのオリジナルストーリを考えざるを得ないのです。

それも良い経験です。

実はSWOT分析ロープレでは、コーチ役よりも社長役の方が実践的な学びが多いという方が多いのも、質問に合わせて考えなければならないからであり、「質問を受けるプチ社長経験」ができるからです。

社長役をすると、こんな感想を持ちます。

「こんな深堀質問をされたら、よりリアルな情報が聞き出せるよな」

「こういう質問だと、ただ知っている事をいうだけで、本質までいかないなあ」

等、いろいろな感想を持ちます。

 

3,コーチ役は経営支援する立場で、深堀質問と誘導を行う

コーチ役は経営支援する為に「クロスSWOT分析」の各要素(強み、機会、積極戦略)を所定のフレームに沿って、ヒアリングしながら「文字入力」します。

コーチ役も事前に限定情報から特定企業のSWOT分析を自分なりにしているので、入口は入りやすいでしょう。

しかしここで「単に情報だけを聞く取材で終わる」のか?それとも一つの質問からどんどん深堀して「経営者に実態を考えさせる機会を与えるのか」が分かれます。

SWOT分析であれ、ロジックツリーでのヒアリングであれ、「広く聴くな、深く聴け」が原則です。

話が拡がる方がいろいろな情報が聞き出せるから良いのでは?と思っている方もいますが、そうではありません。

一つの事実から、その背景、顧客心理、自社の深堀箇所を聴くことで「そう言えば・・・」「言われて見れば・・・」と経営者に新たな気づきが生まれるのです。

これこそ、「ビジネスコーチング」や「エグゼクティブコーチング」の本領発揮です。

コーチングでは「自分の答えを言ってはいけない」と言われます。

SWOT分析でも自分の見解やアイデアを言うことは慎むよう指導しています。

しかし、こと戦略に関わる話では、「ヒントや他社事例」が重要な「考えるきっかけ」になります。

だから、「機会分析」や「積極戦略検討」では、ヒントは言ってもOKなんです。

そうしないと、議論が深まらず堂々巡りになることもあるので。

「誘導質問」とは、自分(コーチ側)のアイデアや知見に相手の答えを寄せるように導くのではなく、適切なヒントや事例を相手が咀嚼して、自分の見解を出しやすく「誘導する」と言う意味です。

 

 

4,都度振り返りで「聴きだしトーク」の反省

毎回の「強みヒアリングロープレ」「機会ヒアリングロープレ」が終わる度に、振り返りとして「コーチ役の反省」「社長役の感想」「オブザーバーの感想とアドバイス」の時間を取ります。

このフィードバックでコーチ役にはいろいろな気づきと反省が生まれます。

ついつい、積極戦略の内容の是非をオブザーバーが指摘する事もありますが、それはある意味無意味です。

何故なら、本当の社長ではないから、その積極戦略の是非について正しい答えを誰も持っていないからです。

それより、どんな聴き方が良かったのか?どういう質問誘導が話易くかったか?などの「ヒアリングメソッド」での振り返りがコーチ役の参考になります。

こういうロープレは今回のEMBAでは有効に活用されていると思います。

 

もし、SWOT分析のロープレ経験をしたいなら、唯一一般向けに実施しているのが、当社の「zoomでSWOT分析ロープレ研修」です。

Zoomだから、全国どこにいても参加できるし、画面を通して、ヒアリングしながら「SWOT分析シート」への入力の模擬訓練ができます。

2024年10月からは下記日程です。模擬訓練だけでなく、SWOT分析理論と事例の講義も行います。初めての方もオブザーバーだけの参加もOK。

●10月5日(土)13:00~17:15

●11月2日(土)13:00~17:15

●12月7日(土)13:00~17:15

詳細とお申込は下記からどうぞ。

 https://store.re-keiei.com/pages/zoom-swot-basic-ver

 

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