経営計画書のヒアリングが難しい監査担当者はまず「5か年設備投資計画」を聞け

SWOT分析、KPI監査、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

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毎月、複数の会計事務所のMAS業務スキル支援をしていますが、当社が進めている

●クロスSWOT分析

●商材根拠のある経営計画書

●KPI監査

●事業承継10か年カレンダー

のヒアリングや文字化が苦手な監査担当者がいます。

どんなにロープレ訓練をしてもなかなかレベルアップしません。

 

彼らに「何故ヒアリングが難しいのか?」と聞くと、

●そこまで深く聞いていいのか、遠慮がある

●フレームを埋めようとして、結果何を聞いているか分からず、ちぐはぐになる

●経営者の話があっち飛びこっち飛びして、収拾がつかなくなる

●そもそも、他の業務が忙しく時間が取れない

●監査時に経営者がじっくり時間を取ってくれない

などの理由が上がりました。

経営計画書もKPI監査も事業承継10か年カレンダーもシートが複数枚あり、記入する箇所も多いのも彼らにはネックになっています。

そこで、ある会計事務所では「5か年戦略経費・設備投資計画」だけ聞いて記入するように指導しています。

すると、絞れた会話ができ、MAS業務の入り口に立てるケースが増えてきます。

1,監査担当者は遠慮せず聞ける特別な職種

私が思うに、「会計事務所担当者ほど、経営者に何でも聞ける職種はない」と思います。

おカネに関わる仕事であり、個人的なことから法人の事まで、何を聞いても叱られることはありません。

なぜなら、すべてが会計税務業務に必要だからです。

政府の予算委員会みたいなものです。

一見予算に関係ないような個人攻撃をする場を見ますが、すべて費用として跳ねかえる以上「予算委員会」で審議されるのです。

会計事務所もそんな感じです。

経営者の思考はすべて「おカネ」に反映されます。

だから何でも聞かなくてはいけないのです。

あるベテラン職員は「これまで遠慮なく深堀質問をして叱られたことは一度もない」

と言っていました。

当然でしょう。

ゲスな質問みたいですが「社長、外に子供はいないでしょうね」みたいなこともしっかり聞いておかなくてはなりません。

それは法定相続人にカウントされかねないからです。

このように会計事務所監査担当者は何でも聞いていいのです。

長年担当していて「今更、こんなことは聞けない」と遠慮する方が問題行為なのです。

 

2,戦略経費・設備投資計画には経営者の思いが詰まっている

だから今後の戦略経費・設備投資計画も、ずかずかと遠慮なく聴くことは義務と言えます。

経験の少ない職員には、経営計画書をストーリーだてて作成するのは骨が折れるでしょう。

しかし、経営者の思想は「おカネの使い方」に現れます。

今後の事業方針はすべて「おカネ」と一緒に成り立ちます。

ここで聞いてほしいのが「戦略経費」「設備投資」です。

「戦略経費」とは、今後の事業の推進において将来の為に必要な資金です。

償却費になる設備投資とは一線を画し、開発費や人件費など「大型の支出」を意味します。

「設備投資」は、償却費として計上できるおもにハード面の設備投資です。

設備投資には入らない大型の支出(100万円以上)はこの戦略経費に充てると良いでしょう。

この「戦略経費」「設備投資」は経営者が経営をどのようにしたいかの思いが詰まっています。

●なぜ設備投資をするのか、その設備投資の結果、事業がどう変わるのか

●なぜ、その大型支出が必要なのか、その支出の結果どんな事が改善するのか

●その投資の結果、今の経営課題がどう改善されるのか

こんな思いが「投資」の背景には詰まっているのです。

 

 

3,戦略経費・設備投資計画で聞く内容

では実際にどんな事を聞けば良いのか?

生産設備・社内インフラ改善

●設備合理化

●省人化

●IOT化

●効率化設備及び自動化

●機械化

●車両購入買換え

●建屋修繕、改修、増築

●社内インフラ(水道、電気、ガス、省エネ、再エネ他)

 

採用・福利厚生関連経費

●社員、非正規採用と人件費

●労働環境整備(トイレ、休憩室等)

●採用広告HP(採用の為の広告やサイト構築)

●給与改善での人件費増と指導を受けた場合のコスト

●オフィス・作業場快適化(工場断熱材、空調、作業着、エアコン、分煙、デスク回り他)

 

その他

●事務合理化

●RPA

●アウトソーシング

●新規事業準備投資

●ノウハウ購入

●経営指導料

●不動産投資他

これらの「大型支出」の可能性や想いを聞くことで、経営者が今後どんな事を想定し、どんな将来像を描いているかが伺えます。

仮に現在の業績では「大型支出」の余裕がなく「空手形」になったとしても、この思いを聞くことが大事なのです。

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4,大事なことは「何故その支出をするのか」という質問 

そして同時に、その「大型支出」の思いの背景、理由をしっかり聞きこんでほしいのです。

どの経営者もすべからく、根拠のない「大型支出」は考えません。

何らかの期待や可能性、自身の夢などが「大型支出」の根拠に隠れています。

「そんな荒唐無稽なことは非現実的ですよ」

と軽くかわさないでほしいのです。

その荒唐無稽な思いにも何らかの根拠があります。

その根拠を更に深く聴くことで、経営者の深層心理が垣間見えて来ます。

経営者ヒアリングで大事な質問は「何故(Why)」です。

これを適宜適切に使うことで、会話力もレベルアップするし、経営者からの信頼感も高くなっていくことは疑いようもない事実です。

 

取り敢えず、経営者の将来の思いを聞き出すのは「戦略経費・設備投資計画」の「大型支出」だけでも十分です。

それさえ聞けば、経営計画書作成の根拠づくりもしやすくなります。

 

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