「KPI監査」の進め方

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

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5月13日の「RE嶋田塾」において学習したのは「KPI監査の実務」でした。

塾生の多くの方から「KPI監査は、今までの経営指導や月次監査を変革する」という感想も頂きました。

多くの気づきがあったようです。

特に、会計事務所においては「KPI監査」を行うという事は、これまでの「予実チェック」や表面的な経営計画のチェックの監査とは大きく差別化する事を意味します。

中途半端な「経営計画書」の作成や、表面的な収支状況のチェックをしたところで、企業も業績も変わらない。

正直、会計事務所の自己満足的な「経営計画進捗チェック」では、クライアントも顧問先も納得しない時代です。

そこに「KPI監査」という、もう一歩踏み込んだ指導をすることで、本当の「伴走型支援」をしようとするものです。

月次監査現場では、「予実チェック」や「〇〇〇監査」をしても、「売上が上がらない理由」「ヒトがいない」「環境がどうのこうの」などの世間話的な会話で終わっています。

しかしKPI監査をすれば「具体策への深入り」が絶対条件になるので、そんな世間話を捨てて「リアルな対策を一緒に議論」することができます。

ではそんな「KPI監査」はどんなカタチで現場で進めていくのでしょうか?

1、KPI設定2つのアプローチ

KPIを設定する際、大きく分けて2つのアプローチがあります。

220514_KPI2つのアプローチ.jpg

詳細なアプローチをするなら、BSC(バランススコアカード)手法が一般的だが、シンプルに考えるならこの流れが基本で分かりやすい。 

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業績の公式は、本来なら経営者役員幹部が把握しているので、それをコーチングしながら聴きだすだけで明確化できる。

 

2、KGI、KSF、KPIの関係性

KGI(最終到達目標)を売上・利益にするとKSF(重要成功要因)が浅くなり、KPI(重要業績指標)も詳細さを欠くことになります。

そこで、KGIとKSF、KPIの関係性をある体系図で説明したのが下記です。

220514_KGIKSFKPI体系図.png

このケースでは売上5億円、経常利益3000万円が目標で、それぞれ営業面で2つ、製造面で1つのKGIがあります。

各KGIに沿ってKSFが1つあり、そのKSFを実行するプロセスとしてKPIがそれぞれ3つあります。

 

3、KSF、KPIを聞き出すヒント

このKSF、KPIは中長期というより、この1年とか数か月で実行できるものにした方が、経営計画との整合性が取れます。

上記のような内容のKSF、KPIを聞き出すには、適切なヒントを相手に伝える必要があります。

そのヒントとは、

売上のKSFを聞くには、超シンプルにこの5点を聞き出します。

220514_売上KSFヒント.jpg

利益のKSFを聞くには

220514_利益KSFヒント.jpg

この詳細なヒントの背景やそこから生まれるKPIは「RE嶋田塾」の塾生にのみ公開しています。

4、KPI設定のコツ

KPIは、行動プロセスを数値化するというイメージです。

だからそのKPIを見たら、何をどう行動してKPIの結果を出すかイメージできるものでなければなりません。

KPIの設定が抽象的だと、おそらく行動計画にまで落とし込めず、モニタリングをしてもあいまいになりがち。

2の体系図の事例のようにKPIを小さくすると、何をどうしたかが見えてきます。

またたくさんのKPIを部門ごとに設定するとモニタリングが大変で、結局「KPI倒れ」になるので、それぞれ部門別に3つ程度に抑えます。

 

5、モニタリングできるフレームへ落とし込み

KPIが決まればモニタリングできるフレームへ文字化します。

下記がそのフレームです。

220514_KPI監査モニタリングフォーム.jpg

どんな内容の記載かの事例は「RE嶋田塾」に参加の方には提供しています。

6、経営会議では各部門のモニタリング状況のチェックと行動修正議事録

上記のフレームにKSFやKPI目標を月ごとに入れ、毎月又は3か月1回の会議時に進捗結果をモニタリングします。

「対策」という欄には、KPI達成に向けた行動の結果、どんな実績、反響や気づきがあったかを上部に書きます。

下部には、来月に向けてどんな修正行動をするかを5W2Hで表記します。

枠が大きくなっても構わず議事録として残します。

この修正行動議事録を、次月(次四半期)チェックする「決定事項」みたいなものに代用しても結構です。

 

7、零細企業は経営会議でモニタリング

部門がない零細企業では、経営会議で経営者や一部幹部を交えてKPI設定とKPI監査を行います。

モニターに映してそのままフォーマットに入力していきます。

この時、しっかりコーチングして相手に詳細な対策を言わせるように意識します。

よく「社長が話してくれないから書けない」と嘆く監査職員がいますが、それは聞き方と誘導、ヒントの出し方が悪いだけです。

 

 

KPI監査については、まだまだいろいろな深いノウハウや実例があります。

もしもっと知りたい方は、2022年6月から募集を再開した「RE嶋田塾」で学習をしてください。

https://store.re-keiei.com/pages/re-shimada-course

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