KPI監査におけるKPI設定のポイント

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

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KPI監査を行う場合、よくある質問は

「KPIの設定はどこまで細かくすればいいのか?」

ということです。」

KPI監査のモニタリングが上手くいかない背景に「KPI設定が大き過ぎる」ことがあります。

KPIの設定が大きければ、アクションプランも概念的になり、モニタリングが機能しにくくなるのです。

では、今回はKPI設定のコツをご紹介しましょう。

1,KGIをどうするかで、KSF、KPIは変わってくる

KGIを「売上」「粗利」「営業利益」などの最終結果にすると、KSFもKPIもあいまいになりがち

KGIの意味は「重要最終到達目標」などと訳されることから、「売上」「利益」「キャッシュ」などと思われがちだが、そうするとKSF(重要成功要因)がざっくりしてしまいます。

例えば、KGIが「売上を昨対20%アップの・・・・万円」と書きます。

すると、KSFは商品別、顧客別、販促別等、多種多様な内容を盛り込まなくてはなりません。

そして、Aという商品の売上を・・・万円、Zという顧客にいくら売る」などと、これはKPIの発想ではなく、普通の目標管理の話になります。

この目標管理がうまくいかないから、そのプロセス管理である「KPI管理」をしているはずですが。

また、KGIで「営業利益1000万円獲得」などと書こうものなら、いったいいくつのKSFやKPIが必要なことか。

そして多くの項目を上げた企業や事業所は、ほとんど目標が達成されません。

だから、KGIはその売上・利益に直結する業績指標数字に絞りこむことです。

 

例えば売上を上げるには、

「得意商品のAをもっと拡販し、年間・・・・万円で、インストアシェア…%に上昇」というKGIなら売上に直結するとします。

するとKSFは「重点デモとPRでAの取扱店をB地域で5店舗から10店舗に、C地域で0店から3店に」としましょう。

こんなKSFならある程度方向性が絞れています。

するとKPIは「B地域でのデモ回数」「C地域でのチラシローラー作戦訪問数」などの具体的な数値設定に誘導します。

このKPIなら、「どんなアクションをすれば実現可能か」イメージができます。

行動のイメージが沸かないものは誰も実行しないものです。

 

2,KSFが大きいからKPIも大きくなる

前述のようにKSFのつかみを大きいままにして、そのままKPIを設定してもあいまいなままです。

ある企業でKSFが「業務用店の新規開拓」というものにしました。

すると「A地域で10社、B地域で5社」これがKPIとなったのです。

この「新規開拓件数目標」だけで、一体どんな具体策や行動をすればいいのでしょうか?

「新規開拓件数目標」を、部門別や個人別に配賦したところで、恐らく結果は出ません。

もし結果が出るなら、既にそれに相応しい仕掛けや行動をしていたはずです。

その「仕掛けや根回し」こそKSFであり、その細かい行動の数値目標こそKPIです。

「新規開拓」などの大きな項目はKSFでもないのです。

 

また利益に対しても、浅いKSFだと「〇〇への外注費の削減」と書き、KPIが「〇〇への外注費率10%削減」と書いたりします。

これだとアクションプランも複数出てしまい、単純な外注率の削減を進めるが故に、違う問題を起こしたり、かえってコストアップになることもあります。

したがって、このKSFも小さくする必要があります。

例えば

KSFを「〇〇への外注は△△の場合に絞り、◇◇の作業は内作率を上げる」とします。

そしてKPIが「◇◇作業の内作率30%」とすれば、絞り込まれたKPIなので、イメージもできるし、行動計画の具体策も考えられます。

このようにKSFを小さくすることで、KPIも小さくなり、それを実現するアクションプランも具体的になっていくのです。

 

 

3,KPI監査でのモニタリングは「アクションプラン監査」でもある

 KPI監査は、KPIの数値の進捗状況のチェックから、当初予定されていた行動計画の具体策を確認し、その進捗度に応じて具体策の再決定事項を誘導することです。

KPI目標が予定通りにいっていないのは、何らかの理由があるし、それは行動内容や発想の転換が求められるはずです。

KPIの未達自体がその証拠です。

だから

●アクションプランが間違っていたから

●具体策が浅かったから

●想定した課題以上の問題が発生したから

等々、KPIが未達に終わる理由は様々。

しかし、KPIが未達に終われば、多くの場合KGIも未達になります。

そこでアクションプランの見直しが必須になります。

このアクションプランの見直しまで、「KPI監査」では深入りすることが肝要です。

 

4,小規模企業なら経営会議で、部門が複数なら部門別業績検討会議で

このようにKPI監査でKPIのチェックだけだなく、アクションプラン監査まで入るとなると、相応の時間がかかります。

小規模企業なら事業範囲も狭く、経営者や一部の同族幹部とだけでKPI監査はできるので、「経営会議」のみでもPDCAは回せるでしょう。

しかし、複数の部門があり、それぞれにKPI監査やアクションプラン監査が必要なら、「部門会議」や「部門別業績検討会議」に参加してPDCAを回す必要があります。

すると、そんな大量の時間も取れないし、その時間に相応しい経営指導料も取れないコンサルタント・会計事務所も多い事でしょう。

そこでとりあえずKPI設定を経営計画書・部門計画書の入れる指導を先に行い、4半期単位のレビュー研修みたいなものを提案します。

そうすることで、KPI監査の仕組みやモニタリング機能も維持が可能です。

 

KPI監査は「企業の具体的行動の数値化と、その行動結果をモニタリングして、随時再決定事項を出していくPDCA業務」です。

だからKPI項目が良くなれば、KGIも改善され、ひいては売上・利益の好影響するのは自明の理と言えるのです。

 

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